ド偏見抱えてました。ゴメンナサイ
このルミナさん周りの話、旧版でも考えていた展開でした。しかし、なんかグダグダやってるうちに気付けばいい感じに挟み込む隙を見失ったというか……とりあえず旧版で入れられなかった展開を書いてます
はい。とんでもない拾い物(人)をした私です。
「お金は、持っています?」
「多少はあるわ……だけど、宿暮らしを続けるには心もとないわ……」
「それじゃ、帰りたくなるまでは、家で一緒に暮らします?」
「え?」
「帰りたくないんでしょう?そしてお金も心もとないと。なら、家でしばらく一緒に住めばいいと思います。もちろん家事なんかは分担で手伝ってもらいますけどね。食と住に関してはしばらく保証しますよ」
なまじ拾って関わってしまった以上は目が覚めたからとはいさよならーなんて出来ませんのでね。この発言が意外だったのか、彼女ことルミナさんは目を瞬かせた後、私に突き付けたままだった大鎌を消し、こう言った。
「助けてもらった私が言うのもアレだけど……あんた、警戒心とかないわけ?」
「え?」
「だって私は、ついさっきあんたを殺そうとしたのよ?」
殺そうとしたと言われましてもねぇ……アレは明確に私を殺すための攻撃ではありませんでしたし。攻撃に殺意も敵意も乗っかっていなかったので、怯える必要も感じなかったんですよね。どちらかと言えば混乱から出た咄嗟の防衛本能でしょう。
「敵意や殺意があるかは分かりますから。それに……他人を素直に心配できる人は悪い人じゃないですよ。」
「そ、そう。……その、助けてくれて、ありがと(きゅるるるー……)」
盛大に彼女のお腹が存在を主張した。そして彼女はとても恥ずかしそうに頬を染めながら俯いてしまいました。まぁ、誰だって空腹の音を聞かれたら、しかもそれが空気を読まずにめっちゃ主張してきたら、そりゃ恥ずかしいっスよね。
……彼女は吸血鬼だと言いますし、やっぱり食事は血かな?
「えっと、私の血、吸います?」
「なっ!?ちょ、ハァ!?バッカじゃないの!?わ、私達まだ出会ったばかりなのよ⁉」
どうして怒られたの。しかもさっきよりも彼女は顔を赤くしている。もしかして……アレですか。吸血は結婚の契約的な?
「ヴァンパイアが人間の血を吸うということは眷属にすることだったり、結婚だったり……///
と、とにかくそうほいほい血を吸う訳じゃないのよ!!ダンピールでもあるまいし!」
「あ、すいません…ヴァンパイアって会うの初めてなので……勝手なイメージを持ってました」
より正確に言うと前世から持ってる偏見なんですけども。それは言ってもしょうがないのでお口にチャックです。
「ふぅ。まぁいいわ。知らなかったんでしょ?それに、他の種族にも結構勘違いされているし……食事は基本的に人間と同じものを食べるわ。…まぁ、赤い食べ物があると、尚良い、けど」
あと、普通に聞き逃した。ダンピールってなんだ。私の印象だと半分吸血鬼半分人間のイメージなんですけど。
「この際だから!あんたが他にどんな偏見を持っているのかも聞きたいわ。食事はその後よ!さぁ!」
なんかものすごい圧力を感じます。
「えーっと、太陽の光に当たると死ぬとか、銀製の物に弱いとか、十字架に弱いとか、にんにくに弱いとか、あ、後は流水にも弱いとか……」
「銀製の話以外は嘘っぱちよ。確かに私達月の眷属は月の満ち欠けに影響を受けるけどねぇ。太陽の下でも歩けるわ。まぁ、肌が焼けしやすいから対策は必要だけど。それ以外は嘘。私たちはほとんど人間と見た目的には変わらないの。まぁ、ダンピールは今の特徴当てはまるけどね」
「ダンピールってなんですか?」
「簡単に言えば……吸血鬼のなり損ないね吸血鬼の魔力に適応できなかった人間のなれの果て。人の道から外れ、吸血鬼にもなりきれない存在。まぁ私達から見れば恥さらしね」
はえ~。また一つ私は賢くなってしまった。まぁ、要するにダンピールとヴァンパイアは全くの別物だと思っておけばいいわけですね。
ともかく事情はまぁなんとなく分かりましたし、ルミナさんはお腹空いてるようですしお昼ご飯にしましょうか。確かルミナさんの方は魔力欠乏ってだけで栄養失調とかは言われてませんでしたね。じゃあ、普通の食事で良いのかな。
あ、そうだ。赤い食べ物もあると良しって言ってましたし、せっかくなので【安寧の田園】で採れたトマトをお出ししますか。
「すぐお昼ご飯の準備はしますけど……先にこちらの野菜、いかがです?ちゃんと洗ってありますし、新鮮なままなので美味しいですよ」
そう言いながら私は今は実質共有化された【無限大収納】の中から収穫物のトマトをルミナさんに渡した。ルミナさんは渡されたトマトをしきりに見回し、それから意を決してかぶりついた。
「…んっ!これ、すごく美味しいわ!瑞々しくて、それにただ酸っぱいだけじゃなくこの野菜の甘さを引き立てるかのように酸味と甘味のバランスが凄いわ!一生コレだけ食べてても生きていけそうだわ!」
それはやめた方が良いのでは?栄養バランス的に(マジレス)
「もっと貰ってもいいかしら…?これを食べていると力も湧いてくるのよ!それにしても、こんなに赤くて美味しいものは初めて食べたわ!コレ、なんて名前なの?」
「トマトっていう野菜ですよ。家で育ててるんです」
「決めたわ。私ここに住む」
「や、それなら親御さんに話通してきてください」
「嫌よ!しばらくパパの顔も見たくないもの!」
私的には美少女、美人なヒトの加入は歓迎しますがね。話はちゃんとつけるべきだと思うの。だってそうしないと絶対に後で面倒なことになりますからね。(フラグ)
やいのやいのと二人で雑談をしていると扉がノックされた。
「どーぞー」
入室許可するとリーデが入ってきた。その腰にはルミナさんと一緒に居た獣人の子もくっ付いていた。
あ^~か゛わ゛い゛い゛~゛!
「ご主人様、獣人の少女が目を覚ましました。先ほど軽い食事と共にマーシャ様の用意された薬を飲んでもらいました。それで、この子がご主人様にもお礼を言いたいと」
「そっか。……体の調子は大丈夫?どこか痛い所とか……辛い所はな~い?」
獣人の子はコクリと頷き、それから口を開いた。
「あ、の……たすけてくれて……ありあとう……」
「私は貴方たちにベッドを提供しただけですよ」
私は少女の頭を撫でた。我慢できなかったからだ。
「にへへ」
とへにゃりと笑いかけてくれた。ん~、カワイイ!
「あかいめの、おねいさんも。ありあとう」
「……放っておけなかったし私も逃げるついでに助けただけだから」
ルミナさんもそっぽを向いてしまったけど彼女の耳の先端はちょっと赤いのが見える。純粋に感謝されて照れたのでしょうね。
「そうだ、君、お名前はなんて言うの?」
「ててぃあ」
「テティアちゃん?」
「そう!」
ふむ……テティアちゃんの格好はいかにもボロボロの奴隷といった感じの薄いワンピース一枚のみだ。一応汚れは落としたから肌とかは多少綺麗にはなりましたが。服がないのは可愛そうですし、買いに行かないと。心のメモに追加しとかないと。ルミナさんはお嬢様育ちでしょうから深紅のドレスを着ていたり。まぁそっちも多少ボロボロになっていますけど。ともかく服の確保が急務ですかね。
「あの、ご主人様。この子、テティアちゃんは行く場所がないようなのですが……」
「面倒見たいのね。良いよ。どうせこっちのルミナさんもしばらく家に留まるしね。これは賑やかになるね」
「ありがとうございますご主人様!良かったですねテティアちゃん。しばらく一緒に暮らしましょう?」
「いいの?ててぃあ、いっしょ、いていい……?」
「ええ。一緒に居て良いんですよ」
リーデはすっかりテティアちゃんに骨抜きですねぇ。そんでテティアちゃんもリーデに懐いてますわ。
ちなみに作者は好き嫌い激しいので、トマトも当然のように嫌いです(子供舌)




