やぁやぁ!我こそは農業(笑)娘である!
はい。転生者故か規格外だとリーデに突きつけられた私です。
リーデと契約したことで【安寧の地】なるスキルを手に入れた私。しかも?なにやら派生スキル【安寧の田園】とかいう食料チートを手に入れたわけですよ。じゃあそれを試してみようねというお話なんですが……どうやら家精霊であるリーデと私とで【安寧の田園】の認識が異なるらしい。
「よし、言うより行うが易しだよ。実践してみようじゃないの。……所でどうやって畑に出るの?」
「ああ、それでしたら鍵を使ってください。【安寧の鍵】は拠点に帰還するだけではなく、拠点に居る間は派生スキルで追加された所へ行くことが出来ますよ。ちなみにこの拠点はスキルの影響下にある限り亜空間に存在しているので拡張自体はいくらでも起こります。……レアケースですが」
やっぱ下手な転生チートよりもこっちの【安寧の地】の方がよっぽどチートでしょコレ。これ、ユニークスキルに分類されてるけどどちらかと言うと家精霊の契約特典でしょ?この世界最強はリーデ達家精霊だろ。
心の中で【安寧の鍵】の生成を念じると私の手元に光る鍵が現れた。……ふむ。もっとこう……スマートに取り出したいですねぇ。胸元に手を突っ込んで鍵を取り出すとか?……ま、それはおいおい考えるとしましょ。それより今は畑ですよね。
生成した鍵を雑に壁に差すと、畑に繋がる扉が出たのでその扉を潜り抜けた。するとそこには……
「わお。な~んもないね」
「まぁ……一から耕さないといけないのは仕方ありません。」
見渡す限りの風そよぐ平原!畑のはの字もなかったのです。ちなみに木もなければ当然のように動物もいませんと。あるのは入ってきた入り口だけ。すげー異質な空間だぁ。
眼前に広がる光景を前にどうしようか悩んでいたところ、ウィンドウがぬっと現れた。
「これは……ステータス画面……に似ていますね」
「お、リーデにも見えるんだ。確かに似てるね」
えーと何々…?ああ、まずは畑を耕すかを選択できると。もちろんYES!選択すると同時に少し地響きが起こり土が段々掘り起こされ、畑が出来ていました。
「なっ…!えっ…!ご、ご主人様?これは一体……」
「ん?畑。出来たよー」
畑が出来たからかウィンドウには新たにマップ機能が付いていた。そして畑になった部分は茶色になっている。それ以外は緑色をしている。マップの畑の部分をタップしてみるとさらに選択項目が出てくる。今度は植える植物を決めるのかー。何があるんでしょうかね。初めにニューマークが付いた米と大豆があって……項目を下にするとこの世界の植物もある。さらに下にしていくと……あらま。前世の植物もあるじゃないですか!おっ、しかもフルーツまで?育てられると?
最初に植えるのはとりあえず無難に……米と大豆でしょうとも!半分ずつね。植える植物を選択すると茶色だった畑の色が半分は白色に、もう半分は黄緑色に変わった。変わった所をタップすると、植えた植物の詳細まで出てきた。
「ご、ご主人様?もう畑に芽が出ましたよ⁉」
「え?あ、ホントだ。すごーい。凄いねリーデ!このスキル最高!リーデと出会えてホント良かったァ!も~一生放さないからね!」
「……もっと言ってくださいご主人様!!」
おっと?もしやリーデさん、考えることを放棄したね?ま、細かいことを気にしすぎても人生楽しくないですからね。
《大豆:収穫可能まであと3時間》
《米:収穫可能まであと1日》
わーお。収穫バカ速いな~。コレ、リーデも操作できるのかな?
「リーデもやってみない?」
「分かりました。まずは……なるほど。空いた土地を選択し、耕すのですね。YESと。」
リーデも操作可能ってことは私以外でもこの畑の管理は出来るわけだよね。全部が全部私がやらないといけないんじゃあ、到底私の望んだスローライフとは言えないでしょうからね。家に居ながら死ぬほど働くなんざごめんですから!
リーデは特に迷うことなく私と同じ手順を踏んだ。けれど、植える作物を選ぶ段階でリーデは手が止まった。
「どしたのリーデ。なにか分かんないことあったの?」
「いえ、そうではないのですが……ご主人様。この真ん中より上の項目は分かるのですが、そこから下の項目の植物は見たことも聞いたこともありません。どういったものなのでしょうか?」
ひとまず私はリーデにリストに載っている植物の事を簡単に。本当にざっくり簡潔に説明した。どういうものか聞かれても詳しくは言えませんのでね!名前とか知ってるくらいですもの!
「なるほど……しかし、なぜこのような植物が一覧に出るのでしょうか?ご主人様の持つ知識や記憶に影響されるはずなのですが……」
ふむ。まぁ、リーデになら言ってもいいですかね。私が異世界転生者だってことを。まぁ隠してなんかぎくしゃくーとかなんとかあるのは嫌ですし?
「ああ、それね。リーデに…ってか誰にも言ってなかったけど私、前世の記憶あるんだよね。こことは違う世界での記憶ってやつ。そこの知識がスキルにも反映されているんだねきっと」
「ああ、そうだったのですね。なるほどそれならご主人様に影響された【安寧の地】が規格外になるのも納得です」
「私が言うのもなんだけど軽くない?結構重大な秘密打ち明けたよ?」
「でも私のご主人様であることになんら変わりはありませんよね?でしたら無問題なはずです!」
つ、強い…!いやでもコレ、本当に真理なんですよね。姿形が変わろうが元がなんであろうがそれまでの積み重ねが消えることはないのですよ。……まだ私とリーデ出会って数日ですけどね。
最終的にリーデはいくつかのフルーツを植え、果樹園の区画を作った。私も私で追加で畑を作り……調味料関係(スパイス含め)やらじゃがいもやらなにやら色々な区画を用意して、広大な畑が出来上がりましたとさ。ちなみにですが……流石に果樹園の方は畑の方より育つのは遅いみたいでしたけど……どうもそっちは一度実が生ったら1日おきに同じ量が同じ品質で出来るみたいですね。
「ご主人様、これ……食事には困らなくなりましたね」
「だね。まぁ良いことだよ。飢えるのがいっちゃん怖いでしょ」
「ですね」
はい。多分、一生かかっても消費しきれないであろう規模の畑を手に入れた農業(笑)娘ちゃんですよ♪なんて。ちなみに私もリーデも収穫は手動であったことにはこの時気付かず……後々苦労するのですがそれは別のお話です。まぁ、放っておいても腐ることはないみたいなので必要量だけ収穫すればいいだけというのが楽でいいですね。
え?これで農家なんて笑わせるな?だって?私とてそれくらい弁えているから農業(笑)娘なんじゃないですか。ええ。
旧版ではリンちゃんはリーデ相手に異世界転生者であることを明確に明かしてはいませんでしたが、新版では明かすことになったようですね(他人事)




