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どんなって……普通の村だが?

はい。家を外装だけ作り終えた私です。リンちゃんです。


さて……早速家具屋に行きたい!……ところなのですが。私はエクレシアの街には来たばかり。そしてリーデも屋敷に縛られていたので街を回ったことはないと。何が言いたいのかと言うと……あてがない!……商業ギルドに行けば教えてくれるでしょうかね?


商業ギルドへ行き、家具を売ってくれる店のことを聞いたら快く教えてもらえたのでそこに行ってみますか。素材の持ち込みもやってるみたいですし。使える素材があると良いんですけどね。


「えーっと?貰った地図によるとこの辺だよね」

「ご主人様、あちらの店ではありませんか?教えていただいた特徴と一致します」


リーデが指さす方を見ると確かに金槌と鋸を模った看板が下がっている店舗を発見した。そしてショーウィンドウに見本っぽい椅子とかが飾られていると。うん、ここですね。


店の中に入ると椅子の他に机やチェストなんかも展示されている。そしてカウンターにはずんぐりむっくりの髭もじゃのおじさん。恐らくドワーフの方なのでしょう。初めて見ましたわ。


「おう、らっしゃい。何が入用だ」

「家具全般ですかね。ソファとかも欲しいです」


店主は私とリーデのことを見てから、


「金は払えるんだろうな?」

「当然ですとも」

「ふん、貴族の道楽か」

「は?私貴族じゃなくて冒険者なんですけど。あと、素材の持ち込みで割引もあるって聞いたんですけど」

「ああ?貴族じゃないだぁ?……まぁいい。それで?何を持ち込む気だ。中途半端なもんじゃ受け付けねぇぞ」


……ちょくちょく私貴族の令嬢か何かかと勘違いされますね?どっからどう見ても一般庶民でしょうが。顔だって私は自分の顔を美少女だと思ってますけどそれはあくまで異世界補正で顔面偏差値上がってるからそう思うだけであって、ねぇ?


――この時、リーデは主人と店主の会話を聞いて主人に対してこう思っていた。見目麗しく、その上教養や育ちの良さが滲み出ていますもの。誰だってそう思うと思いますわ。と――


「使えるかどうか分かりませんけど寝具とかに使えそうなのは……コレとかあとはコレとか……」


私は【無限大収納(ストレージ)】から適当に突っ込んで保管していた素材群を出していく。まぁプライドの高い気難しそうな職人気質の方のようですし、そんな方のお眼鏡に敵うだけのものがあるとはあんまり思えませんけど。あ、あとついでにさっき生み出した木材の余りも。実は木1本分余分に余ったんですよねぇ。


「おいおいおい。な、なんじゃこりゃあ!」

「あ、やっぱり駄目でしたか?仕舞いm…」

「いいや、逆じゃ!どれもが最高級のもんじゃ!むしろこれを出されて文句をいう奴の気が知れんレベルじゃ!こ、この木材はどこで手に入れた!?硬く程よくしなる。強度は十分!」

「あ、それは私がさっき植物魔法で生み出しました。これで家具一式作れますかね?」

「な…⁉そ、そうか…!ええじゃろう!儂の全霊を懸けた最高級のもんを手掛けてやろう!」


や っ た ぜ !案外やるもんですね私の植物魔法。とりあえず最低限の家具は手に入りそうです。しかし最も重要なのは寝具デス!


「ちなみに木材以外は……」

「無論使わせてもらう。しかしおめぇさん、コイツァ……キングシープの毛だ。キングシープといやぁ最高級のウールだぞ⁉一国の王がこいつの毛を求めて遠征隊を結成したという逸話もあるくらいのな!」


はぁ……そんなに珍しいんですかねあの子達。キングシープって言うのは知ってましたけども……ただの品種名みたいなものかと思ってましたが。


「おめぇさん、こっちもまさか魔法で作ったのか⁉」

「いえ。それはうちの村で飼ってる羊の毛ですけど。いや~毛繕いをするとめっちゃ落ちるんですよね。換毛期なんて普通に一部屋の半分埋まるくらいは多分出ますね」

「どんな村だー!?」

「どんなって……普通の農村ですけど」

「んなわけねぇだろぉがッ!キングシープはなァ!人間に懐かないことで有名だぞ⁉それを?飼っている⁉そんな村があったら俺が住みてぇわ!」


そうは言われましてもねぇ……少なくとも私が外出歩けるようになった頃には既に飼われていましたしねぇ……それを異常みたいに言われてもなぁ……エステル村の子供たちの人気者ですよ?彼ら。しかもめっちゃぽけぽけして人馴れしてましたよ?彼ら。


私が店主の発言に首を傾げているのを見たリーデが声を掛けてきた。基本的には私はメイドですのでって感じで私の後ろで黙してお澄まししてたのに。


「ご主人様、普通、キングシープなんてお目に掛かれる人間はほとんどいません」

「……でもうちの村に普通に十数匹くらいいるけど」

「ではご主人様のあふれ出んばかりの魅力がキングシープを惹きつけてやまないのですね。流石ですわご主人様」


なんか私リーデに崇拝かなんかされてない?気のせい?いやはや人間関係ってのは難しいですね~。この件は深く考えると何かが……そう、SAN値的なサムシングが削れそうだから辞めときましょう。人間、諦めも肝要。このマインド、ダイジ。


「フーッ……よし、飲み込んだわい。おめぇさんに俺の職人人生の全てを懸けた品々を!必ず作り上げて見せる!ちぃっとばかし時間を……そうだな。初めに寝具を作ろう。寝具で3日ほど!待っちゃくれねぇか⁉その他の家具類も合わせて8日ほど時間をくれぃ!」

「分かりました。寝具は3日後に受け取りにくればいいですかね?」

「ああ、そうしてくれ!代金に関してだが……今回は要らねぇ!」


うわ出た。最高の仕事と珍しい素材を使えるのが何よりの報酬だっていう類の職人。趣味人ならやり方に口を挟む気はないですけど。仕事人でしょうに。


「それはダメでしょう?働きに対しては正当な対価を払わないといけません。割引とかいいので通常代金分は払いますよ」

「儂としちゃあ……これほどの宝の山を使った製作が出来るのならそれこそ最高の報酬だ。……が、おめぇさんの言うことも分かる。儂とて弟子を持つ身。金は入用じゃからな。今回はそれで手を打とう。じゃが、今後もひいきにしてくれんなら料金は割引しとくぜ。ここは譲れん!」

「じゃあそれで」


ま、代金を受け取ってくれるのなら、私としてはそれでいいですけどね。働きに対する真っ当な額の報酬は支払われなければいけないと、私は考えていますから。あ、リーデのお給金とかどうしようか


「ご主人様、私は給金などいりませんからね?ご主人様にご一緒できればそれが幸福なので。むしろ下手に給金を払おうとしたら……断固受け取り拒否しますからね!」

「おーけーおーけー。リーデがそれでいいならそうしよ」


そんなに私分かりやすかったかな?顔に出した覚えないけど。え?声に出てた?あー、そっかぁ。


「おっと、名乗っておらんかったな。儂はアンドレア。しがない家具職人のドワーフじゃ。」

「私は冒険者のリンです。こっちは仲間のリーデです」

「リンにリーデか!ええ名じゃ!最高傑作を必ずおめぇさんらに届けて見せるぜ」

「楽しみにしてますね」


よーし、家具問題解決ー♪寝具は3日後ってことは……ギリギリ銀の猫亭に滞在中に出来上がる感じですかね。その日までは依頼をこなして時間をつぶ……あ、そうだ。リーデを冒険者登録しないといけませんね!忘れてました。

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