カツ、どれにするか問題
夕飯のおかずはカツにしようと思い立ち、揚げ物屋さんに買い出しに行った時の事です。
トンカツくらい自分で揚げればいいのですが、その時は揚げ物専門のお店で作られたものが食べたかったのです。
で、お店にはトンカツだけでなくコロッケや唐揚げなど、色々な揚げ物が並んでいました。その中にチキンカツがあったのです。
トンカツ気分が揺らぎました。
チキンカツ、イイね! チキンカツにはトマトソースが似合います。トマトソースならすぐ作れますし、何だったらチーズも乗せてしまおうか……なんて考えながらチキンカツの並びの斜め上を見たら、ハムカツとメンチカツも売ってるじゃありませんか。
これは悩ましい……トンカツ、チキン、ハム、メンチ、どれも魅力的です。店頭で十分位迷い、結局トンカツを買いました。
けど、こういう時って、どれを選んでも絶対に後悔するのですよね。案の定、家に帰ってから「あー、やっぱりチキンカツにすればよかった」「ハムカツ、美味しそうだったな」「メンチ、いいよねぇ」と、それこそ三十分位自分の選択を悔やみました。
カツは、よく見るお肉だけでも、チキン、ハム、ビーフとあります。魚介類だってあります。作り方は限りなくカツに近い「フライ」もあります。野菜だって、例えばアスパラガスをベーコンで巻いてパン粉をつけて揚げたものもありますし、そうだ、串カツなんてのもありますね。
って言うか、もう、パン粉を纏わせた揚げ物は全部「カツ」って事にしていいんじゃないでしょうか。少なくとも、日本ではそれで通じるのでは。あ、コロッケがあるか……うーん……。
では、食材を切っただけで下味をつける以外の調味をせず、小麦粉、卵液、パン粉をつけて揚げたものは全てカツ。それ以外はコロッケ。これでどうでしょう? だとしたら、メンチはカツじゃないって事になっちゃいますね、うーんうーん……仕方ありません、今日からメンチは、私の中ではコロッケということにします。
けど、もしも「切っただけの食材にパン粉をつけて揚げたもの」を全てカツと呼ぶとなると、「『~カツ』と言ったら、何を思い浮かべる?」という問いに対し、人によって脳裏に浮かぶものが結構違ってきそうです。
例えば、
「ただいまー! お腹減ったー! 今日のご飯、何……あっ、もしかしてカツ⁉」
「うん」
「やったー!」
「うふふ、早く手を洗ってらっしゃい」
「はーい!」
……三十分後。
「……コレジャナイ……」
「え? 鯵のカツ、嫌いじゃないでしょ?」
「好きだけど、コレジャナイ……」
「牡蠣のカツだって、あなた好きだったでしょ?」
「……けど、コレジャナイ……チキンが……チキンが食べたかった……」
……なんてことが起こり得るかもしれません。
皆さんは、カツと言ったら何を思い浮かべるのでしょう。ここまで書いておいてなんですが、私はやっぱりトンカツです。




