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86.予測外の贈り物、追跡不能 ③

「小心者をあぶり出すために焦っていけないよ。知人から貰った情報は昨晩リーゼロティさんが泊まっている寮の裏道に最近あちこちよく現れら触手型の使役体を退治した報告が入った。リーゼロティさんが帰り道のルートを変わったから襲われなかったと思います」


 「分身がなかなか獲られないなら、今度は正体が自ら襲ってくる可能性もあるか」


 「ええ、だから彼女はまだ完全に危険が解除されたわけではないよ」


 「うん……もう少し長く見守ろうか」


 クロディスは気になることをトオルに訊ねる。


 「そう言えば、石井春斗はトオルの追跡が気付いたでしょうか?」


 「彼は顔を映像の方向や空を見上がる動きが何度もした。しかし、彼は自らの腕や肩を嗅がった仕草も何度もした。こちらの追跡が気付いたとか判断できない。どちらにせよ、一つ確信できる事は。彼はカブトムシの存在が知っていると思う」


 トオルはまた長考に沈んだ。


 クロディスはトオルの不安や戸惑う気持ちを覚えたら訊ねる。


 「石井春斗の動きを知ってショックしたの?」


 「いえ、ただ彼は何の為に僕と勝負を賭けたのか、よくわからなかった。だって、彼には全てが有利な条件を持っている、誰かに通報すれば貪食者を直ぐに身の確保できるはずだのに、どうしてその連中と手を組むのを選んだのか?不思議と思った」


 先は撮った映像の対話内容、また、セントフェラストのニュース告示板を調べたら昨晩に貪食者グラムイーターが逮捕されたニュース記事がない、逆に貪食者に襲われた件数と人数が増えている。明らかに春斗が正体不明の3人を幇助するのは進行している。


「そんなことを気にするより、もっと大事なことは、これからトオルがどうするかよ。先に貪食者を見つけた彼が通報しないなら、これこそトオルのチャンスじゃない?今度は、追手はトオルの番よ」


椀に雲のように淀むスープを見て、少し考えたトオルが言う。


「うん、そうだけど……でも、彼が作ったアクセサリーは人の源気を外部からの探察を遮断できる。これで、貪食者を探すのがさらに難しくなり、おそらくその3人の貪食者の犯行はこれからもっと好き勝手に暴れるだろう」


「それなら、正体の方の尻尾を掴むチャンスが増えるではないの?」


「うん、でも、いきなり奇襲で襲ってくることもあるかも。気がついたら、既に手遅れかもしれない」


 襲ってくるの頻度が増え、襲ってくる頻度が増え、いたちごっこもますます賢く狡猾になる。


 対策法が今のトオルには対応方法が保ってない。精神が戸惑っているトオルを解決策を導くように言う。


「そうよね。そういえば、トオルが残った子たちは石井春斗を追いかけられないの?」


「残る4台のうち3台は戦闘護身用で、偵察機能が重視されていないから夜間の追跡ができない。しかも、残った偵察用機体は水中専用だから、陸上での人の追跡ができないんだ」


「それなら彼の追跡はもうできないの?」


「新たな機元ピュラト使い獣を作るのは難しくないが、問題は僕が持っている材料が脆いので、偵察用を出せてもすぐに打ち落とされたら意味がなくなる」


解決策がなかんか思い出せない、無表情になっているトオルを見て、クロディスが言う。


「そういえば、誰かトオルに送ってきた贈り物を預かっているよ」


席を外したクロディスはリビングへと歩いて行く。


「贈り物?」


そう聞いたトオルは目線をクロディスの動きに追い、首も振り向く。

 ローテーブルに置いたポケット箱を取って、食卓に戻ってくる。クロディスは箱をトオルに渡し、また席に腰を掛ける。


「これは業務用の大量収入できるポケット納屋ではないか」


 納屋を食卓の少し空いている所に置き、中に保存している物を取り出すと、金属の箱がいくつかあり、それぞれの箱を開けると、中には回紋を書き入れるドッターが多数、そして他には種類がたくさんの金属色のパーツが箱ごとに綺麗に分けられていた。


「すごい、これは金属のパーツだ」


 よく見るとそれぞれのパーツはトオルが以前機元使い獣を作ったプラスチックのパーツと同じ物だった。他には錬成できた造形加工されていない合金材料の板が数枚あり、材料板を設計図に応じて射出成形し、求めるパーツが作れる機元も手に入れていた。


 「他にも錬成機材と小型の造形成形プリンターもセットになっているなんて」

 トオルは新しい玩具をもらった子供のような喜びを表した。


 トオルは納屋に入れた六角柱ガラスの封筒を取り出して、開けるためにスイッチを押すと、六角柱ガラスの本体が長く伸び、巻物を解くように展開していく。文字が宙に映し出された。


ーー


愚直なあなたへ


 あなたがハルト・イシイと賭け勝負をしていることは知っている。あなたは少々不利な状況だったのではないか?あまり見ていられないので、少し協力させてもらいましょう。あなたが面白い物を作ったので、勝手に機元パーツの設計データを手に入れたことを許して欲しい。君に送るパーツはプルトス合金で作ったものだ。他の錬成機材と造形製成プリンターも十分に使って、あなたの賭け勝負に勝ってほしい。


                                偶々見守っているスポンサーより

                               

                                             ーー


「これは今の船艦がよく使っているプルトス合金で作ったパーツ。これがあれば、もっと丈夫な機元使い獣が造れる。こちらの機材の量は現有の使い獣を強化するだけではなく、壊れたものを作り直せるのみならず、武具アイテムの少量生産も可能だ」


クロディスは首を傾け訊ねる。


「これは誰が送った贈り物でしょうか?」

「正体は分からないが、その人の気持ちを十分に有効活用する」


 トオルはクロディスが作った朝食を平らげた。食事後、トオルはすぐに機元使い獣の作業を始めた。カブト虫を作り直し、戦闘用サソリ、コウモリ、トカゲの三台の使い獣の耐性強度をバージョンアップさせ、さらに武具アイテムを一気に10個作った。


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