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リバースプロキシ  作者: 如月いさみ


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63/124

親子の形

直彦や春馬と似ていてかなりの美形である。

ただこれまでは何処か子供っぽい空気があったが今は大人っぽい透明さが加味されていた。


伽羅は描きながら

「春彦、変わったなぁ」

と心で呟き

「俺、変わってない気がするけど…ムムっ」

と呟いた。


静寂の時間が伽羅の筆を動かす音だけを響かせて過ぎ去っていく。


太陽はゆっくりと昇り、やがて、南天にさしかかる頃に伽羅は筆をおくと

「とりあえずは一段落かなぁ」

と呟いた。


春彦は目をオオッと見開くと

「何処まで出来た?」

と立ち上がるとパタパタと小走りに伽羅の横に立った。


伽羅はそれを見ると

「こういうところはやっぱり子供っぽいな」

と心で呟いてププっと笑った。


春彦は「?」と伽羅の顔を見た。

「何だよ、急に笑って」


伽羅は首を振ると

「ここのところさ」

春彦が急に大人っぽくなったから俺置いていかれてる気がしてさ

「けどそう言うところ分からないなぁって思って」

と笑って告げた。


春彦は苦笑すると

「変わってないけどな」

と言い

「でも、もう俺の迂闊さで直兄を危険に晒すわけにはいかないって思ってさ」

と告げた。

「今まで直兄や隆さんやお母さんや春馬兄さんたちにすげぇ守られていて迂闊過ぎたって分かったんだ」

と視線を伏せた。

「今動き出したことを考えたら…意識を変えないと俺だけじゃなくて直兄も道連れに死なせてしまうと思うし母さんや春馬兄さんや武藤さんや伽羅や本当に周りの人を危険に晒すって分かったから自由に動き回るのは」

全部が終わってからな


伽羅は目を見開くといたずらっ子のように笑う春彦の顔を見た。

「春彦…変わってないじゃん」


二人は顔を見合わせて同時に笑った。


春彦は伽羅の描いた絵を見つめ

「何か、かっこ良すぎて恥ずかしいな」

と言い

「けど、ありがとうな」

と告げた。


伽羅は「俺の方がありがとうな」と言い

「芸術展終わったら、この絵貰ってくれる?」

と春彦を見た。


春彦は笑顔で

「いいのか?」

すっげぇ嬉しい

と告げた。

「ありがとう」


伽羅も頷いて

「俺も嬉しい」

と答えた。


伽羅の部屋には絵を描く空間があるので春彦の部屋のように応接空間がなくベッドと机だけなのだが、広さは春彦の部屋と同じであった。


春彦はそのベッドの上に腰を下ろすと

「それで、芸術展のことなんだけど」

この話は花村先生から聞いたんだろ?

と聞いた。


伽羅は頷いて

「そうそう」

と答えた。

「俺はまだそれほど芸術展とか美術展に応募するって考えてなかったんだけど花村先生がパンフレットを用意してくれて展示会に応募して色々な人に見てもらって選評とかもらうのも勉強になるって勧めてくれたんだ」

んーだから入賞するとかしないとかより

「自分に足りない部分を気付かない部分を見つけるためのチャレンジみたいなものみたいだ」

もちろん全力を尽くすけどな!

最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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