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リバースプロキシ  作者: 如月いさみ


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ハマユウ

隆と直彦がソファに座ると春彦は絵の入った箱を持ってきた。

先日、持明院壮一郎から買った乙女シリーズの『ハマユウ』である。


伽羅も二人に向かい合うように奥の方へ座りそれを見た。

春彦は箱から出すと

「これ、直兄に渡そうと思って」

と告げた。


そこには磐井栞と秋月直樹が描かれている。


直彦は目を見開き

「これは?」

と聞いた。


隆も驚いて絵を見入った。

そう、直彦が机に飾っている本物の両親だと渡された写真の人物が描かれていたからである。


磐井栞と秋月直樹である。


春彦は頷いて

「この絵は磐井栞という女性と秋月直樹という男性を陸奥家の当主である陸奥初男が描いたものなんだ」

と告げた。

「直兄の両親はこの二人だと俺は思ってる」


隆は戸惑いながら

「じゃ、春彦君は直彦がその、秋月家の…末裔だと…言っているのか?」

と聞いた。


それはすごく重要な事なのである。


春彦は強く頷き

「間違いなく」

と言い

「神宮寺家に秋月直樹が最後に送った手紙があってそこに直兄の育ての母親の野坂由以のことも書かれていた」

と説明すると最後に

「今、俺の手元には無いけど…直兄には読んで欲しい」

そう笑顔で告げた。


直彦は黙ったままであった。


隆は彼を見て

「直彦?」

と呼びかけた。


本当の両親が分ったのだ。

もう少し反応があっても良いと考えたのだ。

が、直彦は大きく深く息を吐き出すと

「すまない、どう反応していいのか」

と言い

「突然、親がこうだと言われても現実味がないというか」

と腕を組んだ。


春彦は小さく笑って

「俺も同じだった」

と言い

「お母さんが突然お母さんだって言われてもお母さんがいない時が長かったからどう考えて良いか分からなかった」

と告げた。

「ピンとこないというか」


直彦は笑んで春彦を見ると

「そうだな」

と答えた。


春彦は笑顔で

「でも、今は何となくわかるというか…怒られたりとか注意されたりとかしても…温かいというか」

そう言うのがお母さんなのかなぁって

と告げた。

「だから、直兄も分かると思う」


隆にしても。

伽羅にしても。

両親がいて普通なのだ。


そう言う部分では直彦の気持ちは春彦にしかわからないのかもしれない。

隆は直彦の肩を叩き

「そういうことだ」

と言い

「ゆっくり考えて行けばいいんじゃないのか」

と告げ

「問題は直彦が秋月家の人間だということだな」

と呟いた。

「とにかく、東雲と白露と末枯野には知らせておくが内密にしておかないとお前の身も危ないし…太陽君の身にも危険が迫るかもしれない」


春彦と伽羅は顔を見合わせた。

確かに直彦が秋月家の人間だとすれば、子供の太陽は間違いなく次代の秋月家の人間になる。


春彦は「それで」というと

「直兄に会ってもらいたい人が二人いるんだ」

その手紙を持ってる人と

「直兄の異父兄妹の詩音って女の子…陸奥初男って人と直兄の母親の磐井栞って人の子供なんだけどその子は今居所が分からないから直ぐとはいかなくても何時か会って欲しい」

と言い、一区切りをつけるように息を吐き出して

「それから」

と告げると

「直兄と色々旅行したいし」

話もめちゃくちゃある!

と笑顔を見せた。


直彦は小さく笑って

「そうか…そうだな、探偵になると聞いたが詳しい経緯も聞かないとな」

と返した。


隆も頷いて

「ああ、色々事件があったんだろ?ネタを貰って帰るからな」

と笑った。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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