第2話初めての大金
最弱ランクF探索者の俺は、家族を守るため最強を目指す
略して【F守】2話!
楽しんでってください!
鉄皮狼を倒した後。
俺はしばらくその場から動けなかった。
父「はぁ……はぁ……」
鼓動がうるさい。
腕も足も震えている。
生きている。
本当に生きている。
数秒前まで死ぬと思っていた。
それなのに――
父「勝った……のか?」
目の前には動かなくなった鉄皮狼。
そしてその胸元には、
拳大ほどの巨大な魔石が転がっていた。
父「でかい……」
今まで見た魔石とは大きさが違う。
スライムの魔石なんてビー玉程度。
これは拳大。
明らかに価値が違う。
その時だった。
《鉄皮狼を討伐しました》
父「!?」
再び文字が浮かぶ。
《経験値を獲得しました》
《レベル1→5》
《筋力上昇》
《敏捷上昇》
《耐久上昇》
《スキル:家族愛の適性を確認》
《初回ボーナスを付与します》
父「な、なんだこれ……」
頭が混乱する。
ゲームみたいな画面。
だが不思議と理解できた。
今の俺は強くなった。
間違いなく。
今までよりも。
父「帰ろう……」
妻に会いたかった。
娘に会いたかった。
今はそれだけだった。
⸻
探索者協会。
受付嬢「え?」
魔石を見た瞬間。
受付嬢の顔色が変わった。
受付嬢「ちょっと待ってください」
奥へ走る。
数秒後。
スーツ姿の男が飛び出してきた。
男「この魔石をどこで?」
父「東京第七ダンジョンですけど……」
男「誰が倒した?」
父「俺です」
男「Fランクだろ?」
父「そうですけど」
男「は?」
俺も同じ気持ちだった。
⸻
査定室。
機械に魔石を入れる。
ピッ。
金額が表示された。
【2,870,000円】
父「……え?」
受付嬢「え?」
職員「え?」
全員固まる。
父「に……」
父「二百八十七万!?」
手が震える。
今までの人生で見たこともない金額。
昼は工場。
夜は探索者。
必死に働いて月二十万。
それが一日で。
父「嘘だろ……」
涙が出そうになる。
妻が助かる。
本当に助かるかもしれない。
⸻
病院。
娘「パパ!!」
病室の扉が開く。
娘が飛び込んできた。
父「おっと」
抱き上げる。
軽い。
あまりにも軽い。
娘「おかえり!」
父「あぁ。ただいま」
妻はベッドで笑っていた。
妻「無事でよかった……」
父「それより聞いてくれ」
封筒を見せる。
妻「?」
父「治療費、払える」
妻「え……?」
父「払えるんだ」
妻の目が大きくなる。
娘は意味が分からず首を傾げていた。
妻「本当に……?」
父「あぁ」
妻の目から涙がこぼれた。
妻「よかった……」
父「だから絶対治そう」
妻「うん……」
娘「ママなおる?」
妻「うん」
娘「やったぁ!」
病室に笑顔が広がる。
その光景を見て、
俺は思った。
父「まだ足りない」
妻を治して終わりじゃない。
この先も金はいる。
娘も大きくなる。
守らなきゃいけない。
もっと。
もっと強く。
⸻
その夜。
帰宅した俺は一人で考えていた。
テーブルの上にはスマホ。
探索者専用アプリが開いている。
父「レベル5か……」
今まで存在すら知らなかった。
家族愛。
というスキル。
説明を開く。
そこに表示された文字を見て、
俺は息を呑んだ。
《家族愛》
《家族を守る意思が強いほど成長速度上昇》
《家族を守る意思が強いほど能力上昇》
《家族が増えるほど効果増加》
父「……なんだよこれ」
化け物みたいな能力だった。
そして。
画面の下に、
新たな項目が表示される。
《進化条件達成》
《次の覚醒条件を開放します》
父「覚醒……?」
タップする。
表示された文字を見て、
俺は固まった。
《家族の危機を感知しました》
父「……は?」
次の瞬間。
スマホが激しく鳴った。
着信。
病院からだった。
嫌な予感がした。
電話に出る。
すると、
看護師の焦った声が聞こえた。
「すぐ来てください!」
「娘さんが倒れました!」
2話です(((o(*゜▽゜*)o)))
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