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白銀のスコール  作者: 九朗
第二章『東雲の少女』
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第22節

 予定外の権化、ここに現る。


 本当はもうしばらくアキト君には暗黒面に堕ちたままでいてもらうつもりだったのに。


 もしかして、この御方が主人公なのかもしれん…。





第22節


 カポーン、っとまあそんな音が聞こえてきそうな程大きくて趣のある風呂場。

 そこで彼はすっかり芯まで凍りついてしまった身体を、少しずつ溶かしていた。


 それと同時に。


「ブクブクブクブクブク」


 この風呂で自殺が出来ないだろうかと本気で悩んでいた。半分実行しながら。


 だが、まあこんな所で死んだら宿の人に迷惑が掛かるだろうし、いわく付きの宿という噂を立てられでもしたら商売あがったりだろう。本当に迷惑極まりない。


 それに、己の命が己の物だけで無いことぐらい、理屈の上ではあるが理解している。


 彼はギリギリまで酸素と二酸化炭素を吐きだした後、鼻と口を水中から出し、一つ溜息を吐く。

 おもむろに風呂の縁に背中を預け、湯気で曇る天井を見る。


 どうやら意識を失った事で、暴れていた『欲望』はリセットされたらしい。今はあの凶暴なまでの猛りを感じない。

 だからこそ、こうやってぼんやりと考え事が出来るのだが。


 考えるのはやはり『欲望』の事だ。


 この『欲望』とどのように折り合いを付けて生きていくのか。

 『抑制』か『発散』か。もしくは、それらをどのような割合で受け入れるのか。


 『抑制』だけでは、また今度のような事の焼き直しだ。

 無様に周囲に当たり散らし、散々迷惑をかけた後、倒れ、さらなる迷惑をかけると云う、最低最悪の結果を繰り返すだけだろう。


 だが、同時に『発散』も方法としては取りたくない。

 その具体的な方法を『欲望』がぶり返してこないように頭の隅に追いやりながら、考える。

 不可能では無い。むしろ、最も容易で安易な方法だ。

 だが、それだけに代償もでかい。失うのは己の命では済まされないだろう。


 彼の思考はここで行き詰ってしまう。


 『抑制』は駄目だった。だが、『発散』も受け入れたくない。


 ならば、どうする?


 どうする?


 彼の思考が停止寸前まで行きかけた時、浴場の扉がけたたましく開け放たれ、誰かが入って来る。


 ここは貸切のはずだが…、と彼が不審に思っていると、入って来たのはその貸切にしている張本人だった。


「ふむ、なかなかにおもむきが有って良いではないか」


 水竜の国の女王陛下ミズキ=ウェルデンス、その人だった。

 彼女は堂々とした歩みで浴場に入ってくる。


「あの…、入ってるんですが」


 アキトが自分に気付いていないのではないかと思い、恐る恐る声を掛ける。

 だが、彼女はその声に驚く様子もなく、こう答える。


「知っておる。じゃが、この風呂を貸し切っているのは余なのじゃから、余が遠慮をする道理はあるまい?」


 そういう問題じゃねえよ。


 だが、彼女の言い分ももっともだ。どちらかと云うと俺の方が招かれざる客なのだから。


 だが、だがしかし。これだけは言わせて欲しい。


「なら、せめて身体にタオルくらい巻いたらどうですか!」


 アキトの叫びが浴場に木霊こだまする。

 そう、彼女はその瑞々(みずみず)しい肢体を恥ずかしげも無く晒していた。

 俺が入っていると知っていたなら、どうして隠さない。水竜の国には露出狂を育む土壌が有るとでも言うのか。

 確かに、海水浴が出来るのはこの水竜の国の海だけらしいが。


 しかし、そんな俺の叫びにも彼女は飄々(ひょうひょう)としている。


「なに、人は皆生まれて来る時は裸なのじゃぞ?服など、所詮身しょせん体に張り付いた布切れに過ぎん。ならば、肩に付着した埃となんの違いがあろうか?いや、無い」


 しかも、自己完結しやがった。唯我独尊とはこの事か。自己弁護ですら偉そうだった。


 そうしている間にも、彼女は湯船に近付き、彼の視界には湯気によって遮られていた彼女の身体がハッキリと見えて来る。


 慌てて風呂から上がろうとしたのだが。


「待て、聞きたい事が有る」


 その気配を察した彼女の、人を従わせる『王』の言葉にその場に縫い止められてしまったのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「して、どうしてあのような場所に倒れていたのじゃ?」


 俺の隣に並ぶように湯に浸かる彼女が問い質して来る。


 そう、あの時意識を失った俺は偶然この街に視察に来ていた彼女に拾われ、彼女の厚意で王族用にと貸し切られたこの宿の風呂を借りていた。

 聞く所によると、倒れていた俺を見つけてくれたのは彼女だったらしい。

 つまり、彼女は恩人なわけで…。

 そうである以上、最低限の義理は通さなければなるまい。


「最近少し働き過ぎだったのかもしれないですね。依頼を終えて、気が抜けたのかもしれません」


 だが、本当の事など、俺の『欲望』に関する事など言えるはずもない。

 もっともそうな言葉を紡ぎ、彼女に納得してもらおうとする。


 しかし、彼女はそんな俺の心を見透かしたように鼻を鳴らして笑うのだ。


「ふん。そうとは思えんの。おぬし、自分では気付いておらんかもしれんが、酷い顔をしておるぞ?」


 その言葉に俺は慌てて己の顔に手をやり、水面に映り込んだ己の顔を確認しようとする。

 が、その途中でそれが“かまかけ”だと気付く。

 だが、既に遅い。


 彼女がニヤニヤした表情でこちらを見ているのが分かる。


「どうやら、図星のようじゃの。ほれ、話してみんか」


「なんでそんな事…」


 アキトは口籠り、そっぽを向く。

 正直誰かに話すような事では無いし、ましてや女性である彼女の前で己の『欲望』の話などしたくなかった。


 だが、彼女はそんなアキトの顔を両手で掴み、その首を強引に自分の方へと向けさせる。


「余はぬしの恩人ぞ?恩人の言う事は聞くべきだと思うんじゃが」


 人を惹き付け、魅了する、灼熱に燃える瞳が目の前に在った。

 口調こそからかうような彼女だが、その瞳は純粋に俺を心配しているのが分かる。

 俺はその瞳から目を離せずに硬直し、考える。


 今まで一人で悩んでも決して出なかった答えをこの少女は持っているのではないか。

 いや、そうでなくても良い。俺はずっとこの苦しみを誰かに理解して欲しかったのではないか。


 彼女は笑わずに聞いてくれるだろうか。彼女はそんな俺を軽蔑せずにいてくれるだろうか。


 いや、軽蔑されてもいい。むしろ今の俺は軽蔑されて然るべき存在ではないだろうか。

 そうやって、今の自分の浅ましさを客観的に誰かに罵って欲しいのではないか。


 様々な思考が彼の脳内で吹き荒れ、彼の精神を摩耗させていく。

 それは、もともと磨り減り、ボロボロになっていた彼の心をあっさり決壊させてしまう。


 気付けば、彼は訥々(とつとつ)と話し始めていた。


 そして一度決壊してしまえば、後はそのまま流れに任せて次から次へと言葉は続く。

 彼の話は取り留めもなく口から放たれ、目の前の少女に全てをさらしていた。

 自分達一族の性質。気付いてしまった『欲望』。その対象となってしまった少女達から逃げるように依頼を受けて回った事。その結果、何も解決しなかった事。己の浅ましさに、愚鈍さ。


 そして、これからどうすれば良いのか分からないと云う事まで。


 それは湯船の湯が湯気となって天井に登り、それが水滴となり再び湯船に戻り、そしてまた湯気となり水滴となり湯船へと還るまで続いた。


 その間、彼女は何も言わない。

 ただ、アキトの独白に静かに耳を傾けていた。


 ぴちょん、と天井から水滴が落ちるのと同時に、アキトは己の全てを語り終えた。


 風呂場特有の唸るような、響くような静寂がその場を支配する。


 そっとミズキの手がアキトの頬に伸び、知らぬ間に流れていた彼の涙を拭い去る。

 その優しい手つきに、ハッとさせられる。


「余は―――」


 ミズキがその良く通る美しい声で話し始める。


「余は、この通り女王などやっておるから、『欲望』とは縁が深い。宮中は『欲望』と嫉妬の坩堝るつぼじゃ。それはこの水竜の国も大して変わらん」


 そこで自嘲するように笑う。


「余は、ほれこの通り美しいからの。そういった物の対象になり易い。そして、余のような小娘が国を治める事を快く思わん輩も、仰山ぎょうさんおる」


 それは彼女自身の話。彼女の抱えている物。

 しかし、それはそれとして自分で自分を『美しい』と言う人間を初めて見たかもしれない。だが、彼女らしいと言えば彼女らしい。


「『欲望』とはやっかいな物じゃ。それが満たされる事など『無い』と言ってもよい程に業が深い。そして、決して無くならぬ」


 彼女は断言する。まるで、否、実際にその眼で見て来たのだろう。


「無くなった、と思ってもそれは消えた訳では無く、虎視眈眈と己の心の弱き所を着け狙っておる。そして、獲物がその無防備な首をさらした時、弱き心を食い破って出て来おる」


「心の弱い所…」


 俺の心の弱い場所。それは『真実ほんとう』に依存する『おがみ』の性質の事だろうか?それとも、この『飢えた』感情そのものだろうか。


 そんな事を考えながら発した俺の呟きに彼女が頷く。


「そうじゃ。じゃが、余が見るにアキトの『欲望』は少々色合いが違う」


「?」


 違う、とはどういう事だろう。今まさに俺の心の弱さを食い破って出てきているこの『飢え』は間違い無く『欲望』だ。


 訳が分からない、という顔をしている俺に彼女は優しく、言い聞かせるように語る。


「『欲望』には大きく分けて二種類ある。それは『得る欲望』と『護る欲望』じゃ」


 二種類の『欲望』。『得る欲望』と『護る欲望』。それらの意味する所とは。


「『得る欲望』とは、最も分かり易い『欲望』の形じゃな。“ほっし”、“求め”、“手に入れようとする”『欲望』のことじゃ。余に縁談を持ちかけて来るのは大体この類の輩じゃな」


 懲りんことじゃ、と彼女は呟いて溜息を吐く。

 彼女は一人身で、一国の王なのだ。その権力を手に入れようと画策する輩は多いに違いない。もちろん彼女の美貌もそれに一役買っているだろうが。


 気を取り直して彼女の話は続く。


「『護る欲望』とは『得る欲望』と対をなす『欲望』の事じゃ。己の『得る欲望』に“あらがい”、“否定し”、己や他の何かを“護ろうと欲する”『欲望』の事じゃ」


「それは『欲望』とは言わないんじゃ…」


 俺が反論する。

 それは理性や自制心と呼ばれる物ではないだろうか。


 だが、彼女はそんな俺の言葉を否定する。


「いいや、これもまた立派な『欲望』じゃ。何を求めておるかが違うだけで、根っこは同じじゃ。これら二つは誰もが持っている『欲望』じゃが、その割合は人によって違う。基本的に人間は『得る欲望』の方が強いがな」


 『理性』もまた『欲望』と同じ…。


 いや、でも確かに思い当たる節が有る。

 というか、『おがみ』の『理性』は、同時に『真実ほんとう』を求める『欲望』でもある。


 つまり、『理性』とは己を律する物であると同時に、『欲望』として何かを求める性質も持ち合わせている、と云う事か。


 そして、『理性』とはまた別のくくりに存在する己を律する存在が『護る欲望』と言う事なのだろう。


 つまり、彼女はこう言いたいのだろうか。

 『得る欲望』にあらがう為に『護る欲望』を手に入れろ、と。


 それが、答えなのか。

 差し込んできた光明にすがるように俺は彼女に先を急かす。


「じゃあ、どうやったら『護る欲望』を得られるんだ!?」


 その叫びのような俺の問いに、だがしかし彼女はキョトンとしてしまう。


 どう云う事だろうか?俺は今何かおかしな事を言っただろうか。


 そして、不意に悪い予感が俺の中を走る。

 もしかして、その『護る欲望』と『得る欲望』は産まれた瞬間に決定されているのだろうか。

 そして、一生変わる事無く己を苦しめるのだろうか。


 そう考え、顔を曇らせる俺を見て、彼女は呆れたように俺の額に痛烈なデコピンをくれる。


「っ痛~~!」


 その予想以上の威力に思わず額を押さえ、情けないうめきがもれる。


 そんな俺に向けて彼女の声が掛けられる。


「何を勘違いしておる。アキトは既に『護る欲望』を持っているであろう?それも『得る欲望』に十分対抗できる程強い、『護る欲望』をの」


「?、?、?」


 幾つも疑問符を浮かべる俺に対して、呆れたように微笑み、彼女は言葉を続ける。


「アキトはぬしの仲間達に向けられた『得る欲望』にあらがい、今ここに居るのでは無いのか?彼女達を己の『欲望』と言う危険から遠ざける為にこの街に来たのでは無いのか。それは立派に『護る欲望』じゃ」


 ミズキの言葉がじわじわと頭に入って来る。


 だが。

 だがそれでは。


「それじゃあ、何の解決にもなって無いじゃないか…」


 そう、既に『護る欲望』が己の中に存在していたとして、その結果が今の『無茶苦茶に暴れ回った後、ぶっ倒れて他人に迷惑を掛けている己』なのだ。

 それでは何の意味も無い。


 だが、彼女の話はそこで終わりでは無かった。


「『得る欲望』と『護る欲望』。これらのどちらが強いかは人によってさまざまじゃが、そのバランスは『ある事』によって決定される」


「『ある事』…?」


 今日の俺は疑問符を浮かべてばかりだ。それだけ俺にとってこの『欲望』が想定外の存在だったと云う事だが。


「そう、それは『大事なもの』の有無じゃよ」


「………」


「『大事なもの』が無ければ、人は強くそれを求める。が、『大事なもの』が有り、それで十分満足しておる者はそれを失ってまで求めようとはせん。アキト、ぬしは『大事なもの』が有り、それに十分満足し、しかし同時に『飢えて』おるのじゃ。難儀なんぎな事じゃな」


 そう言って、彼女はケラケラと笑っている。

 そこにはからかう調子は一切含まれておらず、完全に愉快だと思っているようだった。


 悪意は無いと分かっていても、やはり一方的に笑われるのは面白くない。

 そんな彼女にむすっとしながら俺は聞く。


「で?結局どうすりゃいいんだ?」


 そこに既に敬語は無くなっていた。

 それが彼女をさらに上機嫌にしたのだろう、さらに調子を強めてカラカラと笑っている。


 ひとしきり笑い終えた彼女は俺の問いにこう答えた。


「そんな事は余の知った事では無いの。そもそもアキトが求めているのは『女』ではなく彼女達そのものであろう?なんせ、目の前にこんな美女が全裸で湯に浸かっておるというのに襲って来んどころか、色目すら使ってこんとは…。余も少々傷付くぞ」


「そりゃあ、悪うござんしたねぇ!」


 アキトは投げやりにそう答えて、そっぽを向いてしまう。

 なんせあれだけ長話をさせておいて、結局解決策無しとは…。

 完全に時間を無駄にした。


 だが、彼女はそんなアキトの様子を見て、不満そうに彼の頬をつねりその視線を戻させる。


「こりゃ、何を勘違いしておるか。余の知った事では無い、と言うのはこの場で出した結論に何の意味も無い、と云う意味じゃ。ちゃんとその娘達と共に話し合うがよい。なに、心配せずとも彼女らに襲いかかるような事は無かろうよ。さっきも言ったが、こんな美女を前にして…」


 呆れたように同じ言葉を口にするミズキ。

 だが、その言葉にはいたわりが感じられ、俺はどんな顔をすればいいのか分からなくなる。


 結局、拗ねたような口調でこう言ったのだった。


「本物の美女は自分で自分を『美女』なんて言わないの」


「何を言う。真の美女は己の美貌を理解して、研鑽してこその美女なのだぞ?つまり確固とした自意識を持ってこそ美女と言えるのじゃ」


「屁理屈を…」


「真理じゃ」


 そんなくだらない言い合いに、どちらからともなく笑いが上がり、風呂場の空気に反射して反響する。


 笑いながら考える。


 たしかに俺の『欲望』はただの『肉欲』や『獣欲』の類では無かったようだ。

 だって、こんなに『いい女』が目の前に居るのに、全くそんな気にならない。


 そして、俺が抱いていたあのドロドロして真っ黒な『欲望』の正体を着き止めるにはミズキの言う通り彼女達に会って、ちゃんと話すしかないだろう。


 もちろん怖い。俺の抱いていた『欲望』が変わった訳でも無くなった訳でもないのだから。

 彼女達を前にして襲いかかってしまわない、などどはいまだに言えない。


 けれど、今は目の前の偉そうな(実際に偉いのだが)少女の言葉を信じてみたかった。


「ありがとな」


 何か言わなくては、と思うのだが気の利いた言葉が思い付かず、仕方なく俺は今の気持ちを素直に彼女に伝えた。

 あくまで仕方なく。


 その言葉に彼女は鷹揚に頷き、こう返す。


「うむ。ならば、次は余が『欲望』にまみれて苦しんでいる時に同じように助けて貰おうかの」


「そんな事あるのか?」


 その意外な言葉に驚いてしまう。

 ミズキは俺よりもずっと『欲望』を理解してコントロールしているように見えるが…。


「あるぞ?余の『欲望』では無く、他者の『欲望』に、じゃがの。もし、余が政略結婚で気に入らぬ相手と結婚させられようとしたら、その時は是非誘拐しに来るが良い。その時は手を取り合って逃げてやろうではないか」


 そう言うことか。

 けれど、それならば俺の出番は無さそうだ。


 だって。


「そんな事になる前に、ミズキなら相手ごとその話を叩き潰すだろ?」


「ま、それもそうじゃな」


 そう言って、俺達は再びカラカラと乾いた笑いを響かせるのだった。


 それは俺達の気が狂ったんじゃないかと心配になった近衛の隊長が風呂場に突入して来るまで続いたのだった。

「まったく、一国の女王ともあろう御方が殿方の前で全裸で入浴するとは!一体何をお考えなのですか!!」


「あーもー!ぬしはうるさいのう!ぬしは余の母上か!!」


「ご母堂にも注意されていたのなら、もっと恥じらいと云う物を…」


「別に良いであろう!何も無かったのじゃから!!」


「それは相手がアキト殿だったからです!!もし他の男だったら、どうなっていたことか!」


「余だってどんな男とでも湯を共にするような女では無いわ!!あれはアキトだったからじゃ!!」


「陛下?それはどう云う…?」


「な、何を深読みしておるか!!単に信用に足る男と判断したまでの事!!」


「………」


「なんじゃ、その眼は!!」

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