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風のロッカ 星の旅  作者: 大石次郎


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23/25

ロングフットの復活 2

というワケで、僕らは以前オーシャンピープルを復活させた青土大陸の大湿原レイデル万湖(ばんこ)の未踏粋の最深部へ来ていたのですが、


「行け! ギョクコウっっ!!!」


「るぅっ」


お久し振りなオトヒメさんが操る海の聖獣ギョクコウの背に乗った僕らは湖を直線で爆走していました。

丸儲け号で上空から見ても幻術で位置がハッキリわからなかったので、地上から攻めてます!

並みの魔物が聖獣にちょっかいを出すことはありませんっ。しかし、


「おおおおっっっ」


中々の乗り心地です・・


「あああ、定期的にこういう感じで突破してるよね?」


「いいぞギョクコウ!!! ドカンっと行っちまえっ!」


「やっぱ痛快さ! ヤンベも来りゃよかったのにっ」


僕らだけならともかく合流するまでには色々な方と顔を合わせることになるので、そこそこ人見知りするオトヒメの性格を考慮して、ジゴさんにも来てもらっていました。


やがて湿地の前方に巨大な青い水のマナを湛えたジェム原石が見えてきましたっ。


「水のグランジェムです!」


「るぅっっ」


「ギョクコウが石に魔物が寄生してるって言ってるっ!」


「そりゃこんだけ剥き出しならなっ」


「乗ったままは戦え」


マイサが言い終わらない内にっ、巨大原石が露出した湖面からギョクコウに匹敵する大きさの蛸と蛇の触手を持つクラゲのような魔獣が飛び出してきました!


「うっはっ、デッカ過ぎ賞っっ」


水魔巨獣(スキュラ)だっ! また大きく育ってるなっ、ハハッ!!」


スキュラは巨体をうねらせ、『酸の渦』を放ってきましたが、ギョクコウは『若水(わかみず)の渦』を放って酸を浄化しつつ、相殺します!


「大技はギョクコウが打ち消す! ロッカ達はスキュラ本体をっ」


「わかったっ、ジゴさんはオトヒメさんを頼みます!」


「おおっ? そうか? ほっといても良さそうだぜ?」


「何っ?」


緊張感が走りつつ、僕ら3人はギョクコウの背から僕のエアフットの魔法で飛び立ちました。


「盾よ!」


「竜の鱗!」


オリィがディフェンド、マイサがレジストの魔法を掛け、僕らはスキュラに間合いを詰めますっ。

装備は潮騒シリーズに雷武器!


スキュラは渦の押し合いに気を取られていますが、僕らも目障りらしく、距離のある内は毒液の刃の乱射。接近すると蛇と蛸の触手で叩き潰しに掛かってきました。

どれも擦る程度で、守備魔法の効果と防具の力で凌ぎ、攻撃範囲まで詰めますっ!


「うらっ!」


「せぁっ!」


紫電の手槍と迅雷のブーメランで眉間? に損傷を与え、そこに、


「雷よぉっ!!」


マイサがサンダーボルトの魔法を撃ち込みますっ。巨体過ぎて仕止め切れはしませんが、仰け反らせ、渦の発動を止め、この好機にオトヒメさんはギョクコウの若水の渦を押し込ませ、スキュラ本体をズタズタに引き裂いて仕止めました。


「相変わらず、ギョクコウ強いね」


感心するばかりです。


完勝後、水のジェム原石の巨石にジェミニクレストを掲げると、内部から驚く程小さな、しかし凄まじい力の水のジェムが引き出されてきました。


ジェミニクレストに取り込むと、聖なる印は大幅に神力を高めるのでした。


「まずは1つだな」


「毎回百発百中で行くよ?」


「ギョクコウは2日も休ませたらすぐ出れるだろ? もう全部ギョクコウで行こうっ、効率がいいっ! どんどん行こう!!」


「ダメだ! もっと休ませるっ。相性もあるんだ、安易にギョクコウを使おうとするな!!」


「るぅ」


うん、取り敢えずギョクコウは一旦、海で休んでもらうことになりました・・



次に向かったのはドワーフを復活させた黒土大陸の地下にある地下空洞地帯です。


地下世界は古代に魔族に協力して呪われたフェザーフット族の成れの果てだという話もある小鬼(ゴブリン)族の縄張りで、

僕らは対話も儘ならない相手と小競り合いを繰り返しながらも目的の地のグランジェムの露出した地点までたどり着いていました。


装備は毒、麻痺、病気、虫害対策優先でパイソンシリーズを着て、武器は有効な相手が多かった火属性で揃えてます。


同行者は嗅覚が頼りになるダイアーウルフのペスを連れたモジャモジャ髪のラチャさんと、ドワーフ内では反対されたらしいけどまた来てくれたフガクさんでした。

フガクさんは移送も可能な機械蟲は10機連れてきてくれていましたけど、ここまでに8機失なっていました。


「ふん!」


単眼巨人(サイクロプス)の1体の頭部を砲撃で吹っ飛ばす、機械蟲に乗って高速移動するフガクさんっ。


恐らく彼らによって加工された地のグランジェム原石はゴブリン風の女神? の石像に加工されていました。

その前にはゴブリンロードによって統率されたゴブリン軍と、首輪で支配されているらしいサイクロプスが3体待ち構えていたのです!


「そいやっ」


不知火の手槍で別の1体の膝を砕いて悶絶させるオリィっ。


「うひょーっ」


「わんっ」


走る機械蟲に乗ったラチャさんは光り球を連発させて強い光が苦手なゴブリン達を撹乱っ。ペスはラチャさんの機械蟲に並走して露払いをしていました。

マイサはエアフットでゴブリン達の毒矢等を避けつつマナを溜めています。僕はというと・・


「おっとっ」


至近距離でゴブリンロードと斬り結んでいました! 中々野火のブーメランを投げ付ける隙がありません。ナイフを投げるのも警戒してきます。対人戦はやり難いですねっ。


でも目は慣れてきました。二刀流のゴブリンロードの一撃目はブーメランの刃で受け、立て続けの二撃目は逆様に飛び上がって避け、

相手の顎を蹴り払ってよろめかせ、燃えるブーメランを投げ付けて首を切断して焼き払いました。

ちょっとゾッとしてしまいますね・・


これにゴブリン軍は動揺し、毒矢の攻勢が弱まるとマイサは大きく鬼火のワンドを振り上げました。


「爆ぜて!!」


ファイアボムの魔法を3発炸裂させ、半数以上のゴブリンを消し飛ばすと、ゴブリン達は完全に戦意を失い退却を始め、残り1体になっていたサイクロプスも慌ててそれに続きました。


「他愛もないっ」


「帰りは脱出の鏡を利かせないとまた大変だぞぉ~? へへ」


「わんっ」


増援が来たら実際大変ですっ。すぐに地のグランジェムは回収し、僕らは地底から退散してゆきました。



3つ目は風のグランジェム狙いました。場所は僕らの出身大陸でノームを復活させた赤土大陸の『竜爪(りゅうそう)の谷』です。

数百とも言われる谷が入り組んだ天然の迷宮です。

乾燥し、風のマナが強いので砂海シリーズの防具を着込みましたが、武器は様々な属性の魔物が徘徊していて対応が面倒なのでエルフを復活させる時に購入した、単純に攻撃力の高い武器を装備しました。


同行者はアーミンさんとドトォームさんとモモルさん、それから各地の野伏の頭目の協議会に出ていたシィガさんも急遽参戦することになりました。

モモルさんがまた参戦することになったのはたまたまドトォームさんに潜水艇を紹介しに来ていたのと、ドワーフから提供された新たな機械蟲の整備担当者にちょうどいい、と運悪くまた指名されてしまったようです・・


谷の奥深く風の原石はありました。どうしてこのような形状になった物か? 枝に張り付く繭のような形をしています。


僕らはここまで岩の性質を持つ体長1,5ベル(1メートル)程の回転虫(スピンワーム)の亜種の群れにしつこく終われていましたが、既に切り抜けています。


「爆弾が尽きるところだったよ」


「徹夜の会議開けに連戦は堪えるね。というかアーミンさん、会議途中で帰っちゃいましたよね??」


「今日、ロッカ達に付き合うし、あんなのキリ無いよ。すぐ多数決取ろうとするヤツもいるし、苦手さ」


「アーミンさん・・」


「小人同士の話し合い等知らないが、今回はいつかの火山帯よりマシだったな。また私が派遣された必然性は特に無かったようだが」


「あのーっ! ちょっとぉっっ」


「ん?」


操縦者が内部に入る仕様の機械蟲に乗っていたモモルさんが、中から機体上部の蓋を何やらガチガチとさせていました。


「モモル、何やってんだよ?」


「さっきスピンワームに体当たりされてっ、蓋、凹んでませんか? 開かないんですがっ」


「あ~」


そういえば、近くでノビてるヤツに激突されてましたね。ガッツリ蓋の角が凹んでいました。


「これは、百発百中賞!」


「マイサさん?!」


何だか締まらない感じになってしまいましたが、無事、地のグランジェムも回収できました。


残るは火のグランジェムのみなのです!!

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