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第27話「真・少女転校」

ここは栞のクラス。1年C組。

朝のホームルーム。担任教師はこう切り出した。


「今日は転校生を紹介するぞ。では中に入って」


転校生は教室に入り、自己紹介をする。


「はじめまして。橘イヴといいます。アメリカから来ました。

まだ日本に来たばかりで、わからないことも多いのですが…

本日からよろしくお願いいたします」


礼儀正しく一礼。


クラスがワーッとざわめく。

無理もない。こんな美少女が転校してきて、

盛り上がらない高校生なんていないだろう。


「みんな、橘さん色々と教えてあげてくれ。

では橘さん、席について」

「はい」


イヴは席へと移動する。

一番左後ろ、窓際の席。ちょうど栞の左隣だった。


「改めてよろしく、シオリ」

「一緒のクラスで良かった!困ったらなんでも言ってね」

「ありがとう。後で校内を案内してもらえたらうれしい…」

「そんなのお安いご用だよ!一緒に回ろう」



ホームルームが終了し、1時限目が始まるまでの時間。

クラスメイトが一斉にイヴの元へと押しかけてきた。


「橘さん、日本語上手だね!」

「放課後、遊びに行かない?」

「彼氏とかいるんですか…?」


みな、思い思いの質問をイヴにぶつけている。

どうしたものかと悩んでいるイヴ。


「鎮まれ鎮まれ!そんな一斉に質問したら

イヴも答えられないでしょ。1人ずつ並んで。

この時間内に収まらなかったら整理券配るから」


栞が間に入って取り仕切る。


「なんで神城が仕切ってんだ!」

「オタクイベントかよ」

「クラスナンバーワンの美少女の立場が危ういからって邪魔すんな」


クラスの男子から野次が飛んでくる。


「イヴは私の遠い親戚なの。

しかもウチに住んでるの。これでも文句ある?」


文句が止まった。

新しい無双の仕方を覚えてしまう栞であった。


そして始まる、橘イヴ一問一答コーナー。


Q. 「好きな食べ物は?」

A. 「ラーメンです」

おそろしく速い回答。質問者ですら聞き逃すレベルだ。


Q. 「趣味は?」

A. 「ええと…筋トレでしょうか」

実際には筋トレと呼べるほど生優しいものではないが、

イヴの社会性フィルターがそう答えさせたのだった。


Q. 「彼氏はいますか?」

A. 「いません…いたこともありません」

栞は止めに入るか悩んだが、ギリ通した。


Q. 「スリーサイズは?」

A. 「ええと…」

栞. 「消えろ」

栞の容赦ない蹴りにより、男子生徒は教室から消滅した。

なお栞は、後でこっそりイヴのスリーサイズを聞くことにした。


Q. 「週末は何をして過ごしてるの?」

A. 「日本に関する動画を見ることが多かったです」

Q. 「日本語もそうやって覚えたの?」

栞. 「質問は1人1つまでにしといて、後がつかえてるから」

ちなみに、イヴが日本語を話せるのは、

橘博士と小春がいつも日本語で会話していたからだとか。



////



昼休み。

俺はイヴの様子が気になって、教室に様子を見に来ていた。

イヴのクラスが1-Cであることは、

すでに噂で広まっていたので簡単にわかった。


「結局、栞と同じクラスだったんだな…良かった」


教室の中を覗いてみる。


栞. 「次、14番の人〜」


男性生徒が歩いてくる。


Q. 「今日の放課後、遊びに行きませんか」

A. 「お誘いは嬉しいのですが、用事があります」


男子生徒が去っていく。


栞. 「次、15番の人〜」


整理券で呼び出された生徒が、イヴに1つだけ質問し、

イヴから回答を得たら素早く去っていく。

これはなんだ?新手のオタクイベントか?


「よし、大丈夫そうだな」とクールに去るつもりだったのに、

その異質さについツッコミを入れる羽目になってしまった。


「なにやってんだ栞…」


教室内に入り、栞に声を掛ける。


「あ、兄貴」

「アオイ!」

「どういう状況だこれは」

「イヴに質問が殺到してるから、整理券でさばいてるの」


栞を一緒にオタクイベントに並ばせすぎたせいで、

変なことを覚えてしまった。悪いのは俺かもしれない。


「でもこれじゃイヴが昼飯食えないだろ。一旦休憩だ」

「それもそうだね…ごめんねイヴ、気が利かなくて」

「ううん、シオリは私をたくさん助けてくれた。ありがとう」


栞とイヴを食堂に連れ出したので、イベントは一時中断。

なお昼食後、栞と一緒にイヴに校内を案内したのだった。

ウチの校舎、特に見どころとかはないんだけど。

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