↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
21/38

第21話「お引越しギャル」

翌朝。日曜日。

神城家の住人は居間に集合していた。

そして早々に、母さんが口を開いた。


「母さんはお買い物に出かけようかしら

栞、一緒に行く?」

「行く〜!」


良かったな、栞。

母さんと話せる貴重な機会だからな。楽しんできてくれ。


「麗奈、ウチに住むのはいいけど…

家から荷物持ってこなきゃいけないんじゃないか?」


一方俺は、麗奈に気になっていたことを聞いてみた。


「そうなの。引っ越し業者を呼ぶほどじゃないし…

今日自分でやっちゃおうかな」


確かに、麗奈の家にはあまりモノが無さそうではあったが。

それにしたって大変なんじゃないか?


「いやいや、流石に女の子1人じゃ厳しいだろ」

「まあ、何度か往復すればいいだけだし」

「俺も手伝うよ。もっと頼ってくれたらいいのに」

「あ〜ら蒼、積極的ね〜〜」


母さんに茶化される。

こういうところ、栞に似てるよな。

手伝わなかったら手伝わなかったで怒るくせに。


「ありがとう蒼。じゃあお願いする」

「お邪魔でなければ、私も同行します。

人手がある方が良いでしょうから」


イヴも名乗り出てくれた。


「3人いればもっとラクそうだ。いいよな麗奈?」

「うん。じゃあイヴもよろしくね」

「おまかせください。力仕事は得意ですから」


こうして、母さん・栞は買い物に、

俺・麗奈・イヴは引っ越し作業に繰り出すことになったのだった。



////



引っ越し作業組は、3人並んで麗奈のマンションへと向かっていた。

金髪とプラチナブロンドに挟まれて、なんだか華やかな道中だ。


「家から適当にダンボール持って来たけど…

これで本当に足りるのか?」


家から潰したダンボール箱をいくつか持ってきたものの、

引っ越しをするという観点で見るとどうにも頼りない。


「足りると思うよ?本当に荷物少ないから。

それに、家具も家電も全部売っちゃうつもりだし」


まあ、神城家に全部揃ってるもんな。

持って来たところで、使い道はないだろうけど。


「思い入れとかないのか?」

「ないない。必要最低限のものを間に合わせで買っただけだから」

「ドライだなあ」

「まあ、アンタとの思い出は多少あるんだけど?

そんなのこれからいくらでもできるでしょ」


それもそうか。これから一緒に住むんだもんな。


「今のマンション、解約するのか?」

「うん。もういらないし、家賃もったいないし」

「良かったな家賃から解放されて…じゃあバイトもやめるのか?」

「いや、バイトはやめないよ。シフトは減らすつもりだけど」


そんな、他愛もない話をしている最中。

ふとイヴの方を見てみると、

街並みをキョロキョロと眺めていた。


「何か気になるものでもあったか?イヴ」

「憧れの日本に来られて、興奮してしまって…

この街並みを、ずっと生で見てみたかったんです」


俺らにとってはなんでもない風景でも、

イヴにとっては楽しいみたいだ。


「アメリカに居た頃は、どんな暮らしだったんだ?」

「朝起きたら学校に行って、学校が終わったら

研究所に帰る。その繰り返しでした。

父もコハルも、研究所に篭り切りだったので...」

「それじゃあ全然遊べなかったのか?」


麗奈も九条院もだが、歳相応の遊びを

経験できていない子が周りに多い気がする。

俺が夢の中で散々遊び倒してきたせいか、

どうにも気になってしまう。


「そうですね…あまり遊ぶという経験はなかったかもしれません」

「研究所では何をしてたんだ?言える範囲でいいが」

「学校の宿題をしたり、研究のお手伝いをしたり。

後はひたすら師匠に鍛えてもらっていました」

「師匠?」


ボディガードの師匠ってことか?

なぜ研究室にそんな人間が…


「研究所は民間軍事会社…いわゆるPMCに警護されているのですが、

そこの隊長が師匠なんです。警護しているとは言え

基本的にはヒマらしく、手持ち無沙汰同士仲良くなりました」

「PMCって本当にあるんだな…

日本で暮らしてるとファンタジーみたいに感じちゃうよ」

「…必要ないならそれに越したことはありませんよ」


イヴは、少し悲しそうな顔でそんなことを言うのだった。


「イヴ、すごい美人だしスタイルもいいから、

モテモテだったんじゃない?」


空気が重くなったのを察してか、麗奈が助け舟を出す。

麗奈がそんなこと言うと嫌味になりそうだが、

ことイヴに対しては全然嫌味にならない。

それくらい、イヴの容姿は人形のように整っているのだ。


「いえ、そんなことは…レイナの方が

よっぽど凄いのではありませんか?

学園中の男を虜にしているトップオブギャルだと、

シオリが言っていましたよ」

「栞ちゃんそんなこと言ってたの?

すーぐ盛るんだから…」


いや、割と事実だけどな。

麗奈に告白した男がフラれた、みたいな話をよく耳にする。


「私は日本で流行りのファッションなど

わからないので…ぜひ教えて欲しいです」

「栞ちゃんの次はイヴか…いいよ、いくらでも教えたげる」

「ありがとうございます!お引っ越しのお手伝い、頑張りますから」



そんな話をしているうち、

麗奈のマンションに到着したのだった。

さて、荷造り頑張りますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。