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強欲のダンジョンの作り方  作者: 夢兎
地下農業迷宮

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第19話 地下農業迷宮の配置計画

 いろいろと納入があった後、トーマスさんとエーリカさん、トビアスに時間をとってもらって休憩所に集まってもらっている。


「今日の納入で仕事を始めるのに最低限のものは揃いましたか?」


「そうですね。畑は種まきまでならできそうです」


「休憩所の方も皿の種類は少ないけど、メニューを工夫したらなんとか回せそうな数は揃ってるわ」


 ふむ、では三日後くらいに村人の受け入れを開始したいとセドリックさんに連絡しましょっか?


「それであれば認識証を管理する騎士の手配もありますし、カイルに報告に行かせます」


 はーい、よろしくね。


「あと、村人が入るようになったら村人がいる時間帯はアルセラ様は森から出ないでください」


「それは構わないけど……あたしの存在の秘匿をそこまで厳重にするの?」


 別にそこまでしなくてもこの中にいれば狙われないと思うのだけどな……


「アルセラ様に関する情報を極力出さないためには、村人に見られないようにするのが一番手っ取り早いんです」


「アルセラ様は常人には思いつかないことをすぐその場でやってしまいますから」


 トビアスの言葉にみんなして頷くけど、そうかな? でも元々あった技術にちょっと手を加えただけよ?


「とにかく、外部から人が入るようになったら私ミアがアルセラ様との連絡係になります」


「護衛騎士はどちらかが森の入口に待機して出入りを監視させていただきます」


 あの奥は魔法陣の小屋もあるし、コアもあるし、抑止力として騎士様がいるのは必要かもしれないわね。


「じゃあ常駐小屋作っておく?」


「基本立ってますのでちょっとした荷物を置く程度のスペースがあれば」


 別に座ってても警備はできると思うのだけど。なんでみんな立っていたいのかしらね?

 とりあえず地域の小さな交番みたいなのでいいかしら。


「ミアは移動にアルゴを使ってね。あたしが外に出ないのなら日中は確実に使わないから」


「ありがたく使わせていただきます」


 ふむ。動き回らないのなら時間もできるし、本気でコアの遠隔操作端末を作ろうかな? 部屋の中からささっと触れた方が便利よね。

 森の中から素材部屋に行けるように道も作り直したら、錬金で素材が必要になった時に誰にも見られずにすぐに取りに行けるわね。あの部屋はあたししか使ってないし。


「では村人が入るのは三日後の予定で騎士と村人の手配などの依頼を含めて報告に行ってきます」


 はい、各自受け入れ準備をよろしくね。あたしは引きこもり準備をしますね。ま、引きこもりだから準備なんてそこまでやることはないんだけど。



 カイルがセドリックさんのところに報告に行ったら、そのままセドリックさんと一緒に戻ってきたらしく、またみんなで休憩所に集まっている。


「村人の受け入れ準備が整ったとお伺いしたので直接打ち合わせをと思いまして、いまお時間は大丈夫ですか?」


 特に急ぎの何かしているわけでもないので問題ないですよ。みんなもそれぞれ頷いているのでそのままセドリックさんから話が続く。


「まずは受け入れ人数なのですが、いきなり全員だと大変なのでまずは十人ほどで試験運用をしてはいかがでしょう?」


 確かに。初めての試みなのだし、少ない人数で動きを決めて問題点も洗い出した方がいいですね。


「食事は基本的に無料で出すとのことですが、それだとただ通っているだけで働いていない者にまで配給することになり、他の領民から不満が出ます。配給票を発行してそれと引き換えにしてはいかがでしょう?」


 その辺りはエーリカさん、どうでしょう?


「そうですね。その方がいいと思います。発行するトーマスさんが大変かもしれませんね」


「作業の監督が仕事ですから問題はないですよ。荒事になりそうな時は騎士様に間に入っていただくことになりそうですが」


「間に入るのは問題ありませんが連絡はどのようにいたしましょう? 距離が離れているから見て察するのは難しいですよね」


 うーん、遠隔で連絡を取る手段か……携帯とか無線とかみたいな音声でのやりとりは難しいわよね。よく仕組みわかってないし。光らせるくらいならできそう?

 騎士様用の認識証を光らせようかと思ったけど、どこから救難信号が出てるかわからないわよね。


「騎士様の詰め所に各階層地図を置いて、連絡用ボタンを押したらボタンを押した階層の地図が光るというような仕組みはいかがですか?」


 細かい場所はわからなくてもその階層内で揉めていればわかると思うのよね。


「それなら呼ばれている階層がわかりますし、行けると思います」


 やってみないとわからないわよね。でも、ずっと見張っているわけじゃないだろうから、光る時にブザーも鳴るようにしましょう。後で作りますね。

 とりあえず呼び出しボタンは監督者扱いのトーマスさんとエーリカさんに持ってもらおう。


 あ、そうだ。配給票ですけど、一緒に連れてきているお子さんには半量でいいので出してあげてくださいね。親が配給票を出した場合に限るで大丈夫なので。


「そうですね。子供だけ食事なしってわけにはいきませんものね」


 農業は子供でもできる作業はあると思うのだけどね。その辺りはトーマスさんやリーナに期待かな。


「アルセラ様は村人の前には出ないでくださいね」


 はい、それはもう打ち合わせ済みですよ。現場間の連絡はミアに担ってもらいます。

 外から人が来ている時間は、あたしが引きこもっている森の入口に護衛騎士が一人はいるようになりますし。


「できれば護衛騎士は同じ部屋か扉前に配置していただきたいのですが……」


「さすがにそこまでしなくても大丈夫じゃないです? 仮に攫われたとしても各階層を横切らないと出口に行けませんし、誰かしら気がつくと思いますよ?」


 セドリックさんとトビアスから呆れのようなため息が漏れたのだけど、よくよく考えてもそこまでする必要性を感じないのよね。

 村からの出入りは記録ガーゴイルのログから入出の差を出せば何人残っているかわかるし、なんなら各階層で記録ログをとるようにしようかな。各階層のものはガーゴイルじゃなくて階段の壁にこっそり仕込んでおこう。

 あ、この情報を知らないから余計に不安なのかしらね? でも明かしてもログを見て使えるのあたしだけだしな……

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