第128話 託された願い
「クサツー」
「リアタ」
「そしてチョウ」
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その名前を聞いた瞬間。
滝の表情が僅かに変わった。
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ヤマーはそれを見逃さなかった。
口元が僅かに緩む。
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「どうやら心当たりがあるようだな」
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滝は視線を向ける。
ヤマーは苦笑した。
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「貴殿が今、一番聞きたい話ではないか?」
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図星だった。
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「なぜ、それを?」
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滝の問いにヤマーは肩を竦める。
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「貴殿が王都爆破事件を追っていることくらいは知っている」
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貴族社会の噂は早い。
司法省の大佐が動いていることも。
爆破事件の捜査責任者であることも。
隠し通せる話ではない。
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「もっとも」
ヤマーは酒を見つめる。
「私はもう長くない身だ」
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「今さら王都がどうなろうと知ったことではない」
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自嘲するように笑う。
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「そう思っていた」
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しばらく沈黙する。
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「だが昔話をしているうちに色々と思い出してな」
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その目は遠くを見ていた。
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「正直、この先を話すべきか迷っている」
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「墓場まで持っていくつもりだったからな」
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滝は黙って聞いていた。
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やがて静かに言う。
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「無理に話せとは言いません」
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ヤマーが顔を上げる。
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「ほう?」
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「言ったところで」
滝は少し笑った。
「あなたは聞くような人ではないでしょう」
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一瞬。
ヤマーが目を丸くする。
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そして声を上げて笑った。
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久しぶりに見せる自然な笑いだった。
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「違いない」
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笑いが収まる。
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滝の表情も真剣なものへ変わった。
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「ですが」
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「迷っているということは」
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「心残りがあるのでしょう」
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部屋が静まり返る。
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「飲み込んで悔いを残すか」
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「吐き出すか」
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「それはあなたが決めることです」
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「私は強制しません」
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ヤマーは滝を見つめた。
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しばらくして。
ゆっくり頷く。
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「分かった」
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「話そう」
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そして小さく息を吐いた。
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「その代わり一つ頼みがある」
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「息子は何も知らん」
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「この件には関わっておらん」
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「大佐殿、頼めるか」
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滝は即座に頷いた。
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「分かりました」
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「どのような話であっても」
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「ご子息が関与していない限り、連座させることはありません」
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「司法卿にも私から申し伝えます」
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ヤマーは安心したように目を閉じた。
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「察しが良いな」
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そして再び語り始める。
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「最初に接触してきたのはクサツーだった」
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戦後しばらくしてからだ。
奴は私の様子を探っていた。
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酒に溺れ。
政務にも興味を示さず。
投げやりに生きる私を見て。
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「今の政府は貴族に厳しすぎる」
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そんな話を始めた。
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「少しくらい特権を利用して儲けても良いではないか」
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そう言ってな。
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私は興味もなかった。
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「好きにしろ」
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そう返しただけだ。
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すると次に現れたのがリアタだった。
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奴は密輸の話を持ち込んできた。
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最初は名義貸し。
倉庫の利用。
貿易許可の便宜。
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危険な仕事は何もない。
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ただ名前を貸すだけ。
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そして金が入る。
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何もしなくてもな。
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ヤマーは苦く笑う。
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「正直」
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「悪い気はしなかった」
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政府高官にも。
地位を利用して私腹を肥やす者はいた。
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それを見てきた。
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自分だけ清廉でいる理由も見失っていた。
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「入った金は酒代には十分過ぎた」
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「余った分は匿名でスオーへ送っていた」
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沈黙。
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「そんなことが罪滅ぼしにならんことも分かっていたがな」
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滝は何も言わない。
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そして。
話は核心へ入る。
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「ある日」
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「クサツーを通じてチョウという男が現れた」
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部屋の空気が変わる。
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「奴は言った」
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『今の政府は腐っている』
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『新しい政府を作る』
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『その旗頭はクガーだ』
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ヤマーの顔から笑みが消える。
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「各地で混乱を起こす」
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「不満を煽る」
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「そして決起する」
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「その時の交渉材料として皇女を誘拐する」
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滝の目が細くなる。
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王都爆破事件。
皇女誘拐計画。
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全てが繋がり始めていた。
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「驚いたことに」
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「その説明をしたのはチョウだけではない」
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ヤマーは拳を握る。
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「クガー本人だった」
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滝は息を呑む。
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「奴は言った」
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『お前が必要だ』
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『力を貸してくれ』
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そう言った。
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ヤマーは静かに首を振った。
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「だがその頃には病が進んでいた」
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「どうせ長くない」
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「そんな大仕事に付き合える身体ではなかった」
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それに。
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「私は上手くいくとも思わなかった」
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理想だけで国は変わらない。
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それは嫌というほど見てきた。
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だが。
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ヤマーの顔が曇る。
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「爆破事件で考えが変わった」
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「あいつらは本気だ」
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「冗談でも夢物語でもない」
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「本当にやるつもりだ」
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震える声だった。
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「そして今日」
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「昔話をして思い出した」
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長い沈黙。
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「クガーは今も陛下を誤解したままだ」
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「裏切られたと思ったままだ」
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「もし真実を知らぬまま進めば」
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「また多くの人間が傷付く」
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「スオーの者達もだ」
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ヤマーの目に涙が浮かぶ。
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「もう見たくない」
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「これ以上は耐えられん」
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震える声。
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「大佐殿」
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「私はどうなってもいい」
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「だから――」
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「クガーを止めてくれ」
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「街の人々を救ってやってくれ」
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頬を伝う涙を隠そうともせず。
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かつて親友を裏切った男は。
初めて本心を口にしたのだった。




