6話 みゃあは、いて、いいみゃ?
みゃあは、おきた、みゃ!
おはようみゃうっ!
み? みんな、どうしたみゃ……?
みゃむむむん〜〜〜むゃあああ、よくねた、みぃ。
ふわふわ、あったかいみゃ。きもちいみゃあ。みゃあは、【もうふ】、のなか、いるみゃ!
み? そっと、なでなでされてる、みゃう? だれみゃ?
べる、みゃあ! べるのおてて、やさしい、みぃ! きもちいいみゃう……。みゃうう〜〜!
「みゃっ! みゃああ〜〜〜!」
「あれ、猫ちゃん! 起きちゃったの? ふふ、おはよ……ってあれえ⁈」
なに、みゃ? びっくりしてる、みゃむん……。
「ごめんな、お前がよく眠って休めるように、寝るための薬を注射したんだ。疲れてたろ? 俺な、お前にたくさん眠って元気になって欲しかったんだ……でも起こしちまったみたいだな」
キョウ! そうだったのみゃ? みゃあのこと、かんがえてくれてた、みゃう……! かんしゃ、みゃ。
ハンゾーがそっとスマホを渡してくれたみゃ。
み? ぬのが、まきつけられてるみぃ!
「咥えやすいように少し変えたでござるよ」
助かるみゃあ!
「みゃっ! みゃっ!」
「ありがとうって言ってるんだよね?」
べるが、みゃあに、きいたみゃ。なんでわかるみゃ? おてて、ぴっ! する、みゃあ〜〜!
「良かったでござる」
みゃあは、さっそく、つかうみゃあ!
【ごめん、みゃ。みゃあは、みんざい、いっぱい、つかって、あまり、きかない、みぃ】
「そうだったのか……よしよし。今度からはちゃんとお前に言うからな。俺の独断を許してほしい……」
キョウは、「ごめんな、本当にごめん」、いいながら、みゃあのあたま、とん、した、みぃ。
キョウ、あやまらないで、みゃ!
みゃあのこと、かんがえてくれて、うれしい、みゃうう!
みゃあは、べるのおひざから、おてて、のばして、キョウのおひざ、さわった、みゃ。
「気にしないで、って言ってるの?」
「みゃっ!」
そう、みゃ!
べる、きもち、わかってくれる、たすかるみゃう! のうりょく、みゃ?
でも、おめめのいろ、かわってない、みゃ。
みゃあは、しってるみぃ。【のうりょく】、つかうと、おめめのいろ、かわる、みゃ。
みぃ……? みんな、へん、みゃ。べるの、おひざから、ひょこっ! してみたみゃ。べる、みゃあを、もちあげてくれた、みゃあっ!
――みゃみゃ? みんな、かなしそうにしてた、みゃ。
どうして、みゃ? みゃあ、わるいこと、しちゃった、み? ごめんなさい、みゃ……。
かなしいかおのあと、ななと、そーちゃん、はしってきて、みゃあのあたま、せなか、いっぱいさわるみゃ。
どうしたみゃ? くすぐったいみゃうう!
「七海、沖田さん。気持ちはわかるが我慢してくれ。猫も困ってないか? まずは――ベル、時間を止めてくれ。申請が今通った! 考える時間が欲しい!」
「はい!」
ふたりとも、しゅん、としてはなれた、みゃ。
なでなで、おかえし、してないみゃう……。
それから、ななとそーちゃんは、みゃあとべる、みまもるみたいに、うしろにたった、みぃ。
ふたりとも、どうしたみゃ?
べるが、おしゃれなぺんを、ぽけっとから、とったみゃ。
それからうえに、むけた、みぃ?
「猫ちゃん。今から時間を止めるよ! このペンはね、急に大きくなるけど、びっくりしないでね?」
おおきくなる、みゃ? すごいみゃあ!
みゃあとおなじ、ぴんくいろのきらきら、ベルのまわりにでてきた、みゃ。
「みゃあ〜〜〜! みぃっ!」
みゃあは、さわろうと、ぴょんっ、したら、キョウが「危ないぞ」っていって、みゃあをだっこした、みゃ。
みゃあう! きらきら、さわりたい、みゃあ!
「みゃうみゃう!」
「おいおい。綺麗なのはわかるが落ち着け。な?」
きらきらのひかり、さわれないみぃ。
でも、とても、きれい、みゃ!
「ステッキになって!」
ママとよくみた、あにめの、まほうの、すてっき、みたいみゃ……。
「お願いっ! 時間よ止まって! 除外対象は――私、キョウ、ナナ、ユヅさん、服部さん、王子くん、フリルさん、沖田さん、それから……猫ちゃん!」
きらきら、いっぱい、ふってくる、みゃ!
「みゃっ! みゃあっ!」
みゃみゃ、からだ、とっても、はんのう、しちゃった、み! キョウのおててから、しゅぽって、ぬけた、みゃあ〜〜〜!
「あっ、こら! 危ねえっ!」
おちるみゃ〜〜〜!
「ハチっち!」
みゃあは、ななに、きゃっち、してもらったみゃ。
「ハチっち、ハチっちぃ!」
ななが、ぎゅう、するみゃ。
みゃみゃ⁈ なかないでみぃ。なな、すぐ、なく、みゃ。みゃあが、なみだ、とめる、みゃ!
これしか、ない、みゃう!
みゃあは、しゅるっとぬけだして、ななのおかおに、ぺったんこ、くっついたみゃ!
ななは、みゃあをりょうてで、ぺりっ、はがして、そのまま、みゃあを、もった、みゃ。
あんよ、だらーん、するみゃうう……!
ななっ! みゃあをしっかりだっこ、する、みゃあ!
「あにゃあ!!?? びっくりしたっス!」
「あははっ、ははっ! 猫、いいぞ。良い子だ」
そーちゃんは、ぶらぶらんのあんよに、おてて、そえてくれたみゃ。なな、こゆところ、みならうみゃあ!
そーちゃん、かなしいかお、から、えがお、なったみぃ!
ななは、しんけんなかお、してる、みゃ。
「キョウ兄……ハチっちの力も借りるのはどうっスか……。ハチっちは、強いっス。賢いっス。何かあったらウチが助けるっス!」
「俺もそう思ってた。ほら、おいで」
「嫌っス。ハチっちはウチが抱っこしたいっス!」
「なんだと? 状態観察のためだ。俺が抱っこする!」
みゃあが、たりない、みゃ!
もひとり、いたらいいのに、みゃあ〜〜〜!
みゃあは、いっしょうけんめい、かんがえた、みゃ!
みぎてを、なな、ひだりてを、キョウに、のばしたみゃ!
みゃふん。はんぶんこ、できた、みぃ。
「もうっ! 二人が言い合うから片手ずつ差し出してくれてるよ?」
「こーらっ! ナナちゃん! 猫ちゃんを困らせないのっ!」
べるとおうじ、ふたりを、おこってくれた、みゃ。
「ご、ごめんな……」
「あにゃにゃ、ハチっち、ごめんっスよう……」
きにしないで、みゃ。でも、ちょっびりこまった、みゃ。
ベル、おうじ、ありがとみゃああ……。
「ナナはわかりやすいから、俺としてはこれから話すときに直に感情が伝わるから不安なんだよなぁ。そもそもナナにくっついてきたし、ナナが抱っこしてもいいか?」
「自分も賛成です。さあ、猫、ナナ姉さんのところへ――ん?」
みゃむん……。みゃあ、わかるみゃ。
そーちゃん、むり、してるみゃ。
みゃあは、スマホ、つかってつたえる、みゃ!
「わっわっ、急に乗っかってどしたの? あっ! スマホ使うの?」
そう、みゃ! べる、おひざ、かして、みぃ。
「はい、どうぞ!」
【みんな、ふあんそう、みゃ。でもこころのゆらゆら、そーちゃんがいちばん、つよい、みゃ。みゃあが、たすけたい、みゃ】
スマホ、べんり、みゃ。めっせーじ、よんだ、きょうが、みゃあをだっこして、そーちゃんのかたに、のせてくれたみゃ。
キョウ、なな、ごめんみゃう……。
「そうっスね。ハチっち! おきたっちを頼むっス!」
「俺からも頼むよ。ちゃんと見てて偉いな!」
「みゃあ!」
「ね、こ……自分と居てくれるのか?」
そーちゃんは、かなしいかお、したまま、わらって、みゃあにほっぺ、くっつけたみぃ。
そーちゃん、みゃあのいもうとみゃ!
だから、まもる、みゃ!
でも、なんで、かなしい、みぃ?
べるが、じかん、とめたのも、ふしぎ、みゃ。
じっけん、のとき、おもいだす、みゃう……。
***
ごちゃごちゃしてたけど、みんなが再び席に着くと、ユヅさんがキョウと王子くんを呼んで、こそこそ話した。私たちと猫は、飲み物を飲んだりして待ってた。未来猫って普通のジュースも飲めるの⁈ いや、この子は特別だよね?
沖田さんったら嬉しそう! 猫は眠って元気になったのか、沖田さんの右手と左手を交互にタッチして遊んでた。かわいい……! 「みっみっ」って鳴き声が聞こえるだけで癒されるー!
そんなこんなで、結論が出たのかキョウと王子くんがテーブルに戻ってきた。
キョウ〜〜おかえり!
私は猫の真似をしてスリスリしてみたら、小さい声で「馬鹿」って言われた。むぅ。でも照れてる。ふふっ。大成功!
ユヅさんは、猫を抱っこしている沖田さんのところにしゃがんで、猫と視線の高さを同じにした。
「なあ、撫でてもいいか?」
ユヅさんが問うと、猫は「みゃあ」と鳴いて、頭をくいっと下げた。きゃっ! 優しい!
ユヅさんは撫でながら呼びかけた。
「なあ、猫」
「むにゃ! ユヅパイセン! 『猫』じゃないっス。『ハチっち』っスよ!」
ナナは、ほっぺを風船にした後、猫にぽわんって変身して、ユヅさんに飛び乗った。ユヅさんのほっぺを手でぺしぺししてる!
ナナネコもかわい〜〜〜!
そんなナナネコは、フリルさんに「七海を頼む」と預けられた。フリルさんは、くすくす笑いながら、ナナネコの背中をみゅーんと伸ばすように撫でた。ナナネコの弱点である!
ありゃま、ナナったら気持ちよさそう。
ナナが大人しくなったのを確認して――ユヅさんが、猫を撫でる手を止める。そして、本題を話し始めた。
「なあ、ハチ。僕達みんな、君と一緒に居たいんだよ。でも、その為には、たくさん辛いこともあるし、もしかしたら痛いこともあるかもしれない。僕達の仕事は、『死』が――……えっと、だな、『天国』に行ってしまうかもしれないくらい、危険がいっぱいあるんだ。当然、僕達は君を守る。でも、守りきれないこともあるだろう。……それでも、僕達の仲間になってくれるか? 他の家族に迎えられて、平和に幸せに暮らすこともできるんだ。僕達は、君の気持ちを大事にしたいんだよ」
そうだ。私たちが望んでも、猫ちゃん――じゃなくて、ハチは危険があるから怖いかもしれない。
迎え撃つのはいくらでもできるけど、ハチの気持ちが大切だもんね。
だって、ユヅさんの言う通り、普通の人に拾ってもらってたら、普通に暮らすこともできたんだから!
まだ、間に合うんだ――普通の生活に。
危険のない生活を送ることが、できるんだ!
ハチは、「みゃみゃ!」と鳴いて、ユヅさんのおでこに、おててをぽん、と判子を押すようにした。
えっ、かわいい! なにそれなにそれーっ!
私は使うであろうスマホを沖田さんのところに置いた。
「みゃっ!」って私を見て鳴いてくれた。ふふっ、ありがとう、だよね? どういたしまして!
ハチは、早速スマホに打ち込んだ。
――いつもより、はやい!
【みんな、すき、みゃ】
私もみんなも、一斉にスマホを見る。私は、涙を押し戻すように目を閉じたけど――また猫からメッセが来た。
【みゃあは、みんなと、いても、いい、みゃ?】
みんな、泣くのを我慢して、声を出せなくなってる。ナナは猫から戻って、フリルさんに抱きついて、もうでろでろに泣いてた。
ユヅさんは、にこっと笑った。妖艶なイケメンな笑顔! 何回見ても周りに花が咲いてるみたい!
「……当たり前だよ。これからも一緒にいよう。でも、その前に戦わないといけない。君にも――ハチにも手伝ってもらわないといけない。それでもいいか?」
ユヅさんが、目元を拭ってから震える声で話した。
ハチは、今度は、ユヅさんの肩に一旦飛び乗ってから、おててをぽんぽん、として、沖田さんの膝に戻った。
ハチ――ユヅさんに、『大丈夫』ってしたんだね。
【みゃあ、なんでもするみぃ! ゆづ、だいじょうぶ、みゃ!】
「自分たちもだ……。猫……! いや、ハチ! 怖かったんだ――名前を呼んだら、お前がもっと愛おしくなるって思ってたから……呼べなかったんだよ」
沖田さんがハチを抱き上げて、頬を寄せた。猫も思いっきり甘えるように、沖田さんに抱きついてる。
私もそうだ――こんなに可愛いのに、名前を呼んだら……一生離したくなくなるって思ったから。
別れが辛いと思ったの。
ごめんね、『ハチ』――。
「それじゃあ、始めようか。僕達の力を見せてやろう!」
「みゃあ〜〜〜!」
ここから始まります。ハチの意思を聞いてみんな真剣になりました。
ハチは、ナナのことを対等の存在だと思っているので、結構雑に扱います。ナナもハチを「猫」というより人間みたいに接していて、以前しっぽに座っちゃったこともありました。実は、たくさん喧嘩した後に笑って仲直りしたりしていましたよ。




