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第二部 真実の対峙 20話 【魂の帰還、あるいは呪縛】

侵入者のリーダーを捕まえるのに、さして時間はかからなかった。要塞の廊下を警戒しながら進む将軍を、ジークとクロエはあっさりと背後から捉えた。ジークが双子に合図を送ると、彼らは慣れた手つきで将軍を連行していく。


ジークは双子が標的を連れ去ったのを確認すると、クロエを伴い、再びあの冷たい静寂が漂うモニター室へと戻ってきた。


「話の続きをするか」


ジークがモニターの前の椅子に腰を下ろすと、クロエもそれに向かい合うようにして腰を下ろす。先ほどのキスの熱がまだ残っているのか、クロエの頬はわずかに上気していた。


「どこまで話したか」


ジークに促され、クロエは一つ小さく咳払いをしてから問い直す。


「異形にとって私は脅威。私を欲する各国にとっては都合のいい餌……。それで、貴方はなぜ監視者をしているの? そもそも、貴方は何者なの?」


ジークはしばらく沈黙し、言葉を選んだ。


「俺は研究所によって生み出された、本来いるはずのない人間だ」


その言葉は、クロエにとってあまりに衝撃的だった。目の前にいるこの男が、人の手によって意図的に「製造」された存在だとは。ジークは続けた。


「だが、俺は一人ではなかった。大切な女性がいたんだ。だが、研究所の連中により、やつらの手にかかり、この世を去った。……それが、お前の前世だ」


ジークは迷いなく、はっきりと言い切った。クロエは息を呑む。


「なぜ……私がその人だと、思うの?」


ジークはテーブルの上に無造作に置かれていたパズルのピースを指先で弄びながら、淡々とした口調で答えた。


「俺の魂が、お前だと言っている。俺が見間違うはずがない」


彼はパズルのピースをクロエの方へ放り投げた。彼女がそれを空中で受け止める。


「俺に、姿形なんて関係ない。魂に惹かれたんだ。強く、美しく、そして澄んだ色をした魂に」


ジークの真っ直ぐな言葉に、クロエは戸惑うように首を振る。


「……私は強くも、美しくもないよ?」


その言葉に、ジークはふっと柔らかな笑みをこぼした。


「誰しも、自分自身のことなど分からないものだ。俺はお前という魂に惹かれただけ。ずっと探していたんだ。お前を見つけるために、俺は監視者の道を選んだんだよ」


監視者としての責務も、世界の理を監視する冷徹な視線も、すべてはこの魂に再会するためだけにあった――。


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