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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第一章・上】 魔法社会革命編
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第一章40話 『後継者』

 長い休息の末に私は、副頭首として、プライマリーを継いで再スタートさせることを決意した。


 ベッドに座っていたところをいつものように葵が部屋に入ってきた。昨日までの私の様子の違いに少しびっくりした様子だったが、私は立ち上がってプライマリーの制服に着替えた。葵が着替えを手伝ってくれた。私は、お礼がてらに自分のことを述べた。


「私が副頭首としてプライマリーを動かす。だから、ご飯を食べたあとに隊長たちを集めてちょうだい。幹部会議をするから。」

「結衣ちゃん・・・無理しないでね。」


 葵は、私の肩に手を置いて言うと、それから、私の手を取って歩き始めた。葵は心配そうな顔をしていた。



 朝ご飯を食べ終えて、幹部会議が始まった。空席が2つあるまま行われた会議。それは、総司と大石がいなくなってから初めてのことだった。


 会議では、まず初めに私が副頭首から頭首となることを提案し、それから、今後のことを決める次第だった。しかし、私が頭首になることや私がやろうとしていることに不満を持った人たちがいた。確かに、私はつい昨日まで部屋に籠っていたような人だし、頭首という大役を務められるほどのものではないことは十分に分かっていた。私が、休んでいた間は、一番隊隊長の新藤敬助が仕事を受け持ち、私が知らないうちに世界魔法協会から出された提案を受諾し、ひとまず戦いを終わらせたのは紛れもないことである。しかも、新藤は、総司と同い年で大石と並ぶ親友だったと聞く。だけど、その新藤が、選んだのが、協会内部での改善を条件にプライマリーが最高魔法師・織田山門の傘下に入ることだったのだ。山門も総司と同じクラスだった仲だが、互いに道が違い、敵対した人だ。私は、あくまでも総司が行こうとした道を行く。私が総司の後を継ぐんだ。


 葵が懸命に私を支えてくれていたが、これではいつまでも終わらないので、私は新頭首として言った。


「私のやり方に、総司のやり方に不満を持つなら、明日の夕方4時に演習場で決めましょう。私が1人で相手します。不満のある人は何人でもいいから私と戦ってはっきりさせましょう。私が負けたら、頭首を降りて、指示に従います。私が勝ったら、私が頭首として、プライマリーを引っ張って行きます。」


 これに黙っていられなかった葵が立ち上がって言う。


「待って!結衣ちゃん、一人で闘うなんて無理よ!私も一緒に戦うわ!」

「私、1人じゃないとダメなの。私の実力を知ってもらうにはこれが一番。それに、これをきっかけにプライマリーで内乱が起こることは避けたい。」


 私が必死に葵を説得した。私の想いは誰にも止められはしない。


 会議は、全会一致で終了し、幹部たちは解散していった。私は、すぐに自分の部屋へと戻った。

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