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グレードアップ  作者: エスプレッソ
海開き編

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37/50

第45話

 これがドキドキワクワクせずにいられるだろうか!!!


「ヒラク、挙動がおかしいけど」

「ヒーちゃん、ハガネさんのファンだから」

「そうなの?」

「オレのことはぜんっぜんしらなかったくせに井栗さんは知ってるのかぁ」

「だってカッケェじゃんハガネさん!あの人ひとりで3つも怪異クラスの異象持ってるんだぜ!しかも装備をいっさい持たない戦闘スタイルってヤバくね!?唯一無二だよ!!!」


 心の底からおれ、いま飛び上がってる。


「おや、こっちまで車が一台向かってきた。もしかしてハガネさんかな」

「ちょ、ガチかよ!おれまだ心の準備できてねぇよ!というか名前呼びのリンくんもしかして顔見知りか!?」

「うん、まぁ。ハガネさんってモカちゃんのおとうさんだから」

「……ファァアあ!?」


 あのモカさんがハガネさんのムスメさん!?おれこのまえ失礼なことしてないよな!?……しょ、しょぼ……そういやしょぼいヤツ認定されちまってるじゃん……もうおわりだ。

 あぁ、クルマのドアがもう開いてしまう!!!

 憧れの有名人が降りてくる!!!


「やっほーヒラク!お久!」


 クルマから降りてきた人の中に、憧れの人の姿はいっさいなかった。

 

「リク!ウミ!ソラ!」

「おどろいただろ?」

「助っ人さんじょう!」

「泣いて喜べヒラ──な、なんだよヒラク、アツいハグでもかわそうってか」

「ソラ、おまえはいったんおれの話をきけ!」

「お、おう。いきなり胸ぐら掴まれるとは思わなかったが」

「おまえの親父空自の幕僚長だったよな!!!」

「まぁ、そだな」

「空自がちゃんと仕事してないせいでおれはこのフユミに──」

「ストップヒラク、興奮してるのはわかる。でもちょーっと口がかるい」


 ……アタマに血が上ってしまってた。フユミの制止ですこし冷えたが、いろいろな感情がぐるぐる渦巻いててやるせねぇよ!!!


「至道 万離さんだ!!!」

「おっ!?もしかしてキミたちオレのファンとか!?」

「あ、いや、オレはヒラクのことがあって知ったっていうか」

「ヒラクとわたしたちほとんどおんなじような生活してたんで」

「オレは知ってました。空飛べるってだけでマジうらやましい」

「ではあとでみんなにサインをあげよう。オレって超人気じゃん!」


 おだてなくても上ってしまうバンリがおだてられて浮いてる。


 聴けば、3人はオレの海開きに便乗してシフハンのデビューを果たそうって魂胆でここにいるらしい。


「こういうときこそ使え親のコネ!」


 なんて堂々としたすねかじりだ。


「それでハルさまは!?」

「いねぇよ」


 リク、その下りをするためにここにきたのか、哀れなヤツ。


「今日は井栗 鋼さんが監督に来てくれるのだ!しかもオレのために!どうだ羨ましいだろ!!!」

「……ヒラクヒラク、うしろうしろ」

「うしろがあんだって……」

「若さあふれるあなた方が第一歩を踏み出すのにわたしでお役に立てるのならよろこんで」


 でたァあああああ!!!


「はじめまして井栗 鋼です」

「はじめまして!花木 開です!!!モカさんも先日ぶりです!!!」

「先日ぶり、花木 開くん」


 ガチのモノホンきたこれ!

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