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第49話 ジャングル探検隊

「この焦げ跡がポロ・アチチさまのもの・・・??」


「お前も知っていると思うが、奴は炎を使って自分の分身を作れるからな・・・。要するにこういうことだ。まず見張りの気を引くために子供の格好をして分身を作る。そして見張りが近づいてきたら分身を解く。これで見張りには消えたように見える。まぁ、実際に分身は消えているのだがな。そして、見張りがゲートを離れたその隙に本体が中に入る」


「なるほど。それだとバレないですね」


「あぁ、アイツらしいやり方だ!!」


「これでポロ・アチチさまが第二ガサ王国にいらっしゃることはほぼ確定ですね」


「あぁ、ということは"あの虫"が第二ガサ王国にいるというのもほぼ確定だろう」


「見えてきましたね??」


「あぁ、楽しくなってきたぞ!!」


「えっ??」

 シリアスな雰囲気の中、子供のようにキラキラした目で話すドラキュラを見て、ツシカは驚いた。


「いやいやいやいや、すまんすまん。"楽しくなってきた"ではなく"真相に近づいて来た"だった」

 今更遅いフォローを白々しくしたドラキュラだった。



 ドラキュラとツシカはみんなと合流した。

 そして、ドラキュラは自分の推理をみんなに話した。


「なるほど・・・。ドラキュラさまのお考えでほぼ合っているでしょうね」


「食えないヤツね!!姑息な手を使ってゲートを潜るなんて」


「アチ兄っぽいっちゃあ、アチ兄っぽいな」


「とりあえず急ぐぞ!!"あの虫"の正体も不明だが、仮にあの虫を使って何かを企てている輩がいるのだとするとただ時間が経っていくのはよろしくないだろう」


「ですね。急ぎましょう!!」

 ニニが真顔で言った。


「はっ!!そういう事でしたら、どうぞお通りください!!」

 見張りがゲートから体をずらして、ドラキュラ一行を中へと促した。


「すまんな!!」

 ドラキュラの言葉に見張りは頭を下げた。


「はっ!!ご武運を祈っております!!そしてポロ・アチチさまを救ってください!!」


「"王子のご無事を・・・"みたいなことは言えねぇのか??」

 シナは呆れた顔を見せた後、少し笑った。


「ふふふ、人望の差ね!!」

 ムーンが意地悪い顔で笑った。


「ムーンちゃん、それはないんじゃない??」

 シナは女性にめっぽう弱かった。


「ふざけている場合ではないですよ!!ここから先は何が起きてもおかしくないのですから!!」


「確かにな、さぁ、気を引き締めて行こう!!」

 そんなやりとりをしている内に、気がつくとドラキュラはゲートを潜ろうとしていた。


「ちょ、ちょ、ちょっとドラキュラさま置いていかないでくださいよぉ〜!!!」


「あんたもあんたで、しまんないはねぇ〜」


「まともなのは俺だけか!!」


『お前が言うな!!!』

 ニニとムーンの連携ツッコミがシナに炸裂した。


「ふふふ・・・」

 ツシカは楽しそうに笑った。


「はっ!!いってらっしゃいませ!!」

 見張りは第二ガサ王国に入り、小さくなっていくドラキュラたちの背中に向かって敬礼をした。



 ギャアアアアアア!!!

 ビャアアアアアア!!!

 ゼァアアアアアア!!!

 聞き覚えのあるような声から、聞いたことのない声、または物音まで、おおよそ第二という言葉では繋ぎ止めることが出来ないほどの異国な世界がドラキュラたちを迎え入れていた。

 まさにジャングル。

 人間が歩けるように補正されている部分もあるが、大半は自然がそのままそこにあるといった状態。

 もちろん、"旅太郎"などの旅雑誌にも、第二ガサ王国の詳細が書かれていることはない。あっても軽く触れている程度。国の中の様子などは全くわからない。写真など言語道断である。

 徹底して隔離された国。

 それが第二ガサ王国だった。

 そのため、右、左、上、下。

 ドラキュラたちの目に映る全ての景色が、みんなにとって初めてのだった。


「一歩踏み締めるたびに初体験ですね??」


「なんか気取ったこと言っちゃって!!」


「しかしニニの言うことももっともだ!!ワクワクが止まらんわ!!」


「そのワクワクが変な方向に行かないことを祈ります」


「お前ら緊張感ないのな??」

 ドラキュラたちが変わらずいつも通りに話している姿を見て、思わずシナは言ってしまった。


「緊張感ならありますよ!!ただ、それが口数を減らすことや挙動不審につながらないだけです!!」


「そうそう。そこのところ勘違いしないでよね!!シナの言い方だと、私たちがデリカシーないみたいに聞こえるじゃない!!」

 "そう言いたいんだけどなぁ・・・"

 とは言えないシナだった。


「ただ・・・思っていた以上に道が悪いですね??」


「確かにな・・・俺も久しぶりに中に入ったが、前来た時はもっと見通しが良かったと思う・・・」


「これも何かの影響か・・・??」


「そう考えるのは軽率かもしれないが、全く違うとも言い難いな」

 シナはドラキュラの意見にある程度の理解を示しながらいなした。


「表現するのが難しいくらいの大自然を突き進むのは、それだけでストレスですね??」


「やめときなさいニニ!!これがまだ2日以上続くんだから!!辛抱よ、辛抱・・・」

 まるで自分に言い聞かせるかのようにムーンがニニに言った。


 コツン・・・


「ん・・・???」

 ニニは自分の足が何かを蹴ったことに気がついた。

 そして、それが気になり足元に手を伸ばした。


「何だ??何だ??」

 ニニはゆっくりとソレを拾い上げ確認した。


「・・・・・」

 拾い上げたものとのにらめっこが数秒続いた後、ニニは大声を上げた。


「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 ニニが拾い上げたのは骨だった。

 しかも形からわかるように人間の頭部だった。


「ひ・・・ひ・・・人・・・人・・・人の顔・・・骨・・・骨・・・骨が・・・」

 ふいをつかれたこともあり、ニニはかなり動揺していた。


「なるほど・・・。ここら辺から命にも気をつけなければいけないのだな???」

 毎度お馴染みの笑顔でドラキュラが言った。


「だから、なんでそんなに嬉しそうなんですかぁ〜〜〜???」

 ニニの声が大自然に飲み込まれていった。

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