06.そこは……
ここは、どこ?
お父さんとお母さんは?
何も見えない。
何も。
3人で食べ物を探してたのに、急に男にナイフを突き付けられて、縛られて、車に乗せられて、目隠しされて、ここは、いったい……
「よし。
目隠しを取れ」
男の声が響き、目隠しをされていた人々は久しぶりの明かりに目が眩む。
全部で10人。
皆一様に椅子に座らされ、手足を縛られている。
「なにこれっ!」
「なんだこれはっ!?」
「どこだここっ!」
「わーん!
こわいよー!」
「なんなんだ!
あんたらっ!」
誰もが混乱し、口々に叫ぶ。
ガアアァァァァンッ!
そこに銃声が鳴り響き、しんと静まる。
「うるせえ」
銃を撃った男の一声で、皆が押し黙る。
すすり泣く声が少しだけ聞こえる。
「お前らは大事な人柱だ!
乱暴なことはしねえし、きちんと食事もやる!
運が良ければ、100日後に解放してやるよ!」
男は立ち上がって、声高にそう叫んだ。
「今回は10人か。
さすがに、捕まりずらくなってきたな」
男は椅子に座らされて並んでいる人々を見て呟く。
「だが、ガキがいるなぁ。
これは大収穫だ!」
その中の1人、小学生ぐらいの子供を見て、男は嬉しそうに口角を上げた。
子供はそれにびくっ!と反応する。
「連れてけ」
男は部下と思われる者たちに命じ、部下たちが子供の拘束を解き、椅子から立たせる。
首もとにナイフを突き付け、押すように部屋から連れ出していく。
「待ってくれ!
うちの子をどこに連れてくつもりだ!」
「いやあぁぁぁっ!
まもるちゃーん!」
その子供の両親だろう。
動けないことは分かっていても、ジタバタと体を動かし、何とかして子供の元に行こうとしている。
「あのガキはありがたく俺たちで使ってやるよ。
あんたらは、自分が連れていかれないことを祈るんだな」
男はそう言って笑いながら、部屋を出ていった。
新一たちが帰ってきた。
俺と香織と新一の祖母は玄関に迎えに行く。
疲れて、焦燥しきった顔の3人。
3人?
「みちるはどうした?」
俺は新一に尋ねてみる。
「みちるは、捕まった」
新一は申し訳なさそうな顔でそう告げた。
京也は悔しそうに顔を歪め、弥彦は茫然自失としていた。
「えっ?」
香織の声が玄関に響く。




