7/8
⑦
……けれど、現実は、僕の想像なんて……クソみたいなものだった。
実際に売られたのは、僕ではなく、アンだった。戦時中、牧場は、経営が立ち行かなくなって、クソみたいなアンの両親は、アンを手放した。僕は、アンが連れていかれる荷車を追いかけようとして、まだ、生まれて6日程度の身体を何度も何度も柵にぶつけた。身体が血だらけになって、傷だらけになって、肉は深く抉れても、柵は壊れなくて、黄色い夕焼けに草原と僕と、柵とアンの乗った荷車が黄色に彩られる頃、
……そのまま視界は黄に染まって、……僕は、泣きながら再び、目を開けた。




