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第31話 それぞれの努力

翌朝。


俺は。


いつも通り。


教室に入った。


すでに。


何人かの。


生徒がいる。


その中に。


リナも。


いた。


……。


目が。


合った。


一瞬。


リナの表情が。


固まる。


俺も。


何も言わない。


リナは。


すぐに。


視線を逸らした。


昨日。


あんな話を。


したからだろう。


まあ。


仕方がない。


俺には。


答えが。


分からなかった。


だから。


自分で考えろと。


言った。


それだけだ。


俺は。


自分の席へ。


向かった。


◇◇◇


一回生の。


授業は。


その後も。


変わらず。


続いた。


身体基礎。


武術基礎。


魔法基礎。


王国史。


一般教養。


どれも。


基礎。


基礎。


基礎。


……。


正直。


地味だ。


だが。


必要なのだろう。


半年間。


やってみて。


少しだけ。


分かった。


剣が。


得意なのか。


魔法が。


得意なのか。


やってみなければ。


分からない。


自分が。


何をできるのか。


何が。


できないのか。


それを。


知るためには。


一度。


やってみる必要がある。


……。


ネクシラの。


言っていたことを。


認めるようで。


気に入らないが。


そこだけは。


間違っていない。


◇◇◇


そして。


更に。


三か月が。


過ぎた。


カイルは。


相変わらず。


槍を。


振っていた。


いや。


以前より。


ずっと。


振っている。


「はっ!」


槍が。


前へ伸びる。


踏み込み。


突き。


引く。


もう一度。


「はっ!」


以前の。


ぎこちなさは。


ほとんどない。


《潜在解析(ディープアナライズ)》


【個体名:カイル・ベルグ】


【年齢:十四歳】


【身体能力:B/潜在A+】


【剣術:D+/潜在C】


【槍術:B+/潜在A+】


……。


また。


伸びている。


「カイル!」


武術教師が。


声を上げた。


「今の踏み込み」


「良かったぞ!」


「はい!」


カイルが。


嬉しそうに。


返事をする。


そのまま。


もう一度。


槍を構える。


楽しそうだ。


以前。


木剣を。


振っていた時とは。


まるで。


違う。


練習して。


強くなる。


強くなるから。


また。


練習する。


結果が。


さらに出る。


……。


やはり。


才能があるものを。


伸ばす。


それが。


一番。


効率がいい。


◇◇◇


一方。


リナは。


変わらず。


火属性魔法を。


使っていた。


「――火球(ファイア・ボール)!」


一般的な下級火属性魔法だ。


中程度の。


火の玉が。


標的へ。


飛ぶ。


当たる。


炎が立ち上がる。


悪くはない。


だが。


威力は。


そこまで高くない。


「もう一度!」


リナが。


杖を構える。


「――火球(ファイア・ボール)!」


また。


火球が飛ぶ。


何度も。


何度も。


繰り返す。


《潜在解析(ディープアナライズ)》


【個体名:リナ・フェル】


【年齢:十三歳】


【身体能力:D/潜在C+】


【魔力量:D+/潜在B】


【魔力制御:C+/潜在A+】


【火属性魔法:C+/潜在C+】


【風属性魔法:E/潜在A】


……。


ほとんど。


変わっていない。


三か月。


毎日のように。


練習している。


それでも。


火属性魔法は。


ほとんど。


伸びていない。


「もう一度!」


リナが。


杖を。


握り直す。


……いつまで。


やるんだ。


俺なら。


とっくに。


風属性魔法を。


試している。


だが。


声は。


かけなかった。


あの日から。


リナとは。


ほとんど。


話していない。


別に。


俺が。


困ることは。


ない。


……。


「――火球(ファイア・ボール)!」


また。


火が。


飛んだ。


◇◇◇


俺も。


練習を。


続けていた。


剣。


槍。


弓。


杖。


盾。


格闘。


そして。


全ての。


属性魔法。


一つ。


終われば。


次。


それが。


終われば。


また次。


自分に。


何の才能が。


あるのか。


分からない。


なら。


全部。


やる。


「レオン」


教師が。


呆れたように。


俺を見る。


「また残るのか?」


「ああ」


「今日は」


「もう終わりだぞ」


「分かっている」


「なら休め」


「まだできる」


教師が。


ため息をつく。


「好きにしろ」


最近は。


先生も。


あきらめている。


◇◇◇


練習が終わって。


寮へ。


戻る途中。


頭の中では。


今日の。


動きを。


繰り返す。


剣の。


踏み込み。


槍の。


間合い。


弓の。


姿勢。


魔力の。


流れ。


《叡智庫(アーカイブ)》


今日。


学んだことを。


整理する。


できなかったこと。


できたこと。


明日。


試すこと。


一つずつ。


頭の中に。


並べる。


とにかく。


やる。


それだけだ。


◇◇◇


三か月の間に。


季節も。


変わった。


学園の。


空気も。


少しずつ。


変わっていく。


その日も。


授業を終えて。


教室を。


出ようとした。


その時。


廊下が。


妙に。


騒がしいことに。


気づいた。


上級生たちが。


何人も。


窓の外を。


見ている。


「いよいよか」


「今年は」


「ヴァルガだろ?」


「代表は」


「もう決まったらしいぞ」


……。


何の話だ。


俺が。


窓の外を見る。


校門の近くに。


王国の旗を掲げた。


馬車が。


何台も。


並んでいる。


騎士も。


いる。


教師も。


集まっている。


そして。


五回生。


六回生らしい。


上級生たち。


「レオン」


後ろから。


声がした。


振り返る。


アレンだった。


「いよいよ出発だって!」


「は?」


「知らないの?」


「何をだ」


アレンが。


少し。


驚いた顔をする。


そして。


笑った。


「七国武競祭だよ」


……。


七国。


武競祭。


なんだそれ。


俺は。


もう一度。


窓の外を。


見た。


王国の旗が。


風に。


揺れていた。


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