↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/43

第23話 友達

馬車が。


ゆっくり。


村を離れていく。


窓の外には。


夕日に染まった。


畑が広がっている。


その向こうに。


小さく。


レオンの村が見える。


僕は。


窓から。


ずっと。


その村を見ていた。


「殿下」


「お疲れでしょう」


「少し、お休みになられては」


護衛が。


心配そうに。


声をかけてくる。


「うん」


「大丈夫」


そう答えて。


僕は。


また。


窓の外を見る。


◇◇◇


レオン。


初めて会ったのは。


壊れた橋だった。


僕は。


困っている人たちを。


助けるために。


どうしたらいいのか。


分からなかった。


でも。


レオンは。


橋を見て。


周りを見て。


すぐに。


考え始めた。


そして。


みんなが。


渡れるようにした。


すごい。


そう思った。


そして。


商人に聞いた。


天才の子供の話を。


思い出した。


もしかしたら。


あの少年かもしれない。


だから。


話してみたかった。


《読心眼(マインドリーディング)》。


僕が。


生まれた時から持っている。


不思議な力。


人の。


感情。


欲求。


心の動き。


それが。


言葉のように。


僕には見える。


最初に。


話した。


レオンから。


見えたもの。


――面倒。


――関わりたくない。


――一人でいい。


そんな気持ち。


でも。


その奥に。


小さく。


別のものがあった。


――寂しい。


――話したい。


――分かってくれる人が。


――ほしい。


レオンは。


自分で。


たぶん。


気づいてない。


だから。


僕は。


思わず。


「僕と、友達になろう」


そう言った。


何度。


断られても。


何度。


友達じゃないと。


言われても。


僕は。


レオンと。


話したかった。


◇◇◇


剣の練習も。


面白かった。


最初は。


僕が勝った。


次も。


僕が勝った。


それでも。


レオンは。


諦めなかった。


負けるたびに。


僕の動きを見て。


考えて。


次のやり方を。


変えてくる。


負けたことより。


どうして負けたのかを。


考えていた。


――上へ。


――もっと。


――上へ。


――強くなりたい。


――負けたくない。


――力がほしい。


――知識がほしい。


そして。


あの日。


レオンは。


言った。


「俺は」


「世界の頂点を目指す」


ああ。


やっぱり。


そうだったんだ。


そう思った。


レオンの中に。


ずっとあった。


強い気持ち。


僕とは。


違う。


僕は。


誰もが。


幸せに暮らせる世界を。


作りたい。


レオンは。


世界の。


頂点へ行きたい。


レオンなら。


きっと。


できる。


そして。


その時。


僕は。


こうも。


思った。


僕の夢と。


レオンの夢。


違うけど。


もしかしたら。


一緒に。


叶えられるんじゃないか。


そんな気がした。


◇◇◇


だから。


あの時。


本当に。


怖かった。


このまま。


レオンが。


いなくなるんじゃないかと。


ゴーレムの。


腕が。


レオンを。


吹き飛ばした。


レオンが。


倒れた。


動かない。


僕も。


後ろから。


攻撃を受けて。


倒れてしまった。


このまま。


レオンが。


死んでしまう。


そんなの。


嫌だ。


絶対に。


嫌だ。


助けたい。


レオンを。


絶対に。


助けたい。


そして。


二人で。


夢を。


叶える!


そう。


思った瞬間だった。


何かが。


変わった。


【固有スキル進化】


《読心眼 (マインドリーディング)Lv2》


《読魔眼(インテントリーディング)》


それまで。


何も見えなかった。


ゴーレムから。


何かが。


見えた。


人じゃない。


なのに。


次に。


何をしようとしているのか。


どこを。


狙っているのか。


それが。


分かるようになった。


そして。


レオンには。


弱点が見えていた。


二人なら。


戦えた。


二人だから。


勝てた。


「僕たち!」


「最高のコンビだね!」


あの時。


僕は。


本当に。


そう思った。


◇◇◇


馬車が。


揺れる。


僕は。


自分の手を見る。


人の気持ちが。


分かる。


それは。


いいことなのか。


僕には。


まだ。


分からない。


でも。


昔。


母上は。


教えてくれた。


「分かることは、とても大切なことよ」


「でも」


「一人で、全部できる必要はないの」


あの時。


母上は。


苦しそうに。


息を整えながら。


僕に。


そう言った。


「できないことは」


「できる人に」


「助けてもらえばいいのよ」


「そして……」


「あなたも、その人を助けてあげて」


あの時は。


分かったようで。


分かっていなかった。


母上の。


その言葉の意味を。


◇◇◇


今日。


僕が。


第一王子だと分かった時。


レオンの。


心が。


変わった。


――警戒。


――疑い。


そして。


僕を。


遠ざけようとするような。


気持ち。


少し。


悲しかった。


それでも。


僕は。


レオンのことを。


友達だと思っている。


◇◇◇


馬車の窓から。


外を見る。


窓の外に。


村は。


もう。


見えなくなっていた。


五年後。


王立学園。


また。


会える。


その時は。


もっと。


色んな話をしよう。


もっと。


一緒に。


色んなものを見よう。


世界のことも。


僕の夢も。


レオンの夢も。


僕には。


世界を。


どうやって変えればいいのか。


まだ。


分からない。


でも。


レオンなら。


答えを。


見つけてくれるかもしれない。


僕に。


できないことを。


レオンに。


助けてもらう。


だったら。


レオンに。


できないことは。


僕が。


助ければいい。


母上。


あの時の。


言葉の意味が。


少し。


分かった気がしますーー。


僕は。


小さく。


笑った。


「レオン」


「僕が」


「君を」


「助けてあげる」


馬車は。


ゆっくりと。


王都へ。


向かっていった――。


これで第一章 幼少期編は完結となります。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

第二章からは王立学園編になります。アレンとの再会、新しい仲間との出会い、そして学園の生活を通してレオンは更に成長していきます。是非ご期待ください!!


気に入っていただけたのであれば、ページ下部より【ブックマーク】や【評価(☆☆☆☆☆)】をいただけますと、大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。