表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃亡代行  作者: 横瀬 旭
最終章・あとがき・解説
41/43

41(最終話)

https://note.com/yokoze_asahi/n/n81b11585594c

 仙台から少し離れた景勝地、松島にやってきた。今回ここに来た理由は、この旅を終わらせるため。


 約三年前、会社から逃げ出し、傷心していてとにかく綺麗な景色が見たいと思った私は、千葉県内を列車で数日乗り回ってから水戸、いわき、仙台と辿り、この松島に来た。


その時はここで自決しようと思っていた。その手の名所でもないのに、何故かそう考えていた。そしてできなかった。


諦めて恐る恐る自宅に戻った。玄関のポストには上司からのメモがあったが、それ以来会社の人間は来ていない様子だった。


 長い旅をして金がなかった私は、とりあえず適当に工場のバイトを始めた。仕事はどうにかなったから、これから心身共に落ち着くだろうと思っていた。


しかし、全く落ち着かなかった。逃げなくて良いのに、逃げなければいけない気がした。そして、休みになると色んな所へ出かけた。色々な観光地を舞台に短い物語を書いた。千葉県の桟橋にいた女学生や、紀伊半島で会った自分の分身などの架空の人物や、霧笛舎の消失など起こるはずのないことを書いたりもした。依存するように逃亡のつもりで旅をした。そうしないと心を保つことができなかった。


 初めて訪れる場所がたくさんあった。伊勢神宮や那智勝浦、四国は島そのものが初上陸だった。私が住んでいる場所では感じられないものや、見られないものがあり、会えない人がいた。


 前回は訪れなかった福浦島へ行ってみることにした。入場券を買って、長い橋を渡る。


けたたましいカラスの声に怯えながら、島を奥へと進んだ。三十分ほど歩いて「見晴台」という所に到着した。


 これが、私が見たかった景色だろうか。小さい島が寂しそうにぽつぽつと浮いている。前回来た時と違って全く感動しなかった。ここよりも綺麗な景色が、世界にはたくさんあった。


 松島海岸駅へ戻った私は、前回来た時と駅舎が違う事に気がついた。駅が少し大きくなり、プラットホームが増えた。


「新型コロナ」の流行など夢にも思わなかった約三年前、たくさんの観光客が狭い駅舎内で暖を取っていたのを見ていた私は、時間の経過を感じて少し寂しく感じた。


 列車を乗り継ぎ、自宅に帰った。


しかし、また社会から逃げるような気がする。


この作品を書かない私に生きている意味があるだろうか。


物を書かなくなった私に生きている意味があるだろうか。


この先人生が良くならないとわかっていて、生き続ける意味があるのだろうか。


私は自室で首を吊った。

第1章


東京→館山→犬吠埼→水戸→いわき→仙台→松島


第3章(一)


上野駅→岡本桟橋→野島崎灯台→鋸山→金谷港→久里浜港→剱崎灯台→鎌倉→江の島→下田→熱海→初島


第3章(二)


精進湖→立石公園(諏訪市)→豊橋→鳥羽→伊勢神宮→おかげ横丁→鬼ヶ城→串本→徳島→高知→坂出→尾道


最終章


尾道→福山→品川→仙台→松島


以上で本編完結です。


不本意な終わり方ですが、綺麗に終わらせる事ができてよかったです。


この後「あとがき」と「解説」を載せて終了です。


今までありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ