表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第三章(二)
34/43

死国

https://note.com/yokoze_asahi/n/n90d08d66bfd8

 大きな半島を一周しかけた頃、地図を確認して、このまま進み続けると追手のシマを踏むことに気付いた私は、近くの港のフェリーターミナルから違う島へ渡ることにした。


朝に半島の一番下の駅から列車に乗ったが、乗り換えの待ち時間もあってか陽は落ちかけていた。


 夕方の便、待合室に乗船開始のアナウンスが流れタラップを渡り乗船、客室に入った。


自動販売機で缶ビールを買い、窓際のコンセントが付いている座席につき、携帯電話を充電しながら出航を待った。


船の出航と同時に缶ビールを開け、海を見ながらビールを飲み干し、携帯電話の充電もある程度できた所で私は階段を上ってデッキに出た。


 左舷から沈みかけの太陽が見えた。この大海原を照らす力をほぼ失った太陽に私は見惚れた。昼間の眩しくて鬱陶しい太陽とは違う、とても優しい光だった。その太陽を見ながら私は色々な歌を口ずさんだ。


 艫の方に舵のレプリカのようなものがあった。ビールを飲んですっかり酒に酔った私は「おもぉかぁじ」とつぶやいて舵を時計周りに回した。行きたい街があった。三十年ほど前の震災がなければ、日本一の港になっていただろうあの港町に。


高揚した気分の後に暗い気持ちと寒さが襲い掛かってきて、私は「神戸に行きたいな」とつぶやいて客室に戻った。


 携帯電話の充電を再開し、出航から約二時間で目的の港に着岸した。陽は既に沈んでいた。


今まで旅をしてきた島とは違う島、八十八ヶ所の札所があるお遍路の島に上陸した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ