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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第三章(二)
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世界遺産

https://note.com/yokoze_asahi/n/ne38a64485ac6

 大きな半島を列車で南下している途中、列車を降りて海岸に沿って歩いていた。青い海と青い空、雲は一つもなく、太陽の光が暖かくてとても気持ちが良かった。


 防波堤を降りて小石の海岸を波打ち際まで歩く。海が遠かった。海からもとても遠かった。青以外何もないここは、灘と呼ばれているらしい。


防波堤に戻り再び海岸沿いに歩くと、歩行者が通れないトンネルがあったため、やむなく横の道に折れて進むと、崖道が出てきた。


「ここを歩くのか」


とつい声に出てしまった。人が一人通れる広さの道に、今にも折れそうなパイプの柵がついているだけの道だった。柵越しに下を見ると、とても低い位置にまた崖があった。転落すれば怪我をするだろう。


高低差があって登ったり降りたりした。低い所では釣り人がたくさん居た。その人達を横目にどんどんと先へ進む。


向かいから人が歩いてくることもあった。相手が広い所で待ってくれたり、私が広い所で待ったりした。やむなく狭い所ですれ違う時は、お互いに横を向いてすれ違った。


 苦しみながら歩いていると、センターという所に到着した。ここには観光客用の駐車場があり、少し大きい建物にレストランと土産屋が入っていた。


私は土産屋に入って冷蔵ショーケースから古道麦酒という発泡酒を取り出して買い、灘を見ながらそれを一気に飲み干した。汗をかいた後でとても美味しくて気持ちが良かった。


 駅に戻るのにバスの便を探したが、時間が開いているので歩くことにした。


すると、今度は歩行者しか通れないトンネルがあった。右側に進入禁止の標識と、四輪、二輪自動車のイラストがある。


長くじめじめしたトンネルを抜け、商店街に差し掛かると、店舗の庇に「ふりかえったら『またおいで』と古道が言うてます。」と書いてあり、この地域の気候と同じような人間の暖かさをひしひしと感じて、涙が出てきた。

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