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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第三章(二)
31/43

横町

https://note.com/yokoze_asahi/n/n0fb2e9cd0527

 電柱に延々と貼り付けられている「赤福」の文字を見ながらバスで約二十分、もう一つの神社に到着した。駅の側にあった神社が左側通行だったのに対して、ここは右側通行だった。


 外宮(げくう)をお参りした時と同じように前や横の参拝者の作法を真似した。正宮まで少し遠かった。歩いていると大きな川があり、とても綺麗な水に見惚れてしばらく眺めていた。「投銭禁止」とかいてあるのに、川の底には小銭がたくさん沈んでいた。


お参りを終えて参道を引き返していると、強い神様が本当にここにいるような気がしてきた。だから写真はあまり撮らないようにした。


 神社を出て右側に、露店や土産屋の並ぶ横丁があった。瓦屋根の建物が並び、テレビの時代劇に出てくるような景観があった。有名なカフェチェーン店も、木造の建物でこの場に溶け込んでいた。


 駅前のお店でビールを飲もうと思っていたがここでも良いかと思い、露店で牛串と生ビールのセットを頼んだ。店の隣で紙芝居をやっていた。


私は後ろの方の座席に座り、ビールを貪るように飲みながら紙芝居を鑑賞した。


話はよくわからなかった。紙芝居が終わって子供にもわかりやすいように話の解説もしていたが、それでもわからなかった。アマテラスがどうとか言っていた。


 来た道を戻りながら大勢の観光客の会話を聞いた。


私が住んでいた場所とは全然違うアクセントで抑揚のある声を聞き、もう、とても遠い場所に来たのだと、改めて実感した。


 横丁を出てバスに乗り、駅に戻って列車が来るまで駅構内の小さな土産屋に入った。


赤い紙に包まれた箱がたくさん積まれていてとても目を引いた。これが赤福だった。しかもこれは見本らしい。こういう風に目立たせてレジの横から本物を取るのだ。


 少し気になったため一つ買って列車に乗った。


乗り換えた特急列車の座席で赤福の包装を解くと餡こに包まれた餅で、一面赤茶色の箱の中身に少し驚きながら付属のヘラで一つずつすくい上げて食べた。


 慣れない気動車のバスのような音に「うるさいな」と思いながらも私は気付けば寝ていた。


赤福に襲われる夢を見た。

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