ファースト・アイランド
https://note.com/yokoze_asahi/n/n3478065c9470
温泉街の高速船乗り場から高速船に乗り込んだ。
海沿いから見えたとても気になる島へ、すごい早さで船は走っている。デッキの手すりに凭れて海面を見ているのが少し怖かった。
三十分ほどで船は島の岸壁に着岸した。港に自動車が幾台か止まっていたが、私が乗っていたこの小さな高速船と、ヘリコプターでしか来られないこの島に、どのような方法で自動車を持ち込んだのだろうか。
この島は「ファースト・アイランド」と呼ばれていた。
「首都圏から一番近い離島」だからこのような名前で呼ばれているらしい。私には「近いから」という理由でそのような呼称になる理由がわからないし、違うと思う。
島を歩いてみると、小さな島だというのに、人々の生活があった。
島の住人と思しき人間とすれ違い、木造の小中学校もあった。
階段をのぼって島の高台から港の方を振り返ると、住宅や商店、飲食店の建物が敷き詰められているのが見えた。
島の高台には観光地らしく、ホテルやアスレチック施設があった。
島の頂上の小さな灯台にのぼると、回廊のどこからでも海を見渡すことができた。
来た道をそのまま戻って港へ戻る予定だったが、道を間違えて港の反対側に出てしまい、結局は港へ戻るまで島を半周する形になってしまった。
結局一時間島を歩き続けた。改めてこの島の大きさを知った。
本土へ向かう高速船に乗り、客室の座席に腰をかけた。
私はただ座っていた。船はほとんど揺れることなく、真っ直ぐ本土の港へ向かっている。
私はただ、海面を眺め、何を考えることもなく、本土に到着するのを待っていた。
初島




