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出会い

彼女セティル・ラルウェイは旅の途中で商人であるディル・ランバットと出会ったのはセティルが一人での旅が困難であると感じていた時の事だ。

いくら彼女が不死であっても一人旅ではどうしても目立って仕舞い、その度に野党に襲われては敵わない

(そろそろ、用心棒でも探さなきゃな………)

だが、そのためには色々と問題がある。それを考えるとなかなか用心棒も雇えないでいた。


「なあ、あんた一人で旅してんのかい?」

彼は初めそう声を掛けながらセティルの座っていた隣の席え座って来た。

「ええ、そうよ」

セティルは彼に眼を向けるでもなく、すげなく答えた。

「お節介だと思うが、、一人での旅は危ないぜ、用心棒でも雇う宛でもあんのかい?」

「………。」

確かに彼の言う事は最もであったし、彼女も考えていた事ではあったが、それに伴う資金がない事を理由にそれを怠っていたのである。

「はあ、言わせて貰うが、あんたこの辺で噂になってるぜ、いいカモが来たって……」

相手は呆れたと言わんばかりにそう行ってくる。

「お節介ついでに言わせてくれ、もしあんたにその気があれば俺の行商に付き合わないか?」

いきなりの提案に、この時始めて意識して相手を見た。頭にはターバンを被り、動きやすそうな服装に、日に焼けた浅黒い肌と、左の頬には大きな傷跡があり、一見危険な人物に見えなくもないが精悍な顔立ちと一際目を引く空色の瞳が不思議と人を安心させる雰囲気を纏っている。

だが、彼の言葉を鵜呑みにするのは余りにも軽率で思慮に欠ける、セティルにとっては有り難い提案であればある程相手を警戒するのは当然のことだろう。

警戒しながらもセティルは話を続ける。

「あなたと私の目的地が一緒とは、限らないわよ」

勿論今の所めぼしい目的地などなかったので、出任せ言ったわけだが、相手の方も気に留める様子はさしてなかった。

「そりゃそうだ。俺はここから五日間程かけて南西に降りて、港町まで行く予定なんだが、これは、俺のお節介だし、決めるのはあんただ。

まあ、気が向いたら、この村の入り口辺りに来てくれ、明日の日暮れ前には出発する」

言うが早いといった感じで彼は立ち上がりその場を後にし『じゃあな』と後ろ手を振って去って行く。


一人残ったセティルは去っていった男について考えていた。

彼を信用するのは早計すぎる、しかし騙すきがあるのなら"カモ"だと言って相手の警戒心を煽る様な言い方はしないでもっと、言葉巧みに強引に誘い、考える余裕を与えない筈で、だからといって彼を信用するにはまだ情報が少ない。

(取り敢えず明日少し様子を見てからにしよう)

考えをまとめたセティルは立ち上がり、自分の旅の準備をするために店を出ていく。



そして、セティルは行動に移すために昼過ぎに彼の言っていた村の入り口へ行ってみることにした。馬小屋とそのすぐ側にはまだ馬を繋いでいない荷馬車が置いてあり荷車にはまだ荷がつまさっていない状態である。

旅立つ前に馬に餌をやってから荷車に繋げるのだろうと、目当ての馬を探しに馬小屋の中に入る。馬を探す理由は手っ取り早くある程度その人の人となりを知るためだ。

セティルはまだ彼と共に行くと決めた訳ではないが彼が信用に足る人物かを見極める必要があり、しかしそれを本人に直接聞くわけにはいかない、幾らでも誤魔化しが利くからだ。

其処で馬なのだ。、人は人を騙すが騙す人間は大体他人がまず観ないであろう、動物に対しては取り繕う事をしない、だからこそ出発前の馬の扱いを見に来た訳だ。

先ずどの馬が彼の馬かだが、馬小屋の中には六頭の馬が居り、セティルは出発前なので必ず飼い葉を与えていると踏んで、餌を食べている馬を探すと直ぐに見付かった。裏手の直ぐ側の少し広めの餌さ場には二頭の馬が居た。セティルは馬に近づき宥める様にして馬に声を掛け、手を伸ばし馬の顔から頸の背を撫でる。馬がセティルへの警戒心を薄くした所で馬に与えている餌を見てみる。

「ふーん、餌はケチってないわね、どう?お前達の主人はお前達に優しいかい?」

そう、馬に問いかけながら馬の背を撫で毛並みの具合を確かめる。毛並みは上々、艶も良く、手入れを怠っているようではない、それになによりもこの馬たちの瞳が良い、人間に対しての警戒心がしっかりと存在していてそれでも相手を見て心を許して良い人間かの判断も心得ている。賢い馬だ。

賢い馬をもっているという事は、馬たちは主人に自分達の能力を何らかの形で返すために主人に習うものだ。と、ゆうことは主人である人間も賢く、聡明だとゆうことだろうか?

そうすると、あの男は信用に足る人物とも言えるが、場合によっては最悪の敵に変わる恐れがある。

馬を撫でていると小屋の入口から人が入って来た。セティルがそちらを向くとそこには、昨日会ったばかりのあの男だった。セティルは何とも居ずらい所に現れた男が憎いのと、早く帰らなかった自分が口惜しい。

「あれ?君、昨日の……ふう~ん、そんな回りくどい事しなくても俺の所に直接来ればいいじゃないか」

「っ…別に、あなたとは関係ないです。ただ、この子達が良い馬だなと思っていただで」

男に図星を指されて認めて仕舞うのは癪で、バレバレであったけれどそう言って誤魔化す。

「まぁ、そうゆう事にしておくか、良い馬だろ?俺が育てた気心の知れた旅の相方でな」

「へぇ、あなたが育てたんですか、道理で」

「処でどうだい?もし良かったら荷を繋ぐのを手伝ってくれないか?話なら手を動かしてもできるだろう、旅に行くかどうかはその後に聞かせてくれよ」

(してやられたわ……)

ここで、断って帰るくらいならそもそも、ここまで来なかったのだ。そして、男の言うように手伝ってから断るのも可能だが、その場合セティルは無駄な労働をしただけで得をするのは相手の男だけとゆうことのなる。

そこまで解っていてセティルは寧ろ相手の男を好ましいとも思った。相手は本当にどちらでも良いのだ。そして、どちらにしても損はないと踏んでいる。セティルはそこまで考えて観念した。

「ええ、それくらいならいいですよ」

「ありがとう、助かるよ。じゃあ、こっちまで先ず来てくれ」



セティルは男に連れられ、馬小屋から出て直ぐ側の倉庫に向かう、倉庫からはもうすでに積む荷が出ていて、後は荷車に運び入れるだけとなっていた、それらを運びながらセティルは男の目を盗み荷の中身を確認した。最大の懸念であった荷の中身が危険なものかどうかだったのだが、それも心配することのないもので、麦や塩、乾物、それから工芸品が少しのようで至ってまともなものであったし、荷を運ぶ間男と話してみてこの男は本当にセティルの身を案じていてくれたのだとゆうことが解り荷の積み込みが終わる頃にはこの男と少しの間一緒に旅をするのもいいだろうと思っていた。

「ふう、やっと終わった助かったよ。お疲れ、処でどうだい?アンタ一緒に行く?」

男の問いにセティルの心は既に決まっていたが、相手に弱みを見せたくない一心でわざと強がって見せた。実のところを言えば一人での旅に辟易していたのとセティル自身が普通の人間と違う事さえばれなければ他の人間と一緒に旅をすることに問題はないだろうと思うのだ。

「そうね、丁度護衛が欲しかったから丁度良いわ、私はセティル・ラルウェイよ。宜しく」

セティルの答えを聞いても男は気を悪くした風も無く彼は逆に豪快に笑って言う。

「ははっ、アンタ良い性格してるなっ、俺はディル・ランバットだ宜しく頼むセティル」

ディルは言いながら右手を差し出す「ええ、ディル」セティルもディルの右手を握り返す。

そして、二人は旅に出る。それぞれの本当の腹の内は見せることなく………




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