3
3
かれこれ30分くらい歩いた。
近くに川はない。
圭「…」
圭は軽く道に迷った。
同じところをぐるぐる回っている気もする。
辺りは暗くなってきた。
何もない。
全く何もない訳ではない。
木の根元にはブルーシートをいくつか見つけたのだが、それを捲るのは余程の変わり者だろう。
冷たい風が圭を襲う。
圭「寒っ」
なりふり構ってはいられなくなってきた 。
とりあえず圭は勇気を振り絞ってブルーシートを捲ることにした。
圭「ハァ…ハァ…」
どこぞのテレビ番組のようにテンポよく事が進む訳もない。
何せここには圭一人。
高校生の男といっても怖いものは怖い。
いくぞ、と小声で自分に言い聞かせながら、バサッと捲った。
圭「ハァ…ハァ…」
それはいい意味で圭を裏切った。
捲ったところにはキノコが生えていた。
圭「…」
圭は今、空腹だ。
毒キノコなんか関係がない。
何度も言うがもうなりふり構ってはいられないのだ。
圭はブルーシートとキノコを取得してその場を後にした。
このとき圭の頭は一緒にあったアルバムや数枚の書きなぐられた手紙など受け付けなかった。
あくまで圭が見ていたのはキノコ。
アルバムや手紙など一瞬でも視界に入ろうが、知ったこっちゃない。
圭は何も知らないし、何も見ていない。
圭の頭は非常に高性能である。
キノコは湯通しもなしに口に運んだが、空腹の少年には美味だった。
草むらにブルーシートを敷いて、それに巻かれるようにして圭は横になる。
しかし、寝付けるはずもない。
場所が場所である。
圭「羊が853匹、羊が854匹…」
圭は怖かったので、羊の数を数えながら寝た。




