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怖い。
いくら歩いても同じ道ばかり歩いているような気がする。
目印に木に吊るされている紐を選ぶが、また同じ紐に戻る。
圭「いったい何なんだここは…」
「ここは青木ヶ原樹海じゃ」
圭「うわっ!!」
圭は体がびくついた後に、条件反射のような早さで声のする方を向く。
向かってくるのは白髪のおじいさん。
歩きながらこっちへ来る。
圭「樹海?樹海ってあの…?ってことはおじいさまは…」
うわああ、と圭は逃げ出す。
圭「うわあああああああああ!」
青木ヶ原樹海。
これが本当ならヤバイ。
とにかく何かヤバイのだ。
(あの猿(統一)とドリフ(もも)が!)
圭のうらんでいるリストに冷夏はいない。
ちょっとした依怙贔屓である。
爺「待たんかあああああ!」
爺さんが追いかけてくる。
圭「えっ!?」
髪に何らかの感覚があった。
触ると髪が切れていた。
手にびっしりと切れた髪がついていた。
圭は後ろを見る。
圭「え?何々!?なんでお爺さんそんな危ないもの持ってんの!?」
爺さんの手に持っているのは刀。
正真正銘の真刀である。
秀康「おまえは本田圭じゃな?わしは小早川秀康!まずはお前の実力、確かめさせてもらうぞ!!」
そう言って老人が刀を持って襲ってくる。
圭「ちょ、まっ、ぎゃあああああああ」
圭「理解不能だよ!確かめるだけなら真刀なんかいらないよね!?」
この爺さんとにかくすごい。
圭は走って逃げるが足早が早く、あっという間に追い付く勢いだ。
戦わないといけない。
だが、どうしても年寄りの人には手を出す気は圭にはおきない。
秀康「ふざけるんじゃない」
圭「えっ!?」
圭が心で思っていたことを読まれる。
秀康「手加減などいらん!わしを殺す気でこい!!」
圭「止めてくれ!爺さん!俺は戦う気はない!」
秀康「ならばこの小早川秀康!お前を殺す!」
圭「!?」
圭は後ろを振り向く。
目の前に刀を振り抜かんと秀康が構えていた。
追いつかれてしまった。
圭は殺されると感じて目を閉じる。
圭「…ん?」
秀康の真刀は圭の頭スレスレで止まっていた。
秀康「あいつはわしにこんな臆病者の世話をさせるのか…。次来たら勇蔵の孫でも容赦せず絞め殺す」
秀康はそんなことを言いながら刀を鞘に収める。
圭「えっ?あっ!なんかすいません」
愚痴が聞こえた圭は何かと謝る。
秀康「…まあいい。今日は自力で休んで明日に備えろ」
圭「はい。…え?」
明日に備えるって何なのだろう。
何かするのだろうか。
それに自力とは…?
そんなことを思い、圭は問いかける。
圭「爺さんはどうするんですか?」
秀康「家に帰る」
圭「…」
なんで自分の周りはこう自分勝手が多いのだろう。
非情で、無責任な人かと相手の性格を適当に推察する。
秀康「それと」
圭「はあ」
秀康「わしのことは師匠と呼べ。それに返事は『はあ…』じゃなくて『はい!』じゃ!」
圭「はい…」
師匠。
何か武術でも教えてくれるのかどうかは分からないがとりあえず師匠という者がいる以上、そうなのだろう。
(そういえば小早川とか言ってたな)
圭は考える。
もしかしたら秀康は何か分かるかもしれない。
むしろ、分からないのなら統一はここに連れてきていないはずなのである。
圭は明日きくことにした。
グゥ。
圭「…」
圭は夜一人だ。
わずかな木々の隙間から見えるのは茜色である。
時間は夕方か。
季節のせいでもあり、だんだん寒くなってきた。
何とか夜までにどうにかしなければならない。
圭は今、空腹だった。
とりあえず食べ物と布団代わりになるものを探すことにした。




