表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《100万PV感謝》前世の記憶は役立たず!~エルフに転生したけれど、異世界が世知辛すぎる~  作者: 藤 野乃
勇者と魔王、その他大勢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
411/436

アマネ、お財布事情


 《おおっとー! ここで勇者の一閃!》

 

 《流石剣聖ですねえ、見事です》


 《見事なのはやられたリヴァイアサンもですね、致命傷を避けて死んだふりしてます》


 《あ、いい感じに沈んでいきましたね……致命傷ではないといっても相当な怪我ですが、大丈夫でしょうか》


 《海底に医療班が控えてますから……とネタバレはこの辺でやめておきましょう》


 《二度の襲撃を掻い潜り、あとは死の島を目指すだけですね》


 《明日、最後の補給地に停泊予定です》


 《ああっ、ハナちゃんが今光りました!》


 《すごい……みんなの傷が塞がっていきます》


 《これが聖女の癒光……素晴らしい》


 《初めてじゃないですか?》


 《犬ですからね、言ったとおりに発動してくれないんでしょうか》


 《ですがこれはいいタイミングでしたね》


 《まあ、今回の勇者パーティには特例で偽物というか代理聖女も組まれているので》


 《ハナちゃんが当てにならないからですね》


 《犬ですし、耳が遠いんですよ》


 《ああ……おじいちゃん犬ですもんねえ》


 《そんなハナちゃんですが。異界語で【花】という名前だと報じられていましたが、先ほど本名が明かされました》


 《ほう?》


 《このハナちゃん、勇者の祖父の飼い犬らしいのですが》


 《はい》


 《正式名称はハナモゲラだそうです》


 《ハ、ハナモ……?》


 《勇者のお兄さんが命名したそうです》


 《勇者には兄弟がいるんですね》


 《発表されているのは両親、兄四人家族のようですね。あ、家には亀が居るそうです》


 《早く帰れるといいですね、家族と離れて暮らすのはさぞ不安でしょう》


 《ましてや異世界ですからね》


 《そうですね……勇者召喚は完全に魔界の都合なので》


 《歴代勇者たちは魔王組合から特大の幸運付与を施されて帰還するので、そこは許していただきたいですね》


 《お、回復した勇者たちが船の損壊状況のチェックに入ったようです》


「……聖女の癒光はやっぱりでたらめ性能ねぇ」


 祈り(チャージ)時間が長いので連発はできないが、こっちの世界の治癒魔法と違って代償無しだ。

 地球風に言うならば、ぶっ壊れ性能である。

 各国の有力者が何としてでも聖女を囲い込みたがるわけだ。

 もちろんそれは対策済みで、二回目の魔王戦からは魔王が倒れた瞬間に聖女の癒光は封印するようになっている。

 初回の聖女を巡って決戦後に戦争が起きてしまったからね。

 当然ながら戦時中に聖女は自分の世界に帰っていったけども。


 《続いては、ちょっとほっこりニュースです。ミシュティ嬢の芋揚げ会の様子をお送りします》


 《芋揚げ会ですか》


 《芋揚げ会ですね、この青いリボンをつけているメンバーは暴虐の女王公式ファンクラブですね》


 《あ、ファンクラブ行事ですか》


 《ケット・シーが多いですね》


 《確かに妖精が多い印象です》


 こんなことまでニュースになるとは。

 勇者チャンネルが二十四時間放送になったのは今回からだけれど、ネタ探しが大変そうね。


 《続きましては先日のどんぐりコンテスト優勝者の表彰式の様子をお送りします》


「……来年こそは入賞したい」


 私の出したどんぐりは入賞すらしなかった。

 やはり思いつきで集めたからか。

 次回は厳選して前もって取り掛かるべきか。

 どんぐりが爆ぜてフレスベルグを爆撃したイタズラは面白かったから、アマネにも今度教えてあげよう。


 隣の椅子でうたた寝をしていたアマネが目を覚まし、伸びをした。


「起きたの? フレスベルグは明日の朝に迎えに来るって」


「うん、ふぁー……お腹空いた」

 私はテーブルの上に色々出して、自分も摘みながらアマネの質問に答えていく。


「なんで聖核だけあんなに高いの」


 アマネは何かに使うために魔核を買いに行き、聖核が高すぎてお小遣いで買えなかったと膨れっ面をしている。


「聖属性の魔物が滅多にいないからね。魔核は魔臓のある魔物しか持っていないから」


 一部の魔族や高魔力の者も魔核を残すが、それを伝えるのはまだ先のほうがいいだろう。

 そもそもこの事実は知っている人のほうが少ないし。


「それはわかるけどさ」


「聖属性の魔物は見つかったら捕獲されて聖獣とか神獣って呼ばれて保護されるから、聖核はほとんど一般流通しないのよ」 


「お小遣いじゃ買えない値段なのはひどくない?」


「保護するのはフィアン教会だから、亡くなった聖属性の魔物が残したものが教会経由で時々出るくらいね。あとはダンジョン産とか」


「貰ったミニドラゴンのホムンクルスキットに使いたいのに」

 

「確かに高いものね。そうだ、条件があるけど一個あげようか」


「本当? 何すればいいの」 


 アマネは黒い瞳を煌めかせて立ち上がった。 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ