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《100万PV感謝》前世の記憶は役立たず!~エルフに転生したけれど、異世界が世知辛すぎる~  作者: 藤 野乃
勇者と魔王、その他大勢

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ポーション作るよ


「濃度六十%の魔力水、よし」


 自分が水魔法で出した魔力水と精製水を混ぜてきっちり濃度六十%を千ml。

 特級ポーションは飲用タイプではなく、経皮吸収タイプにするので一個あたり五十mlだ。

 飲用タイプだと、味の問題があるのでどう頑張っても百ml以下にはならない。

 そもそも基剤の魔力水からして物凄い不味さで殆どの者が飲み込めないし、飲んでも吐く場合が多いから。


 使う薬草は二種類。

 血癒草、水名草──一般的に使われている薬草くすりくさと呼ばれる物の上位互換だ。

 柔らかい葉だけを使い、一キロずつ細かく刻む。

 これに、経皮吸収を高める深海の泥から抽出した非常に粒子の小さな粘土を千mlに対し、一g。

 大きな鍋に精製水を入れて、刻んだ薬草を水に入れて沸騰寸前で引き上げて乾燥。

 これは時短で魔法で行う。

 乾いたものはある程度魔法で砕いてもいいけれど、最終段階で草をすり潰すのは手作業になる。

 この時に僅かでも不要な摩擦熱を与えてはいけないからだ。

 乳鉢を魔法で冷やしながら慎重に。

 出来上がった粉末を、用意してあった魔力水に入れて封をしたあとに微細な振動を起こしながら魔力で練り合わせるように混ぜ合わせていくと、臭くて青黒い不味そうな液体が出来上がる。


 これが特級ポーションである。


「材料さえあれば、近いものなら熟練した薬師なら作れるけど……」

 

 血癒草、水名草がまずレア素材だしね。

 そもそも深海の泥とか、流通していないから今のところは私のオリジナル薬だ。

 魔力振動も熟達していないと、何もかも台無しになっちゃうしね。

 海底泥はセレナが取ってきてくれた、貴重な泥なのだから相当な貴重品。


 手を離しても不気味に揺らめくポーションから離れ、一旦椅子に座って次の段階で使うものを取り出し、不具合がないかチェックする。


 地球には存在しなくて、こちらの世界にしか存在しない生体魔導ガラス。

 ガラスという名で流通はしているけれど、実質は熱を加え変性させた豚の胎盤タンパク質とコラーゲンを魔力で無理矢理融合させたものだ。


 ただ、これはまだ研究段階の素材で、完成品ではなく壊れやすい。

 手に持つくらいなら耐えるけれど、衝撃に弱すぎる。

 傷に押し付けるだけ、投げて当てるだけで壊れるから経皮吸収タイプとは相性がいい。

 割れたあとは生体ガラスは溶けてなくなるし、毒性もない。

 一応外科的な処置をする施設には流通しているが、非常に高額だから実用化してるとは言えない。

 

(ポーションの蓋を開けてる数秒で明暗が分かれる緊急時にはいいけれど)


 一般的な備蓄には向かない。

 触れ合っただけで破損するので、時間停止型の時空庫を持っていないと持ち歩けない。

 魔力を当てると、思い通りに形を変えるので五十mlがちょうど入るパウチを二十個作る。


「これ……千切れた腕も治癒魔法をもらうまで、もたせられるすごい薬だけど。広範囲の大怪我用に沢山使えないのが不便なのよねえ」


 一箇所に使えるパウチは一個だけ。

 それでカバーしきれなかった部分はどうにもならない。

 連用できるほど安全な薬でもないし。

 なので、使う人のどこに使うかという見る目も明暗を分ける。


 (副作用と言っても昏睡するだけで、数日もすれば起きられるんだけど緊急時に昏倒って一番厄介なのよね)


 亡くなったなら、置いていく選択も自然に入ってくる。

 でも、生きていたら?

 見捨てていく選択を、躊躇いなく出来る者は多くないだろう。

 そしてずっと後悔するのだ。

 だから動けない者を出すわけにはいかないのが戦場というもの、と私は思うわ。


 (まあ、戦争なんて無い方が絶対良いけどね)


「…………魔法があるのに、治癒魔法が制約ありきだから不便すぎ」


 だからこそ、まだ医者や薬師も活躍している世界だ。

 私はため息をつき、不気味な青黒いパウチを摘み上げて時空庫に片付けた。

 

 アラインには、勇者用に二つ。

 フレスベルグは要らないだろうけど五つ。

 アマネには御守り代わりに三つ。

 残りの十個はミシュティに。

 彼女なら上手く使うだろう。


 (ミシュティ……時空庫がコケット一羽分の容量しかないのがまた……)


 ミシュティの時空庫が、かろうじて時間停止型のコケット入れで良かったわ。

  

 

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 サブタイを見ると、そのポーションは失敗してません? (´・ω・`)<チャーハン作るよ!
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