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60/66

60・忖度

主審の1人日本のケンドーアソシエーションの幹部が、マイクを持って中央に歩いて行く。


「K・I国のスタッフによる不正がありました。本人達による証言によりますと、我々が忖度し勝手に行った行為でありB・C国の関与は無いとの事です」


その後も説明が続く。

要は俺たちの畳表は1日間だけ水に浸けたものらしい。

対してBC国の物は、苛性カリの水溶液に1週間漬け柔らかくさせた物だったそうだ。


この土壇斬りはお互いノーポイントとなった。


「チーム・ボーフ!」

「ゴー!」

白と金の仮面を被った2人は試斬を終え後に下がる。

斬り損じが残っていた。


「ステップ・バック!」


5.5ポイントと5.5ポイントの合計11ポイントだった。


「チーム・フリーダム」

コールされコオジとユキナが畳表の前に立つ。

ユキナは剣を持ち片手で大きく右腕を振り上げている。

コオジは両手で持って振り上げている。


「ゴー!」

掛け声と共に左右袈裟と左水平切りつける。

2本目に行き左右の斬り上げと右水平で斬でフィニッシュだ。


“バッ”

“バッ”

“ガギッ”

(!?、斬り損じた?何だ?)


「ステップ・バック!」


ユキナ6ポイント、コオジ5ポイント合計11ポイント。


M国のスタッフが素早く片付ける。

俺の前を通る時にコオジの斬撃の跡から金属色の物がチラリと見えた。

(金輪か!)

芯である竹に金属の輪が巻かれて居るように見えた。

駆け寄ろうとしたら。N国のスタッフに手前を塞がれた。


BC国の来賓の方を見るとこっちを指差し、ニヤニヤ笑っている。

間違いなくこの大会スタッフの何人かはアイツらの息がかかっている。

(クソっ!汚ねえマネしやがって)


ここで少し早いが休憩になる。

「やり方が汚ねえ!」

コオジは激怒している。


「刃こぼれは大丈夫か?」

「あんな程度、千織には何でもない」

それにしても困った。これでは大会として成立していない。正式に異議申し立てをするようか?


「ちょっといいか?」

「おじいちゃん!」

控え室に桃じいちゃん・厚子さん・ジン社長が入って来た。


「すまんがこれは大会では無い」

『はい?』

「本物の戦争なんじゃよ。作戦名はアートオブキリングじゃ。すまんがこのまま大会を続けてくれ」


この大会が決まった時から西側のごく一部の信頼出来る6国にやって、この計画がスタートしたらしい。


B国とC国を何十年か浮上出来ないように叩き潰すのだ。

両国の同盟国であるN国は自然と崩壊すると思うのでそのまま放置する。たぶん 一応西側陣営に居るK国が手を差し伸べるであろう。

(だが、いずれ共倒れになると見ている)


「申し訳ないがこのまま競技を続けてくれ」

「剣聖が居ないのもその件ですか?」

「精鋭部隊を引き連れて作戦遂行中だ」

「・・・わかりました」

「あぁ、それとこの大会すごい視聴者数よ」

テレビでは放送せずネットの有料申し込みのみの視聴だ。

大会前にタブレットとパソコンがめちゃ売れたらしい。

これに味をしめたジャパンケンドーアソシエイションは、後日剣舞の方もネット配信のみとした。


「やはり本物の[武]は迫力が違うわね。観てる人達の反響がものすごいわよ。間違いなくNo.1コンテンツになるわね」


「えーっと・・・それは・・・良かったですね?」

「何で語尾上げ疑問形なのよ!」












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