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46/66

46・作刀

アイツらなかなかの腕だったな、正直驚いた。

これから面白くなりそうだ。

それにしてこんなに楽しいのは初めてだ。


ガキの頃からクソみたいな帝王学を叩き込まれていた。

自社ラボを親父と見学中、工房の職人が最高峰の剣を展示し親父の前で猛アピールをしていた。

外装はカエルの金具が付いていたのだが、親父はカエルが大嫌いなのだ。

しかもご丁寧に緑の拵だ。更には前日に母と喧嘩をしており、最悪の事態を迎えるであろう事はわかった。


クソ親父は青筋をたてて激怒した。

職人は土下座をして謝っている。

たっぷり10分怒鳴られ満足した父はその場を離れた。


土下座をしていた職人はその刀を抜き台に置くと、何とナタで4つに切ってしまった。


衝撃だった!何が衝撃かって最高の剣とか威張ってたのに、ナタで切れちゃうのが衝撃的光景だった。


使用人に言ってそのナタを買い取り持ってくるように命じた。

土佐で鍛造された、古い片刃のナタだった。

鍛治師の銘と花押がうっすら見える。

本物だ!と本能で感じた.

黒く沈み込みねっとりとした肌でオーラがあった。


それから図書館に通い詰め鉄の知識をとにかく詰め込んだ。驚いた事に鍛造技術は失伝になりつつある事を知った。

危機感を感じた俺は、父に金属の研究をしたいと言う事で葉山にラボを作ってもらった。

そのお礼でいくつかのデータを会社に流した。


それが認められて、いきなり副社長にならされそうになった。

正直、研究が始まったばかりでそれは困る。

とにかく不祥事を起こし自分サゲと弟アゲにつとめた。


なかなか上手く行った。

俺を廃嫡することを役員会で決め、厄介払い料として葉山ラボとビル一棟をもらった。

それが俺への財産分けだ。


そんな時に全日本のペア戦が出来た。個人戦も真剣使用だと言う事だ。

驚いたがワクワクした。真剣を作れ使えるのだ!

“国内ランキング問わず”の緩い団体戦参加条件に飛びついた。

パートナーは本当の俺を良く知っているユキナだ。

俺の事情を話し、一連のサゲ行為に付き合ってもらっていた。そんな彼女の献身に頭が下がる。


昨日、「終わりで良いんだよね?」って聞かれたから「ああ、ありがとう」と言っといた。

嬉しそうに笑ってやがった。剣聖の娘イオリとは幼なじみだったからな。

・・・・悪い事をした。

ユキナにはこれから色々と返していければと思っている。


無二剣聖から各剣士の剣風に合う剣を聞いた。

これを形にする。

(俺とユキナの適正がまさか小太刀とは・・・)


ラボで試した結果、2タイプの金属で作刀する。

やや硬く斬れ味鋭い者とややしなやかさがある物だ。


まずあんこ皮鉄を作る。これは全員同じ物だ。刃の金属が少々違いがある。

皮は細かく編むように積み上げ溶接する。それを熱し一気に普通のハンマー倍の重さを叩き込む、その後圧を加える。

衝撃力と静荷重だ。

尋常で無い衝撃で打ち圧力をかける。

この材料を丸棒にし、中央をくり抜き刃の材料を入れ接着し延ばす。

形を整え土置きはせず刃の部分だけを高温にするヒーターのバーナーを使い熱し、油で焼き入れる。

後は部分的に焼戻せば完成だ。

この部分的と言うのもポイントだ。

衝撃の波を受ける部分と逃しを作るのだ。


この剣は普通の剣より薄いが、手に持つと詰まってる感事がする。


・・・最高だ。

今までで最高の出来だ。


鎬を前後させたり刃厚変え色々と試した結果、硬目の方が全般的に良さそうなのでこれで行く事にした。


無二剣聖に見せたら合格との事だ。

その後こっそりと無二剣聖と、ダルタニャーン剣聖の作刀をお願いされたw



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