4・まとめ壱・静の呼吸
「えーっと次は・・・呼吸です!」
「しぃーーーーはぁーーーーー!」
「そうだね、呼吸って健康に一番大事だもんね!」
「うんうん、先週TV番組の試して満テンでやってたもんね!」
「さて“静”の呼吸です!」
「せいー!」
「椅子に座ります。床に仰向けに寝ても良いです」
「寝るぅー!」
「鼻からゆっくりと、お腹を膨らませるように息を吸います」
「すぅーーー」
「肩の力を抜いて、口をつぼめて吸った時間の倍以上かけてゆっくり吐き出します」
「ふぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーー」
「10分間繰り返します」
「すぅーーーふぅぅぅーーーーーーーーーーーーー」
「自然に出来るように練習しましょう!」
「すぅーーーふぅぅぅーーーーーーーーーーーーー」
「持ち方と静の呼吸が出来るまで続けましょう!まずはここまでみたいだね」
「ステップ展開ってやつね!」
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「和光くん仕事!仕事!社長の私が言ってるんだから気にしないの!」
「はぁ」
「運転手さん急いで!決勝に間に合わなくなっちゃう!」
「大丈夫ですよ、まだ準々決勝ですから」
アッコさんとタクシーで剣技の県大会に向かっている。
ここは東京都だけど全ての都道府県は県大会と呼ぶ。
本日、日本武道館で行われている。
結構余裕で間に合った!
武道館に入り下への階段を降り関係者席に座る。
「やぁ〜〜〜!」
「せいやぁ!」
「ソイヤっ!」
6カ所の闘技場で戦いが繰り広げられている。
紅白に別れ交互に演武をするのだ。
1本目は世界共通のユニバーサル・カタ”略して【UK】と呼ばれる形の4形の、“水・土・風・火”より1つ演武。
ただしその形を演武後の3回戦中は使っては行けない。
1試合目で水なら2・3・4回戦目は火・土・風のどれかとなる。
万遍なく4つの形を修練するようにと言うルールである。
あともう1本は2分以上4分以内の自由形だ。
自分の習っている流派の形でもオリジナルの形でも良い。
まぁ最近は、世界ランカーのオリジナル演武の一部を取り入れるのがトレンドになっている。
決勝戦が始まった。
紅白の剣士は鞘にスポンサーの名が複数入っている。県大会でスポンサーが付く剣士は将来有望なのだ。
最近は剣士の青田買いが進み、県大会剣士レベルにまで広がっている。
かなかなの過熱ぶりだが、少しでも良い環境で修行出来るのは良い事だと思う。
さてUKからの演武だ。
赤側の剣士が剣を抜き中央に進む。
「風だね!」
ゆっくりと剣を振り上げなびくように剣を泳がす。
観客席から拍手が出るぐらい良い出だしだ。
後ろに振り返る時の足の角度36P・刀の差し方23P・演武の位置10P・刀の高さが100P減点があった。
マイナス169の減点だ。
この演武場所には大量のセンサー・カメラが埋められており、人では無く勝負はA.Iによる判定となっている。
減点が少ない方が勝利となる。
素晴らしい技は加点がある。
白側の剣士も中央に進む。
「おっ!?、同じ形だね」
振り返りの角度不足で80P後は小減点だか最後の決めがブレ122点の減点。
合計でマイナス238点の減点を食らってしまった。
フリーでどれだけ巻き返しが出来るのかが勝負だ。
地域によって強い弱いがあるが、四軍の県大会レベルだと、マイナス300〜400Pぐらい出ないと上位に食い込まない感じだ。
これが世界戦だとマイナス0〜100Pぐらいになる。
天位はプラスポイントになる事があるので凄いパフォーマンスだ。
フリーが始まった。
ポイントが低い方からの演武となるので白側からの演武となる。
いきなりバク転!
UKでの失敗を挽回する為に熱い演武だ!
最後の2回転からのフィニッシュも決まった!
ちゃんと鞘のスポンサー名を隠さず見せている!
スポンサーを持つ剣士はここが隠れると大幅に減点となる。
ただしきっちり見せると加点の対象だ。
拍手喝采だ!
『素晴らしい!』
『ブラボー!』
さて点数は・・・
マイナス342P!
結構盛り返した!
赤側の剣士へのプレッシャーになるに違いない。
拍手が鳴り止み赤側の剣士が出て来た。
前方へ側転しながら刀を抜く。
『あっ!』
抜け無い!それでも強引に抜こうとする。
ミシッ!バリッ!
『あぁ・・・・』
鞘が割れスポンサー名が上下に分かれてしまった…
演武中にスポンサー名を破損させてしまった場合は、その場で演武中止となる。
赤側の剣士は真っ青な顔をして居る。
それはそうだろう。
スポンサー名の破損の場合は、大概スポンサーを降りる事になるのだ。
まぁそのスポンサーはウチなのだが・・・




