33・まとめ本とは?
アッコ工房の横の土地を買い、新築された練習場所に
俺・小桃・レニ・イオリが座り無ニ剣聖の講義を聞いている・・・
袋竹刀・ひきはだ竹刀と呼ばれる。
新陰流の流祖の上泉伊勢守信綱により作られた竹刀だ。
現代の4つ割り竹刀とは違い、竹の中程まで4つその先を8つ先端を16に割った物に、馬や牛の革で作った袋に漆を塗ったものに被せた物である。
漆を塗った革にできるシワ模様がヒキガエルの肌のようなので、ひきはだと呼ばれる。
尾張では革袋の縫い目を刃とするとしたらしいが、縫い目は刀の峰とみると言う口伝もあるようなのでどちらでも良い。刃側と峰側をしっかり決める事が大事だ。
ウチでは縫い目を刀の峰にする事になった。
袋竹刀だが、これがまた使いにくい。
しなるし、革なので相手の剣に巻き付くような感じになるのだ。
「無ニ剣聖、何故俺と小桃が必要なんですか?他の剣士ではダメなのですか?」
横で小桃もうんうんと頷いている。
「他の者だと俺が求めるものまで届かないんだよ」
「いえいえ、俺と小桃の方がもっと届かないと思うのですが?」
「いや、あの“まとめ”はこの国にあった大昔の剣の修行をまとめたものなんだよ」
『ええぇーーーー!!!』
俺と小桃とレニは驚いた!
「残念ながらあれをちゃんと出来る剣士は、他では居ないのだよ」
「どう言う事ですか!?、そもそも何で我々やってるんですか?あっ、桃じいちゃんに勧められたからか」
「そうだね、とっかかりは健康の為だっけ?でもね成桃さんも、もうそろそろ話す予定だったみたいだよ」
「何かがあるんですか?」
「事の起こりは成桃さんのお父さんの頃の話しなんだけど、ご先祖様のモモノーイが書いたキョウシンメイチと言う剣術の書が見つかったんだ。よく調べてみると他にもハヤシザーキのサヤノウチと言う書と、ミアモトのゴリンノ書とツカハーラーのヒトツノタチの書が見つかったんだ」
「へぇ!それは先祖さんの家名ですか?」
「そうだ」
「小桃のウチは家名があったんですねぇー」
「ちなみミアモトはうちだ」
「ああ、そういえば!」
「でな、その家の血を引く者が近くにいると、その本は開く事が出来るそうだ」
「へぇ!じゃあ今はモモノーイとミアモトは読めるんですか?」
「いや、それとツカハーラーの3冊は読めた」
「えっ!?、何故ですか?」
「和光くんの家がツカハーラーなんだよ」
「はい?」
「成桃さんと息子の大桃と奥さんの朝顔と私と和光くんの両親、四光とひまわりの6人でこの3冊を編集し直し、実践しながら“まとめ”と言う本を作ってたんだ。主にモモノーイの本が理論的でベースになっている。四光・ひまわり・大桃・朝顔が亡くなってからはなかなか進まなかったんだよ」
「あぁ、突然でしたから・・・」
「で最近、ハヤシザーキの書が見れるようになったんだ」
「もしかして・・・レニですか?」
「そうだ。そのハヤシザーキの解析で俺と成桃さんは大忙しだよ」
「あー桃じいちゃん忙しそうですよ。じゃあ山形県に行ったのもその関連ですか?」
「そうだよ」
うちに家芸があったのは驚きだ!
「イオリは最近、この“まとめ”を稽古させているんだ」
「あぁ!だから地区戦の動きがあの動きだったんですね!」
「イオリから電話があってな、解禁しても良いか?勝たないと嫁になれない!っと言う話しだったぞw」
「あぁ・・・」
「あまりの必死さにOKしたよ」
「ちょ、ちょっとお父さん!もう!」
イオリの顔が赤い・・・
「和光くん娘をよろしくな!」
「はっ、はい?」
「ちょっと旦那様、なんで疑問系なのよ!」
小桃がピシッと指を向け怒っている。
「そうそう!イオリン可愛いいから良いじゃん!」
「うっ」
嫁ふたりに責められどうにもならない・・・
「イッ、イオリこちらこそふつつか者ですがよろしくお願いします!」
「そうそう!じゃあ婚姻届出しに行くよ!練習はそれから!」
「あっこれからうちでは、練習じゃなくて“稽古”にする。演舞も舞うのでなく武の方の演武を使う」
『はい!』
こうして1時間後、3人目の嫁が出来ました。




