26・レニさんとイオリさん
キャンピングカーなんだから昼ご飯なんて外に食べに行かないで、食材を買って車で作って食べた方が安上がりで美味しいじゃん?って事で前日の夜スーパーにお買い物に行った。
3000円もかからなかったので外食より非常に安上がりになった。
会社から出された昼飯代は2名で日当たり5000円なので経費節約になって良かった。
今日の小桃は俺の作業補助でもあるのでエンジ色の作務衣上下だ。
レニは白いワンピースに薄い黄色のカーディガンを羽織り、メチャお嬢様感を漂わせた美少女だ。
ちなみに俺は茶色の作務衣だ。
武道館に着き昨日と同じ場所に車を置くと、3人で会場へ向かう。
関係者の通路に進み役員達に挨拶とサポート車の到着を連絡をする。
「おはようございます。サポートカー設置しました」
「アッコ工房さん本日もよろしくお願いします」
「何かあったらすぐ対応しますのでご連絡下さい」
「あら?今日はレニ剣士も一緒ですか?」
「今日は剣士では有りません!お昼を準備するつっ、妻として来てるでしゅ!」
「あーはいはい、レニ奥様よく分かりましたよ・・・」
役員さん達のレニを見る目が目が優しい。
車の方に戻るとソコ・シャナルのデザイナーとイオリの他に2人の女性剣士がいる。
何か話して居るようだが・・・
ここから見てもあまり良い雰囲気とは言えない。
「こんな油滑っちゃうじゃ無いの!」
「はぁ?おまえが閉じないって言うからだろ!俺の芸術的舞踊剣を理解しない馬鹿のくせに!」
「そうよ馬鹿女!あんたのそのキツイ顔がソコ・シャナルのイメージダウンよ!」
「ご子息様がわざわざ調整してくれたのに何文句言ってるの!」
「向こう行きなさいよ!ワンレン猫目!」
イオリは真っ赤な顔をして会場の外に出ていった。
その背中罵声が浴びせられる。
「ざまぁ!」
「生意気なのよ!」
小桃が顔を真っ赤にして怒っている。
「なになに!もしかしてあいつらイオいじめてた?」
小桃がイオリの後を追って会場の廊下を走った。
小桃の後を俺とレニが続く。
うちの車の横の石段でうずくまっているイオリを発見した。
「イオ!」
「わこー、こもー・・・」
「どうした?この前もトラブって無かったか?」
「・・・あたし、無愛想だし」
(それはあるかも・・・)
「剣聖の娘だし・・・」
「それは?羨ましいだけじゃん?」
「ソコ・シャナルの息子の恋人は今回F地区の2位3位で、あたしを目の敵にしてるし・・・」
「はぁ?何それ?」
「あー、タチの悪い奴らだ」
「で、どうしたんだ?」
「これ・・・」
差し出したギミックソードを受け取る。
ヌル…
「へっ!?」
「ご覧の通り油まみれよ」
振り出すと油が飛び散り掴んでいた手も離れそうになる。
「ちょっとちょっと!コレはひどいよ何でこうなったの?」
「昨日の練習で振り出した剣が戻らなくて、調整を依頼したら怒っちゃって・・・」
「これ、薄くてクリアランスがピッタリすぎるんだね」
「うん、そう言ったら怒っちゃって、でこの通り油まみれ」
「予備剣は?」
「私、フリーは二刀流だからカゲウチとシンウチ作ると4刀になるでしよ?、だからコスト的に作ってくれなかった」
「うわぁ、シンウチ登録だけかよ!」
「やばい!」
「旦那様!これ修理して!私も剣士としてこんな事許せない!」
「よし!時間までに油落とすよ!」
「レニも手伝ってね!」
「もちろんでしゅ!」
「わっ、わっ、わこーこっ、これ誰ぇー!旦那様って何よ!しかもメチャ美人・・・あっ!レニって子ね!この子なのね!」
「BC地区代表レニです。和光さんの嫁2号でしゅ!」
「・・・・ガーン!ガーン!今、あたしの頭の中はお坊さんがリズミカルな鐘を鳴らして居るわよ!この気持ちあんたに分かる!アンダースタン?」
「えっ!?、やだこの人面白い!」
レニはイオリを気に入ったようだ。
「確かレニちゃんと同じ歳よ?イオと仲良くしてやってね!」
「はい!小桃姉さん!」
「はっ!なっ、何よっ!友達って!お友達になる気ね!」
『・・・?』
(友達?仲良くしてやってって言われたけど?いきなり友達??)
イオリは顔を真っ赤にして居る。ちょっと嬉しそうだ。
「そうね、あんた良い人っぽいから親友でも良いわよ!」
「ほへ?」
(うお!ソッコーで親友きた!グイグイ来る!つよい!)
「し・ん・ゆ・う・よ!聞いてる?」
(もしかして、イオリちゃんもあたしみたいに友達居なかったのかな?)
イオリが不安そうにレニの顔を見つめてる・・・
(・・・・よし!)
「親友イオリン!アイツらまとめてケチョンケチョンにするわよ!」
イオリの顔がぱぁーーっと晴れる!
「えぅぅー!レニたん!」
「イオリン一緒に全日本出ようね!」
「はぅー!レニたん!やるよ!叩きのめすよ!」
そんな2人を小桃はあたたかく見ている。
(ふっ!おねいさんだからね!)




