22・初心に戻ります
『おめでとー!』
工房はみんなを呼んで今日はうちでパーティだ!
小桃作のチキン南蛮と明太子ポテサラと、厚子さんが頼んでくれたシーフードパエリアと釜焼きピザも美味そうだ!
で、何故か厚子さんの旦那さんのエムエヌ社の社長も、高級なシャンパンをお土産に輪の中にいる・・・
「レニ、挨拶どうぞ!」
「はい、まさかの全日本です!ありがとうございます」
県大会レベルで戦っていたのに1年で全日本に出れるのは稀だ。
「次はどうするの?」
厚子さんがレニに聞く。
「それなんですけど・・・この前の演舞でも思ったんですけど、あまり無理をするのはやめようと思いました。刀は重いし引っかかるし・・・刀に合わせた演舞になってるし・・・」
「そうだね、それでまた無理するとなんかずっと変わったことして居ないとダメになっちゃうよね」
「そうなんです。なんと言うのか・・・うーん・・・」
「レニちゃん、ぶれぶれ?」
「小桃姉さんそれです!」
「ふっふぅー!おねえさんですからね!」
「ぶれぶれ過ぎてもうよく分からなくなってるんです。全日本は今回の地区戦の6人と去年の6人ですよね、今年地区戦から上がって大体来年のシードに入れるのは1人ぐらいじゃないですか。そんなしっかりした実力の世界に奇をてらっても・・・」
「良く言った!じいちゃんの経験からも、ここでもう一度初心たちかえってみるのも良いと思うぞ?」
「そうなんです!しっかり身体の基礎をやろうって、朝の健康法をやってて思いました!初心を忘れていると言うより、身体の基本が出来て無いからこれ以上はダメだと思うんです!刀も元に戻します」
「よし!ウチもサポートする!」
『はい!?』
エムオスの社長が声を上げた。
「いえいえ、私全日本勝てませんよ!って言ってるようなモンですよ!それなのにスポンサーして頂くとかダメだと思います」
「サポートするのは成績もそうですが、将来性も買うんですよ」
“ポコポコッ!”
厚子さんが空のペットボトルで旦那を殴っている。
「ちょっとジン!レニはうちがサポートしてるのよ!横取りばダメ!」
(ジンって言う名前なのか!・・・そう言えばインタビューで聞いた事あったな)
「わかった!わかった!殴るなよぉw」
仲良さそうで微笑ましい。
「あっ、和光くんAF地区戦ちょっとサポートで行ってくれるかな?」
「はい、良いですよ」
「小桃ちゃんも行く?」
「行きます!」
「じゃあ2人で行って来て、バイト代とご飯代は出すわね!」
ウチの工房は地区大会までのサポート工房だったのだが、今年昇格して全日本のサポート工房となった。
基本的に剣士はお抱えの工房で修理対応するが、念のためサポート工房のスタッフ持ち回りで1人待機する事になっている。
今回の組み合わせはA地区の北海道・東北とF地区の四国・九州なので中央の関東で大会を行う事になった。
これがあるので神奈川県立武道館のBC地区戦が早まったと言う訳だ。
1週間後AF地区戦となる。




