19・剣聖・無二
「君の作った刀はどれだい?」
「こちらです」
「ほお長柄か・・・これは難しいなぁー」
「やはり難しいですか?」
「着物に引っかからない様にって動きが中心になっちゃうからね」
「あーそれは言えます。どうしてもそう言う動作を選んでます」
イオリ剣聖は刀を抜いてスイングブースに入る。
ここはコの字に囲まれており、素振りが出来るようになっているのだ。
“ブン”
「おっ!?」
”ブン、ブン!”
「おおこれは!素晴しくバランスが良いな!」
「そうですか?」
「俺の次の剣を作ってくれよ」
『!?』
周りのマスコミが驚いている。
どこの工房の人!誰!っとザワ付いている。
「あーイオリ、今君が使ってる刀の下地は彼に作ってもらってるんだ」
「おぉ、なんだそうなのか!?、次も頼むよ!」
「はい依頼があればもちろん対応させて頂きます」
「社長、次は彼ともうちょっと打ち合わせしたいな」
「わかった厚子と相談するよ」
周りから、おーー!っと声が出る。
アッコ工房の職人さんらしいわよ!
あーだからエムオス社の仕事やってるのか・・・
アッコ工房はエムオスの特注部門って話は本当ね・・・
(あの長柄が良いって事は・・・標準より気持ち手前重心派か?変化技のタイプかな?覚えておこう)
そのままエムオス社長と無二剣聖とチーフの4人で他の刀を見てまわる。
「和光くんは成桃さんのあとを継がないのかい?」
「今のところ本屋を継げという話は無いです」
「じゃあ修行はして無いの?」
「そっちはしてないですね。体操みたいな健康法の修行?はしてますがw」
「健康法かい?」
「はい!うちの嫁さんはお肌ツヤツヤで肩凝り無くなったそうです」
「なるほどなるほど!うんうん!それは素晴らしいね!素晴らしいよ!奥さんも一緒にやっているのかい?」
(なんか?無二剣聖がメチャ興奮してるんだけど・・・)
「はい、じいちゃんの孫で第1夫人の小桃と第2夫人は剣士でさっきの長柄で演舞しようとしています」
「ああ、小桃ちゃんは小さい頃会ったことがあるよ」
「幼なじみです」
「じぁあやはり、和光くんは四光とひまわりの息子か?名前的にそうかな?と思ったけどね」
「そうです!?、うちの親知ってるんですか?」
「そりゃ成桃堂に通ってたからね」
天下の剣聖と死んだうちの親が顔見知りとは驚きだ。
「地区戦はまだ良いけど、全日本とかは敵多いから注意した方がいいぞ」
「そうなんですか?何に気をつけてるんですか?」
「あぁ、とにかく急に寄って来た人には注意だ、他人をハメようとする奴が結構居るからな」
「ええっ!それはちょっと嫌ですねぇー」
「俺もそれは人としてどうなんだ?って思う奴居るよ」
「そこまでですか!」
「まぁな、じゃぁ気をつけてな!」
「アドバイスありがとうございました!」
全員の刀が揃ったようなので再びチーフと2人でブースを回る。
(おおっ!コレは2刀だ!・・・けどコレ2本とも振り出し式だな?片手だし振り出した時にバランス大丈夫なのか?工房は・・・ソコ・シャナルかエムオスに次ぐ一流所だな)
「持ってみますか?」
めちゃ見てたらスタッフに声を掛けられた。
「どうぞ」
「ありがとうございます、軽っ!?」
「でしょ?アルミを混ぜている金属です。振り出してみて下さい」
シャ!
軽いスナップで刀身が飛び出す。
「細いですね?」
「それにガタが無いでしょ?」
「凄い精度です」
(ん?荷重が刀身の棟の1箇所に荷重が集中してるか?)
「これはグリスとか潤滑油は?」
「演舞者の手に付着すると危ないので付けません」
「なるほど」
お礼を言って刀を返す。
「和光くん、あれ無二剣聖の娘さんの刀だよ」
「へぇ、剣士ですか!エムオスがスパンサーでは無いんですね」
「F地区だからちょっと遠いのよ。エムオスは全日本クラスの上位をサポートしてるわね。
「F地区って強豪ぞろいの区ですね?」
「そうね過去の優勝者の半分はここね」
その後も、各ブースを周り剣を見る。
他の人の作品をこんなに一斉に直に見ることは無いのでなかなか勉強になった。




