12・地区戦に向けて!
「どうですか?使いにくいところありますか?」
レニ剣士に両立鼓の長柄を付けて1週間経ったので調整だ。
「あと3センチぐらい柄頭側に支点が移って欲しいです」
「はいはい、じゃあちょっと調整するね」
レニ剣士から刀を受け取り柄頭に簡易的に鉛のウエイトを15グラムつける。
「はい、どうぞ」
「じゃあちょっと使ってみますね」
“ざ〜ん〜こくなー♫”
「うーん、バランスはいいけどちょっと、何か重くなった感はあります」
「単純に15グラム重くなってるからねー。えーっとちょっと待ってね・・・」
交換部品の中から軽い鍔をチョイスし組み付ける。
「はい」
「ありがとうございます!では使ってみますね!
“さ〜ん〜こくなー♫”
「これは良い感じです!」
(あーこのバランスかー、なるほどレニ剣士は軽め手元支点の刀が好みか)
「だいたい好みがわかりました。もう少し全体的にウエイトを落としても、レギュレーションは全然引っかからないのでもう一本その方向で作ってみますね」
「よろしくお願いします!」
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まず提携している刀剣工房を訪ねる。
レニ剣士の剣は吊るしの丸どめ樋の2尺五寸だ。
吊るしを使うが鎬を落として深目のかけ流し樋に加工してもらう。
あまり深く彫ると反りが変わってしまうので、ギリギリを見極めてもらう。
刃のも切れないように留めてもらう。
全日本以下は事故を防ぐ観点から刃引きが決まりだ。
あとはレギュレーションで鞘をはらって700グラム以上無いと失格となる。
柄の中に入るナカゴも長かったので備前風にカットして更に肉抜きしてもらう事にした。
桃じいちゃんによると、昔はこういう度を超えた加工など御法度だったらしい。
“今は演武の道具だから残念だ”っと嘆いていた。
今年から“演武”と言うのを、美しく舞うと言う事で“演舞”にした。
桃じいちゃんは絶句し、刀法の踊りだな・・・っとつぶやいていた。
翌日刀剣が届いたので外装を作る。
軽くて柔らかい発泡材を柄に使う事にする。そのままだと弱いので最後に樹脂を塗って固めるのが、最新の軽量化の手段だ。
縁と柄頭の金具を2ミリ小さいモノを使う。
この金具の寸法で出来上がる柄の大きさが結構決まってしまうのだ。
後からもバランスを調節出来るように柄頭には鉛を入れる蓋をつけた。
鍔は76グラムの脇差用の透かし鍔にする。
これで710グラムだ!
あとは厚子社長が鞘などの装飾を着けるので、もう少し時間がかかる。
完たらすぐにレニ剣士に届け無くちゃ!




