10・長柄は使いにくい!
(45センチの柄かぁー)
和光は材料を持って工作機械の前で考えている。
通常は24センチから長くても27センチほどだ。
そこからさらに20センチも長くなるのだ。
そしてかなりの重量になる。
とりあえず今の刀のバランスを見てみると、鍔元から15センチぐらいの部分でバランスが取れる。
まぁバランスが取れて良いところだ。
柄を長くすればかなり鍔元に来てしまう。
(うーん・・・どうしたもんか・・・)
とりあえず何パターンか削ってみる事にした。
中央がくびれている両立鼓と、刃・棟方が刀身みたいに反りが付く並反りと、刃側は真っ直ぐな刃方一文字と無反の4パターンをギリギリまで肉を落として作成する。
夏なのでカッティングシートで朱色の夏鞘にし、割れ部分を補強した。
柄系はレニ剣士のお気に入りのピーコックグリーンだ。
完成したので早速、厚子さんと共にレニ剣士の元に向かう。
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『おおっ!これは!?』
「いやぁー!すごいインパクトですね!」
「ビジュアルは凄いね」
基本形を30分も繰り返して次の柄に交換。また30分繰り返し・・・
2時間経過したが・・・・
「・・・引っかかりますね」
「はい・・・」
「そりゃそうよねぇ、そんなに長ければ」
どの柄を使っても袖などに引っかかるのだ。これを短い筒袖にすると“バッ”だと言う良い音が出ないのだ。
「柄形状はどれが良いですか?」
「やはり両立鼓です。遠心力が付く分手から抜けそうになりますが、両立鼓だと指かかりが良いです」
「はぁ〜この長さ故の着物への引っかかりどうしよう・・・長柄良いと思ったんだけどなぁ・・・」
レニ剣士は落ち込んでいる。
「えーっと直線の動きはやめて、円の動きにすればどうでしょう?」
「どういうのですか?」
「ちょっと刀借りますね?」
長柄刀を持ったまま、小桃と朝やっている健康方法の開き足で動く。柄の端が引っかからないように柄頭付近を持ち、身体の円運動に合わせて刀を動かす。
テコの原理を使って素早く剣を動かす。
『わぁ!!』
「わぁ!凄い動きです!一瞬でスパッと姿勢が切り替わりますね!軽やかに円で捌く感じですね!」
「あれ?和光さん、なんか薙刀とか長巻持ってるみたいです」
「あぁ、なるほど!操刀は刀と言うより薙刀とか、そっちをイメージした方が良いのかも知れませんね」
「はい!演武構成を変えてみます。それなら地区戦に間に合うと思います!」
「地区戦からだとフリーは音楽流すんだよね?」
「はい!、その音楽との芸術点も入ります。音楽はちょっと苦手で・・・」
「よっしゃ!私がやる!」
厚子さんが選曲係に名乗りをあげた。
「よろしくお願いします」
「まっかせなさい!」
後日、厚子さんの選曲が決定した。
アニメの残酷な天使の命題の歌だった。
(演舞には難しく無いかこの曲?)
レニ剣士は大会に向けて特訓に入った。




