周吾の怒りとキス
少しの間美春は固まってしまったが、本来の目的は周吾が風呂に入ってる間に服を準備する事。その事を思い出し、慌てて服を持って部屋を出る。風呂場に服を置き、周吾が出て来る前に作り過ぎてしまった料理の品を、周吾と美春が今夜食べる分だけ分ける。残りはタッパに入れ、数日は多少腐っても美春一人で食べると決め冷蔵庫に入れた。
暫く周吾を待ってみても出て来ない。
二時間は経過している、ほとんど食事をしていなかったせいで倒れているんではないか心配だった。何度か声を掛けその度に、返事をするので安心するがやっぱり少し心配。長時間の風呂に水分補給が必要と思い、疲れもあるだろうと甘めのレモネードを用意する。
周吾が漸く出て来たのを確認し、直ぐに作ったレモネードを渡した。
その時も大袈裟に褒めて、美春の心は痛む。
「周吾さん話が」
「沢山作ったご飯何処?」
「食べ切れないのでタッパ―に入れて冷蔵庫に」
「全部食べる」
絶対無理と断っても勝手に冷蔵庫から取り出し、次から次へと口に入れていった。呆気にとられる美春は、もう疑視するしかない。まるで大食い選手権を見ているようで、あの周吾がこんなに食べているのは夢じゃないかと頬を抓る。痛覚があると現実なんだとただ、周吾に驚かされてばかり。
「ご馳走様」
「本当に全部食べちゃった」
綺麗に平らげてしまった周吾に美春は感心してしまった。なんでも常備されている薬箱から一つ、胃薬を取り出し周吾に渡す。
「これ何?」
「胃薬です。沢山食べたから胃が痛くなるかも」
「大食いしても平気、遺伝だから。でも、メイドが用意したなら飲む」
水が欲しいと言われ、慌てて冷蔵庫からミネラルウォーターを出しコップに入れる。美春は田舎育ちだからか、わざわざ水を買って飲む習慣はなく水道水を飲もうとしたのを周吾に止められた時は驚いた。
周吾の事だから、常備されているミネラルウォーターも高いんだろうなと、不思議そうに水を見つめる美春。見た目は一緒なのに何が違うのだろうか?
「メイド?」
「は、はい!」
「料理も水も美味しかった」
「えっと、お水はお高いものなので料理はありがとうございます」
ナルシスト女はとにかく褒めろのアドバイスとはいえ、周吾からの言葉に嬉しく思うと情けなくなってしまうが嬉しく思う単純な美春だった。
だが、此処で自分はナルシストでは無いと誤解を解かないといけないと、美春は息を飲み込み周吾の前に立つ。
「メイド?」
「周吾さん!お話があります」
「何?まさか、周真の所に行くって言わないよね」
さっきまでの周吾とは違い、急に声や雰囲気も冷たく感じた。それなのに顔は何故か笑顔に美春は、少し怖気づいてしまい、それが益々周吾を誤解にさせてしまう。
「やっぱり」
「ち、違います話を聞いて下さい」
「嫌」
「だから!私の話を」
「ベット」
へ!?と意味がわからない美春を抱きかかえ、周吾は自分の部屋に行く。何故ベットへ連れて行かれるのだと、抵抗するが力には敵わない。
「ちょ、離して周吾さん!」
「メイドが誰のものか教えてやる」
「わ、私は誰のものでもありません!」
「メイドは口答えしない」
口を人差し指で軽く押さえられ、そんなことしたって黙れるわけがないのに周吾の男の姿を見た感じがして、黙ってしまう。黙った事により、周吾は美春に抵抗がないと思い今度は優しく頬を両手で触れる。
「メイドは誰のもの?」
「それは・・・」
ここで誰のものでもないと言ってしまえば、何となく怖い思いするような気がして言えない。
「誰のもの?」
「えっと・・・ご主人様のも、の?」
再度聞かれ、答えなければ永遠に言うまで聞かれる様な気がして戸惑いながらも答えた。だが、少し不満そうな周吾の顔、なんでそこで不満な顔をするんだと更に不安になってしまう美春。
「違う」
「え?」
「周吾のものっていう」
「あの、でも、周吾さんは雇い主でご主人様ですよ?」
言葉が違えど、意味は一緒なのだ。そこで、不満がられても困ってしまう。
「周吾っていう」
「だから、意味は一緒じゃないですか」
「じゃ、お仕置き」
「え?・・ちょ、ま・・・んん・・・」
キスをされてしまい初めから美春にとって、ハードなキスだ。息が上手くできない事に周吾の肩を掴んでしまう。それが周吾にとって勘違いしてしまい、余計に深いキスを長くされてしまう。
どれだけ時間が経ったのかわからない、長い事キスをされている感覚に美春は唇が腫れてしまうのではないかと思ってしまうほどだ。そして次第に口から首へと下へ行く事に気付き、美春は慌てて暴れる。
そしてチクッと痛みを首に感じると、周吾は離れていく。
「時間は終わり」
久々過ぎて忘れまくりです!!ごめんなさい
いい加減更新しなければと、短い内容ですが更新しました^^
最後のちょっとした、エロはご勘弁を