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第3話: 客分の薬師

 拾われた猫には、二種類いる。


 出された皿をすぐ平らげる猫と、隅でうずくまって警戒する猫だ。


 セレナ・フェアミルは迷わず前者だった。


 目を覚まして最初に頭へ浮かんだのが「お腹がすいた」だったのだから、われながら大した薬師である。


 見慣れない天井が、頭の上にあった。


 白い漆喰に太い梁が走っている。エルデンの宮廷とは、木の組み方が違う。


 寝かされているのは清潔な寝台だった。乾いた毛布から、ほのかに薬草の匂いがする。


 (……ここ、どこかしら)


 記憶をゆっくり手繰り寄せた。


 雨の街道。行き倒れ。ぶっきらぼうな男の馬車。白湯と、干し肉。


 たしか、終点まで連れていってもらう約束だった。


 その終点が、つまりここというわけだ。


 北の隣国、カルディア。


 起き上がってみると、体は思ったより軽かった。


 誰かが濡れた服を乾かして、温かくして寝かせてくれたらしい。


 ありがたいことだが、同時に、ほんの少しだけしゃくでもあった。


 行き倒れた女を、わざわざここまで運ばせてしまったのだ。薬師の名がいよいよすたる。


 まあ、いい。


 起きてしまえば、もう済んだことだ。


 済んだことを引きずるより、次に何をするか考えるほうがよほど薬師らしい。


 セレナは寝台の上で、ぐっと伸びをした。


 その拍子に、腹の虫がまた鳴いた。


「……はいはい。わかっておりますわ」


 誰もいない部屋で、自分の腹に向かって答える。


 まったく、世話の焼ける患者だこと。


 扉が、こんこんと鳴った。


「起きてます? 入りますよー」


 返事を待たずに、若い娘がひょいと顔を出した。


 歳は、十八か十九というところ。


 そばかすの散った頬と、よく動く目をしている。


 両手に、湯気の立つ盆を抱えていた。


「あ、ほんとに起きてる。よかったぁ。三日も寝てたんですよ、お姉さん」


「三日……まあ。それはそれは、ぐっすりと」


「ぐっすりってもんじゃないですよ。死んだみたいに寝てたから、あたし何回も息してるか確かめに来たんですから」


 娘は盆を、寝台のそばの卓に置いた。


 黒い麦のパンと、白い乳の粥。それに、琥珀色の小皿がひとつ。


「はい、これ。お腹すいてるでしょ」


「ええ、それはもう。……あら、この琥珀色は」


「蜂蜜ですよ。パンにつけて食べてください。弱った人にいきなり重いもの出しちゃだめだって、うちのおっかさんが」


「……賢いお母様ですわね」


 セレナは思わず笑った。


 冷えて弱った体に、いきなり脂っこいものを入れてはいけない。粥から始めて、少しずつ戻す。


 それをちゃんと知っている家だ。


「あなた、お名前は」


「リタです。リタ・ボーデ。下の薬種屋の娘で、お姉さんのお世話を頼まれてて」


「薬種屋」


 その言葉に、セレナの目がきらりと光った。


「では、この建物の下は薬草のお店なの?」


「そうですけど……あの、お姉さん? 急に顔つきが変わりましたよ」


「だって薬種屋ですもの。乾かした草や、根っこや、瓶がいっぱい並んでいるのでしょう? ねえ、何が置いてあって? 鈴蘭は? ヤナギの皮は?」


「えっ、え、ちょっと待って」


 リタは盆の前で、目を白黒させた。


「とりあえず食べてからにしません? せっかくのお粥、冷めちゃう」


「……それも、そうですわね」


 言われてみれば、たしかに腹が減っていた。


 粥を一口すすると、優しい甘みが舌の上に広がった。


 乳と、ほんのり蜂蜜。塩は控えめで、弱った胃にちょうどいい塩梅だ。


「……おいしい」


「でしょ。おっかさん、お粥だけは上手いんです」


 次にパンへ蜂蜜を垂らして、かじってみた。


 黒い麦の香ばしさに、花の甘さが重なる。


 胃の底に、ぽっと小さな火が灯った気がした。


 三日前まで、雨の中で野垂れ死にかけていたのだ。


 温かい粥が食べられるというだけで、世界はずいぶん優しく見える。


「ねえリタ。蜂蜜って、薬にもなるのよ」


「はあ。甘いだけじゃなくて?」


「ええ。喉の痛みをやわらげますし、傷に塗れば膿みにくくなりますの。苦いお薬に混ぜると、子どもでも飲んでくれますのよ」


「へえ……つまり、甘くてずるい草みたいな?」


「ふふ。ええ、そういうことですわ。とても、ずるい甘さですの」


 うまいたとえだ、とセレナは感心した。


 むずかしい言葉を並べるより、よほどよく分かる。


 この娘、地頭がいい。


「お姉さん、薬師さんなんですよね。旦那様が言ってました」


「旦那様……?」


「ジェラルド様ですよ。お姉さんを拾ってきた人」


 ああ、と腑に落ちた。


 あの、ぶっきらぼうな男のことだ。


「あの方が、この部屋を?」


「はい。倒れてた薬師の女の人がいるから、回復するまで面倒みてやってくれって。お代も全部、あの人が」


 セレナは、粥の匙を止めた。


 見ず知らずの女に、ここまでする。


 お礼をするどころか、また借りを増やしてしまった。


「……困りましたわね。これでは、貸し借りがまったく釣り合いませんわ」


「あはは。あの旦那様、見た目こわいけどわりとそういう人ですよ」


 リタが、パンくずをつまみながら言った。


「街でもね、評判いいんです。困ってる職人にぽんとお金貸したり、橋の普請に黙って人出してくれたり」


「まあ。ただの使者には、ずいぶんと羽振りのよろしいこと」


「ねー。あたしも不思議なんですけど」


 使者、という言葉を、セレナはもう一度ゆっくり噛んだ。


 雨の馬車で見た、護衛たちの妙にかしこまった態度。


 懐で鈍く光った、紋章のようなもの。


 あれは気のせいだったはずだ。疲れた目は、よく見間違える。


 そう自分に言い聞かせて、セレナは詮索をしまった。


 いまは、考えても仕方がない。


 拾ってもらった恩を、どう返すか。そっちのほうがよほど大事だ。


「リタ。ひとつ、お願いがあるの」


「なんですか」


「下の薬種屋を見せていただけないかしら。……このまま寝ていても、退屈で死んでしまいそうですの」


「死なないでくださいよ。三日も看病したのに」


 リタが噴き出した。


 セレナも、つられて笑った。


 不思議な娘だ。


 令嬢様、と畏まることもなく、かといって無礼でもない。


 ただ、まっすぐ目を見て喋る。


 その遠慮のなさが、なぜだか心地よかった。




 階下の薬種屋は、想像していたよりずっと立派だった。


 壁一面の棚に、無数の小瓶と木箱が並んでいる。


 乾いた根、砕いた樹皮、色とりどりの粉。天井からは、束ねた薬草が吊るされていた。


 むっと立ちこめる、苦くて青くさい匂い。


 セレナにとっては香水よりもよほど、胸が躍る匂いだった。


「すごいでしょ。うち、このへんじゃ一番の品揃えなんです」


「ええ……ええ、すごいですわ」


 セレナは、棚の前で目を輝かせた。


 瓶のひとつを手に取り、栓を抜いて匂いをかぐ。


「これはカモミール。よく乾いていますわ。陰干しの腕がいいのね」


 次の箱を開けて、黒っぽい根を一つまみ。


「あら、これは……ヤナギの皮。熱と痛みをやわらげる、ありふれた木の皮ですわ。煎じると、ずいぶん苦いのよ」


「お姉さん、見ただけでわかるんですか」


「匂いと、色と、手触りでね。あとは……ふふ、内緒ですけれど、昔ぜんぶ自分の舌で確かめましたの」


 リタが、ぎょっとした顔をした。


「舌で? 毒とかも?」


「ええ、毒も。少しずつね。どこまでが薬で、どこからが毒か。舐めて、覚え書きにつけて、また舐めて」


 セレナは、なんでもないことのように言った。


「七年もやっていると、たいていのものはひと舐めで見当がつくようになりますの」


 それは、自慢でも誇張でもなかった。


 ただの、積み重ねの話だ。


 毎晩の覚え書き。誰も読まない古い薬学書の解読。棚で眠っていた処方の、ひとつひとつのやり直し。


 その厚みが、いつのまにかひと舐めの速さに変わっていた。


「……それ、つまり、めちゃくちゃ命がけってことですよね?」


「あら。そういう言い方をされると、なんだかばかみたいですわね」


 セレナは、くすりと笑った。


 ばかみたい。たしかに、そのとおりだ。


 でも、その「ばかみたい」の七年があったから、いま自分はここに立っている。


 手の中の瓶を、棚にそっと戻した。


 その時だ。


「いやいやいや、先生! こんなとこにいた!」


 店の戸口から、明るい声が飛んできた。


 振り返ると、長身の男が立っていた。


 歳は、二十代の半ば。


 すらりと整った顔立ちで、磨けば貴公子で通りそうな男前である。


 なのに、その表情ときたら近所の悪童のように軽い。


「あー、よかった。逃げられたかと思いましたよ。旦那が、起きたら様子を見てこいって、うるさくてうるさくて」


「……どちら様、かしら」


「おっと、これは失礼。テオって言います。テオドール・リント。ジェラルド旦那の、まあ、世話係みたいなもんで」


 男は、にっと笑って胸を叩いた。


「で、あなたが噂の、雨に濡れた薬師の姫さんってわけだ」


「姫さん……」


「あ、お気に召しません? じゃあ先生でいきましょう。薬師さんだし」


「テオさん、勝手に決めないでくださいよ」


 リタが、横から呆れ顔でツッコんだ。


「お、リタじゃん。お前も世話焼かされてんの? ご苦労さん」


「テオさんに言われたくないです」


 ぽんぽん飛び交うやり取りに、セレナは思わず口元をゆるめた。


 どうやら、この二人は顔見知りらしい。


 寡黙な男に拾われた先が、ずいぶんと賑やかな国だこと。


「テオさん、とおっしゃったかしら」


「はい先生、なんでしょう」


「あなた、昨日あまり眠れていませんわね。それと、左の肩を少しかばっていらっしゃる」


 テオの笑顔が、ぴたりと止まった。


「……は? なんで」


「目の瞬きが多いの。眠い人の癖ですわ。それと立ち方。左の肩を無意識に上げていらっしゃるもの」


「いや、ちょっと、こわ……」


 テオが、本気でのけぞった。


「先生、人の顔見ただけで身体検査します?」


「あら。薬師の悪い癖ですの。気になさらないで」


「気になりますって!」


 リタが、横でけらけら笑っている。


 セレナも、笑った。


 久しぶりに、声を出して笑った気がする。


「……まいったな。旦那が拾ってくる人は、どいつもこいつも食えない」


 テオが、肩をすくめて言った。


「で、肩のほうは当たりです。昨日、馬の世話してて蹴られかけて」


「まあ。それは災難。冷やしてから温める湿布が、よく効きますのよ。あとで作って差し上げますわ」


「うわ、ほんとに薬師だ。……あ、そうだ。礼はちゃんとしますよ。なんてったって旦――」


 テオの言葉が、ふいに途切れた。


「旦那の、命令ですからね」


 なんでもない顔で、そう言い直す。


 けれど、言い直すまでのほんの一拍。


 そこに、わずかな間があった。


 セレナは、それに気づいた。


 気づいたが、口には出さなかった。


 言葉を飲み込むときの呼吸というのは、診ていれば分かる。


 けれど、人の秘密を暴くのは薬師の仕事ではない。


 暴くのは、たいていろくな結果にならない。


「テオさん、お粥のお礼に、これ」


 リタが、紙包みをひとつ差し出した。


「お、なになに」


「蜂蜜のパン。お姉さんにも出したやつ。テオさん、すぐお腹すかすから」


「リタ、お前いい奴だな……結婚するか?」


「しません」


 即答だった。


 テオが、大げさに胸を押さえてよろめいた。


 セレナはもう、こらえきれずに笑った。




 その日の夕方、ジェラルドが顔を見せた。


 薬種屋の二階の客間に戻ったセレナのもとへ、彼は短く現れた。


 相変わらず、愛想は欠片もない。


 けれど、ちゃんと自分の足で様子を見に来たのだ。


「起きたか」


「ええ、おかげさまで。すっかり元気になりましたわ」


「……顔色は、悪くないな」


 ジェラルドは戸口に立ったまま、ぼそりと言った。


「ご迷惑をおかけしましたわね。お部屋もお食事も、何から何まで」


「気にするな」


「そういうわけにもまいりませんわ。命を二度も拾っていただいて、お礼の一つもないなんて」


「礼はいらん」


 短い。


 あいかわらず、取りつく島もない返事だ。


 けれど、セレナはもう、この男の言葉の足りなさに慣れ始めていた。


 「いらん」の裏に、たいてい余計な気遣いが隠れている。


「では、こういたしましょう」


 セレナは、にっこりと笑って言った。


「わたくし、ここで薬師として働かせていただきますわ。腕には、それなりの自信がございますの」


「働く?」


「ええ。借りはお金ではなく、腕でお返ししますわ。そのほうが、わたくしらしいでしょう?」


 ジェラルドが、少しだけ目を細めた。


 値踏みするのとも、疑うのとも違う。


 ただ、思案する目だった。


「カルディアは、お前の国とは違う」


 彼は、ゆっくりと言った。


「血筋も家名も、ここでは大して値打ちにならん。腕のある者が、腕のぶんだけ食える。それが、この国のやり方だ」


「……まあ」


 その言葉は、セレナの胸に思いがけず深く落ちた。


 血筋も、家名も関係ない。


 腕のぶんだけ、報われる。


 エルデンでずっと欲しかったものが、ここには当たり前のように転がっている。


「いい国ですわね、カルディアは」


「……そうか」


「ええ、とても」


 ジェラルドは、それきり黙った。


 けれど、その沈黙は気まずいものではなかった。


 部屋の隅で、蝋燭の芯がぱちりと小さく爆ぜた。


 窓の外は、もう藍色に暮れている。


「テオから聞いた」


 ふいに、ジェラルドが言った。


「お前、人の不調をひと目で当てるそうだな」


「あら。テオさん、もう言いつけたのね。早いこと」


「あいつは口が軽い」


 ジェラルドが、わずかに眉を寄せた。


 その表情がなんだかおかしくて、セレナはまた笑ってしまった。


「不調だけではございませんわ。毒も当てられますの」


「毒?」


「ええ。何の毒か、どれくらい盛られたか。味と、匂いと、体の反応でね」


 セレナは、なんでもないことのように続けた。


「薬と毒は、同じ草の裏と表ですもの。分量と扱いで、どちらにもなりますの。その境目を見極めるのが薬師の仕事ですわ」


 ジェラルドは、しばらく黙って彼女を見ていた。


 その目の奥で、何かを計っているような気配があった。


「……近く、面倒な席がある」


 やがて、彼は低く言った。


「面倒な席?」


「エルデンとカルディアの、外交の宴だ。二国の縁談をまとめるための」


 縁談、という言葉に、セレナは内心で首をかしげた。


 けれど、それより先に、ジェラルドが続けた。


「あの手の席には、必ず毒見役がつく」


「毒見役、ですの?」


「ああ」


 ジェラルドは、戸口の柱に肩をあずけた。


「仲の悪い国同士が、同じ卓を囲む。料理に何が仕込まれているか、誰にも分からん。だから客が口をつける前に、すべて誰かが先に毒見をする」


「……まあ」


「もし卓で誰かが倒れれば、それはもう、ただの粗相では済まん。下手をすれば、それを口実に戦になる」


 セレナは、息を呑んだ。


 ただの食事ではないのだ。


 一皿の向こうに、二つの国の戦と平和がぶら下がっている。


 そういう、張り詰めた卓。


「その席を、こちらでは“毒卓”と呼ぶ」


 ジェラルドが、静かに言った。


「毒卓……」


 口の中で、その言葉を転がしてみる。


 毒の、卓。


 なんと物騒で、なんと――面白そうな響きだろう。


 いけない、とセレナは思った。


 こういうとき、薬師の血が騒ぐのは悪い癖だ。


「その毒見役が、足りておりませんの?」


「腕のいい者が、いない」


 ジェラルドは、率直に言った。


「毒を盛られても気づかぬ毒見役など、置物と同じだ。本物が要る」


 そうして、彼はセレナをまっすぐに見た。


「お前、さっき、毒を当てられると言ったな」


 セレナの胸が、とくんと鳴った。


 拾われた猫が、出された皿を平らげるだけでなく家の役に立てるかもしれない。


 そんな予感が、ふと胸をかすめた。


「……ええ。当てられますわ」


 セレナは令嬢らしく、ゆっくりと頷いた。


 けれど、その目の奥は好奇心で、すっかり輝いていた。


「ただし、一つだけ」


「なんだ」


「わたくし、いまは追われた身の、よその国の女ですわ。勝手に毒見役を名乗って、お国の大事な席に出てよろしいものかしら」


 それは、本当のところだった。


 腕には自信がある。


 けれど、立場がない。


 追放された薬師に二国の運命がかかった卓を任せていいのかは、セレナの決めることではなかった。


「……それは、俺が決める」


 ジェラルドは、短くそう言った。


「お前は、自分の腕のことだけ考えていろ」


 ぶっきらぼうな、いつもの調子だった。


 けれど、その一言は不思議と頼もしく響いた。


「では、お言葉に甘えますわ」


 セレナは、にっこりと笑った。


「腕のことなら、まかせてくださいまし。……久しぶりに、ちょっと鳴りそうですの」


 ジェラルドは、何も言わなかった。


 ただ、戸口で背を向けるとき、その口元がほんの少しだけゆるんでいた。


 彼が去ったあと、セレナは窓辺に立った。


 藍色の空に、ぽつりと星が一つ灯っていた。


 拾われた猫はもう、隅でうずくまってはいなかった。


 明日からは、自分の足で、この国を歩いてみよう。


 そう決めたら、ふしぎと、またお腹がすいてきた。


 拾われた猫は、もうすっかり、この家の猫の顔をしていた。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。相川ことねです。


第三話は、セレナがカルディアの見知らぬ天井の下で目を覚まし、新しい仲間たちと出会うお話でした。前回のあとがきで予告したとおり、新しい街と、新しい掛け合いの始まりです。


今回から、二人の新キャラが登場しました。世話役の町娘リタと、軽薄な二枚目テオです。リタは、むずかしい薬の話を「つまりどういうこと?」とまっすぐ聞き返してくれる、地頭のいい子。セレナが令嬢の仮面を外して素を出せる、大事な相棒になっていきます。テオは……まあ、見た目はいいんですけど、口が軽くて調子に乗りで。でも、ああいう子がいると、場がぱっと明るくなりますよね。書いていて、いちばん楽しいキャラかもしれません。テオがうっかり言いかけて飲み込んだ「あれ」が何なのか、それはもう少し先で。


そして、いよいよ次回は「毒卓」です。二つの国の運命がかかった、張り詰めた外交の席。毒見役も見抜けない毒を前に、セレナの七年の腕がいよいよ火を噴きます。お楽しみに。


どうぞ、続けてお付き合いくださいませ。


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