さあ神話になるであろう真のSF終焉導入NO.1,NO.2,NO.3,NO.4…NO.13
振り向くとそこは闇一色だった。闇一色で肩が重い。目は意味をなさない。声を聞いた。
「お前はどこまで理解している。」
男の、いや…髭男の声だった。床はコンクリート。
「予想通りだな。祝詞言葉は僕を操るアクセス権か?」
床はコンクリート。靴は運動靴。それに学ラン。ああそうだ、ここだ。11月22日だ。
「11月22日。またここか…何週目だ、最初から終わらせる気ないだろ。」
たまたまだ…と言う声を聞く。
「顔も何も見えないのは焦ったいな。この暗闇どうにかしてくれよ…お前の影だろうが。」
そう…影。髭男の影ではない…髭男の影はそれではない。
「俺はお前の未来だ…」
僕を取り巻く闇が言った。その言葉は何度も重複されて耳に響く。耳が痛い。
「あんたは一体何者なんだ。」
僕は髭男に聞く。髭男は低い声で応える。
「お前の敵でありお前の仲間でもある。そしてこの世界でもある。良かったな俺がいて。」
ああ良かったよ…これで、納得させるのはこいつつまり世界そのものだけで良いんだから。
「猫又…な。あいつが何度も輪廻転生をしていたのは驚きだ。それであいつだけが辻褄を無視してきたのか。許せん。」
そいつ以外にも辻褄も因果も無視してきたやつは沢山いた。突然蹴るやつ、突然叱責するやつ、突然首を締めるやつ。今回僕の友達が猫又だけってわけで仲間が他にいた時もあっただろう。みんなかすかな記憶はあるはずだ。
「は、お前はいつだって一人ぼっちだ。孤独だ。そして何も出来ない。仲間などいない、俺しかお前を見ない。俺を信じろ。」
髭男は見透かしたように嘲笑する。
「それは偏向報道だ。僕は一人ぼっちだけれど、一人だけれど、一匹と一人ぼっちだからだ。」
笑えない…そう男は言う。今度は影がこっそり僕に言う。
「僕はあなたを救いたい。それができれば僕は納得する…と。」
髭男はまだ笑っている。影は言う。
「世界に納得してもらう必要があるからと言って世界そのもの、つまりあの男を納得させることが唯一解じゃないんだ。」
僕は無表情で聞く、悟られないように。髭男はこう提案してきた。
「もう一度やり直すか?三週目だ。もうこの世界では何も出来ないだろう?」
影は囁く。
「思い出すんだ…少しの猶予ならあげられる。それで君がアレを可能にできるなら僕は君を…」
暗闇の中で髭男の声が聞こえる。
「やり直すか?小僧。どちらか早く選べ。」
だから僕は応える。
「どちらか、か。そりゃ当たり前に希望がある方だよな。」
髭男は言う。
「そうか、ならばやり直すか。こんな世界、ゴミだからな。」
僕は言う。
「お前は誰と話しているんだ。僕は決めたよ、この世界で全てを終わらせる。」
影は言う。
「ありがとう…僕に見せ場を作ってくれてありがとう。」
影の言葉遣いが…まるで僕のようになっていたのはあえて無視してあげた。だってそうだ、僕の未来なんだから当たり前だ。
それが影になるとかどれほどの…
視界はより闇を深めた。僕はそのまま倒れ続ける。髭男に出会ったこの11月22日から全ての収束点、8月8日へ。




