真の浮遊霊との邂逅
キリア*スタンダート*ザヒ。スコットランドにいた悪魔の名前。エルフの皮を被った悪魔は妖精の森に潜んでいた。
なぜ潜んでいたか…妖精を支配するためとかだろうか。
倒れ続けた僕が最初に見たものは星の輝きだった。それから芝生の匂い、木々の香り。どうやら覚えがある…目が覚めたら僕は思う、ここはスコットランド、妖精の森だと。
ワイー、信州の蕎麦屋でござんすわー。
そこから始まったのだろう、僕と彼女の邂逅は。
彼女の目的…それは何だろうか。僕はふと気になって考える。けれども目は開いていて空は開けていた。森の底で寝ている僕の頭上に光の球が飛んでくる。まるで生きているようにゆらめいて、それから集まる。これが妖精だろうか。その光から声が聞こえた。
「あなたは異界の使者でしょうか。」
僕は、曖昧に頷く芝生の上で。光の玉は僕の頭上を彷徨う、まるで浮遊している霊のようだ。
「私たちは死ぬことはありません。木々に眠る精霊ですから。」
妖精ではなく、精霊。そう名乗られた。やはり浮遊する霊じゃないか。
「この森にエルフの皮を被った悪魔がやってきました。彼女は悪魔の中でも公爵家でありザヒ家の娘です。そして任務として彼女は私たちを消そうとしている、殺すことはできないのに。」
愚かです、と僕に囁く。その言葉がいやに鼻について僕は起き上がる。起き上がって光の玉を両手で掬う。彷徨える霊。
「私たちは彼女が諦めることを望みます。彼女に他の道を見つけてあげてください、彼女はあなたを殺したいわけではないのですから。」
清きエルフの心を持った悪魔ですよ、彼女は。そう言って両手に掬っていた光は虚空へと去っていく。
だから僕は彼女に会うべきだと確信する。そう僕にはある考えがある。この物語が真に終焉をとげるために、やるべき事。猫又はその身を持って教えてくれたのだ。世界を成仏させる、そんな答えに。




