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安らぎはない
見渡せば花畑がない。沙羅蒼樹の花々はない。心の風が僕の頬を伝わない。甘い香りが届かない。燦々と光る太陽が僕の心を温めない。嫌な月は身を隠さない全部見える。生き物は姿を見せる鬼だらけ。
僕だけの世界ではない、僕以外の全てのための世界。
僕は邪魔者。
一歩も歩けない。息切れする。、体が痛い。だから動けない。右足も左足も思ったように動かない。髪を揺らす心の風は追い風になって僕を押さない。
この世界は僕以外の全てのためのもの。
僕がいないこの世界で、僕がいないこの世界で、世界は笑う。声を出して笑う。
風は世界の笑い声を運んで広げてくれる。世界の声はやまびこのように平野を駆けて、そうして僕を襲う。発狂する。月は僕を監視してその長い箸で僕をつまむ。
摘まれた僕はゆっくりと運ばれる。花々は枯れる。
地獄よりも何よりも暑くて暗い。汚くて臭くて怖い。だから発狂する。
叫び疲れた僕は目を閉じる。気のせいか、やけに瞼は重くて勝手に、まだ痛いのにそう、勝手に…目を閉じて僕は眠る。




