A-018.1102.1730 平穏を見出すこの町で
「アスカさん、聞いてください。三軒茶屋にあるビルの」
「いやもういいんじゃないかな!!ほらほら、アスカちゃん時間だよ!!」
そら子がまだ話し足りないと持ち出した怪談話を藤子が遮り、背中を押されてエレベーターに乗るのが日常になりつつある。
地上へと帰ってきた。エレベーターを降りると今や見慣れた風景が広がっている。屋内だがエアコンのない東京基地では外気と変わらない室温に身震いした。そろそろマフラーが欲しい。
基地塔部へ続く渡り廊下を歩いていると、ゴォッとやけに近くで空気を裂く音が聞こえ。
渡り廊下が吹き飛ばされた。
耳鳴りが少しずつ晴れていく。
身体に痛みはなかった。ヒカリの翼に包まれていたおかげだ。
サイレンが耳に届くのと同時に、周囲の破壊音が翼の外から聞こえた。二回三回と続けて攻撃を受けたのだ。しかし、ヒカリの守りが破られることはない。
「ありがとう」
「キィ」
「強いミーダ波を感じるわ。山羊のときよりは小さいけれど」
ヒカリの眼差しは、物言わずしてわたしの決断を待っていた。
「また、背中を貸してくれる?」
歓喜の鳴き声と共に、霄へと飛び上がる。
「行きましょう!」
気配は、海から。
お疲れ様です。
周りに一人は居ませんでしたか?怪談好きの人。そら子はピクリとも表情を変えず平坦に話すのでなかなか怖いと思います。
さて、危険はありましたが、ヒカリのおかげで難なく生き残る魚石アスカ。
鮫浦副隊長と協力はできるのか。
更新はいつも通り一週間後、6月26日の予定です。
よろしくお願いします。
次回は、鮫浦視点です。ここからくるくる視点を切り替えるのでちょっとわかりにくいかもしれません。




