M-258.0708.0546 UNOQ会議3
「……なにこの空気?」
みな神妙な面持ちをしていた。
「えーっと、そのー、言いにくいんですけどその、魚石アスカは……」
「う、魚石アスカは?」
嫌な予感に頬が引きつった。
「存続していますぅ」
「えええぇえ!!??」
酉井の申し訳なさそうな返答で、椅子から転げ落ちた。
「抹消措置だぞ!?ヒューマニティで抗えるヤツいるのか!?」
大の字に手足を広げてテーブルの下から叫ぶ。
「複写を取って抹消までは通常通り。そして復元過程をスキップする操作はアタシがこの目で確認したんですけど……彼女は復元されて出てきたんですぅ」
しょんぼりした声色に事実を再認識させられる。
信じられない。
長楼閣は地下と地上を繋ぐ装置である。
地下東京駅の上部から天蓋まで延びる白い巨塔は長楼閣と呼ばれ、地下のシンボルでもある。
権利を握ったのは、発見したおれだった。
故に長楼閣の概要を知るものは少なく、困ったときは抹消措置で物も人もあらゆるものを消し、改竄を行った。
おれが地下君主の称号を保てる理由だった。しかし、魚石アスカに抹消措置は通じない。
なら、彼女の呼び方は改める必要があった。
「ゴールドスタインだ……」
「元より、長楼閣を造ったのは六海様がここに来て初めて会ったという、先進的知性を持つ何者かです。我々は、仕組みを半分も理解できておりません。原因の特定は困難です」
一鳥が淡々と事実を述べた。
「むつっちー。こりゃ現状はお手上げってやつだ。魚石アスカは」
「ゴールドスタイン」
「……そのゴールドスタインはまた時間をかけて解決しましょうや。仕事は他にも山積みなんでね」
肩をすくめる鳩山。
「そうですねぇ。彼女が地下と地上を自由に行き来できてしまうというなら、アンテノーラの数を増やして、偽装処理や情報操作をより綿密に行う必要がありますし……」
困り顔の鴪口。
「……オーケー」
誠に遺憾である。が、そうは言っていても仕方がない。身体を起こして立ち上がった。
雲行き不安な会議室を見渡して、微笑む。
「なに、魔石大戦と同じさ。インコーポレート」
「イレギュラーの排除から始めよう。一人ずつ、入念にね」
お疲れ様です。
これにて一節が終わりました。
改めてお疲れ様です。次週から二節に入ります。
一つ目の区切りを迎えることができ、とても嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。
更新も通常通り一週間後、3月13日の予定になります。
テンポよく話を進めたい!!
伏線もばらまきたい!
相反する願い?




