R-027.0707.1819 魔剣使いの真情
「来たな。入れ」
腕を組んだ継目に顎で促される。
「なんだよ、なにが始まるんだ」
「面接だ」
「はあ!?聞いてないぞ!」
「大の大人が喚くな。もう中に居る」
既に受験者が居ると知り、声のボリュームを落とす。
「な、こういうのは継目が先行けよ。馬の尾にも涙っていうだろ」
「錯乱するな。それは馬尾先生とやらも言ってないだろ。それに、俺は既に話した。特に俺から言うことはない。どうせ、我々に決定権は無いしな」
「は?」
「国際連合の意向が絡む内閣直々の要請だ。実質、拒否権はない」
「無茶苦茶だな。なんのための面接なんだよ」
「彼女は、お前から承諾をもらいたいそうだ」
ハッとする。
「いや、だとしてもそれって意味あるか?」
「黎次がダメと言うなら国連相手に駄々をこねてでも辞退するらしいぞ。Nプロパティも渡すつもりはないと」
「無茶苦茶だ!」
「お前が望んで蒔いた種だろう。ほら、行ってこい」
「うえっ」
バタン!!と扉を閉められ、会議室に押し込められる。
部屋には一人、静かに座る彼女が居た。
彼女が立ち上がると、鮮緑の瞳がこちらを捉えた。うだる暑さが漂い始めた東京基地。薄曇りの夕空から僅かに西日が覗き、亜麻色の髪が靡いてキラキラと反射する。
気品まとう立ち姿は、後光が差し。
彼女は、深々と一礼した。
「お久しぶりです」
「……待たせて、悪かったな」
「とんでもありません。こちらこそ、お待たせしました」
澄んだ声が部屋に響く。
「副隊長、わたしを」
彼女は一段と姿勢を正し、言葉を紡いだ。
同じ文言を前にも聞いた。
初めて会ったときは縋るような目をしていた。
言葉には、執着にも似た愛憎が含まれていた。
しかし、今はもう違う。
彼女の目に、曇りはなく。
その言葉には、思慮と覚悟が満ちていた。
お疲れ様です。
時間こそかかっていますがやりたいことをやれている気がします。
兄的にはここが一つ目の区切りになるのですが、妹的には残り三話ほど載せてから一区切りだとのこと。
どうぞよろしくお願いします。
更新は変わらず一週間後、2月20日の投稿予定!
次回は、会議を開きます。




